聞こえよがしに悲嘆をさけぶ
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ごうごうと唸る、住宅街の室外機の音がやけに耳にさわって、僕は短くなった煙草を一息に吸うと、目の前を流れる、夜をうつしこんだ真っ暗い川に投げ捨てた。 ほの赤い煙草の火が水面に一瞬だけ映るのを横目に、暑い暑いと言いながらコンビニで買ったカップヌードルを食べている彼女の方に向き直る。 「あのさあ」 夏の夜に腰掛ける鉄柵は昼の熱気を吸って生ぬるく、吹く風だって、じっとりとした空気をけだるげにかき混ぜて去っていく。 「あのさ、そりゃ暑いよ」 「ほへへほーひょへ」 慎重に、スープが服に撥ねないようにそろそろと麺をすすりながら彼女は答えるけど。 「ああ、うん、そう」 何言ってっかわかんねーよこの馬鹿。 僕は動くのも億劫な風に、右手で煙草をまた一本取り出して火を点ける。 薄暗さに慣れた目の前が急に明るくなって、煙を吸い込んだ僕は煙草にだけじゃなくくらくらとする。 「そのね、ライターを点けて、暗いところに君が浮かび上がるのが好きだよ」 ごちそうさま、君の真似、と言いながら箸を川に投げた彼女が、いきなり顔を近づけてそんなことを言うものだから。 「ああ、うん、そう」 いきなり何言い出すんだよこの馬鹿。照れる。 照れた僕の言葉は、多分ごうごうと唸る室外機の音にほとんどかき消されてしまっていただろうけど。 「あのさあ、そりゃズルいよ」 「なに、ときめいちゃった?」 口の端をいっぱいに開いて微笑む彼女の唇に、ネギがついていた。 僕はそれがおかしくて、ちょっと笑いながら負け惜しみを言う。 「虚をつかれたね」 「ほへへほーひょへ」 2個目だ。 「太るよ」 いくらなんでも。
もうギャグです
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