聞こえよがしに悲嘆をさけぶ
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ごうごうと唸る風がやけに耳にさわって、僕は短くなった煙草を一息に吸うと、目の前を流れる、夜をうつしこんだ真っ暗い川に投げ捨てた。 ほの赤い煙草の火が水面に一瞬だけ映るのを横目に、寒い寒いと言いながらコンビニで買ったアイスをかじっている彼女の方に向き直る。 「あのさあ」 冬の夜に腰掛ける鉄柵は骨まで冷えるほどで、吹く風だって、手袋をしてない煙草を持つ手は氷みたいだ。 「あのさ、そりゃ寒いよ」 「ほへへほーひょへ」 慎重に、食べ終わり際のアイスが棒から外れないように歯でこそげ取りながら彼女は答えるけど。 「ああ、うん、そう」 何言ってっかわかんねーよこの馬鹿。 僕はすっかりかじかんでいる右手で煙草をまた一本取り出して火を点ける。 薄暗さに慣れた目の前が急に明るくなって、煙を吸い込んだ僕は煙草にだけじゃなくくらくらとする。 「そのね、ライターを点けて、暗いところに君が浮かび上がるのが好きだよ」 はずれだった、君の真似、と言いながら棒を川に投げた彼女が、いきなり顔を近づけてそんなことを言うものだから。 「ああ、うん、そう」 いきなり何言い出すんだよこの馬鹿。照れる。 照れた僕の言葉は、多分ごうごうと唸る風にほとんどかき消されてしまっていただろうけど。 「あのさあ、そりゃズルいよ」 「なに、ときめいちゃった?」 口の端をいっぱいに開いて微笑む彼女の舌は、薄青く染まっていた。 僕はそれがおかしくて、ちょっと笑いながら負け惜しみを言う。 「虚をつかれたね」 「ほへへほーひょへ」 2個目だ。 「おなか壊すよ」 いくらなんでも。
エントリーシート書いてて嫌になってこれを書いて恥ずかしいです。
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