今日から、新しいお手伝いさんがきている。
ささっと家の中を見て、「これはいかん!」と思ったところから、取り掛かったようだ。
まずは清二の部屋の私のスポーツバッグが積み重ねてある一角。そこはぐじゃぐじゃなのが自然体だったから、整頓しようとは思いつかなかった。埃もすごかった。
それから、理人の部屋の二段ベッドの下。今までのプリントや教科書類が入った箱が、つぶれてぐじゃぐじゃになっていた。埃まみれ。
「パニ・ユーコ、ココ、ナントカシテクダサイ」
というので、何とかしないといけない。いらないプリントは捨て、昔のお絵かきと教科書と日記を残すことにした。
理人が幼いころに描いた絵は、ほとんど保存してあるのだ。 おもしろい絵を描く。あ、この子は柔らかい頭を持っているなぁ・・・と思いながら幼少期を見守ってきた。ぬきんでた画の才能というのではないけれど、なにがしかの思考力を持っている画なのだ。
子供部屋で、理人が描いた一枚一枚の絵を眺めて思い出に浸っていた。 そのときの生活がそのまま絵の中に表現されていた。 飼っていた猫、大切にしていたぬいぐるみ、近所の工事現場にいた作業車。何枚か昔の同僚の娘さんがかいたものも混じっていて、ついついまなじりが下がってしまった。
日記も出てきた。二年生の頃の日記。毎日、素直でかわいいことを書いている。まだ一人では文章がかけなかったので、私が助けた形跡がある。口頭で感じたことを言わせ、私が書き取り、それを理人が清書したものだ。
時間を忘れてページをめくった。 その間にも着々とお掃除はすすんでいった。
新しいお掃除のおばさんは、掃除のコツをよくわかった人で、とても有能な人のようだ。
家がぴっかぴか。 マンガで描いたら家中ぴかぴかマークでいっぱいになるくらいだよ。
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