| 2004年03月10日(水) |
よしもとばなな著「デッドエンドの思い出」 |
今朝、子供たちが出て行ってから、よしもとばななの「デッドエンドの思い出」を読み始めた。再読。再々読かな。
私は、5編の短編のうち、2番めに収められている、「おかあさーん!」がすき。
元従業員の逆恨みで社食のカレーライスに大量の風邪薬が入れられ、知らずに食べた主人公の私は、それが原因で心身ともに後遺症が残ってしまう。父親は幼少時に死別、母親の性格は育児には不適格だったらしく、父方の両祖父母に引き取られて成長した。 記憶に残る幼少時代の母子関係について考えさせられる。
泣かせるシーンが2ヵ所あって、私はいつも、最初の山場、仕事先で相手に対するイライラの極限がはじけとんだ箇所で激しく涙が出る。
私も主人公と一体化して内面を爆発させるかのように声をあげてしゃくりあげて泣いた。 そのシーンに私も居合わせたかのように、いや、私が主人公にのりうつっちゃったかのように、私もずっといつまでもしゃくりあげて泣いていた。 嗚咽を押さえては読めなかったよ、私は。
そのまま本文を先に読んでいっても、なかなか感情の昂ぶりが鎮まらなくて困っちゃった。
人って、自分で自分の感情を無理やりコントロールしている、ってことにすぐには気づかないものなんだな、って思った。それが成熟した大人ってことでもあるし、理性がちゃんと備わっているってことなんだろうけど。 傍目に、上手く生きているようにみえる人は、どこかでなにかに目に見えないしわ寄せがきているんだろうな、って思う。よしもとばななを読んだあとはいつもそう思えてくる。
それにしても、今の実生活で、あんなふうになりふりかまわず声をあげて泣きじゃくったのっていつのことだったかな。
そういえば、自分が押さえていた内面を一気に爆発させたことなんて、今までになかったかも。あまり内側におかしなものを溜め込んだことがないもん。
ようするに、自分の感情を無理やりコントロールしたことが無いのかも。いつもそのまんま。喜怒哀楽が激しく。子供みたいに外側に発散してる。
あ、つまり私ってまだまだ子供ってことなのか・・・。 でも、子供のように心が健康である、ってことでもあるんだろうな。
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