2012年07月30日(月)  どじょうに教わる「命いただきます」

先週の木曜のこと。

保育園のお迎えに行くと、「ご自由にお持ち帰りください」と、保冷剤を入れたたらいの水に、どじょうがうじゃうじゃっと放たれていた。

どこかから貰い受けたとかで、プールでどじょうつかみ大会をやったという。

どじょうなんて、料理したことないし、と敬遠して持ち帰らなかったところ、「食べたかった」とダンナがうらめしそうに言ったので、金曜の朝にまだ残っていたのを4匹持ち帰った。



ちょうど土用の丑の日。「どじょう1匹で鰻1匹分のスタミナ」がつくのだとか。それがうなずけるほど、とにかく元気。水を張った鍋の中で、ぴちぴちと跳ね続けるのを、パソコン打ちながら聞いていたら、

ピチャッ!

高さ120センチの棚に置いた高さ20センチの鍋から一匹が飛び出し、高度140センチの決死のダイブ。

床でのたくっているのを、一人でキャーキャー言いながら追い回した。保育園では何十匹もつかまえるツワモノもいたそうだけど、ぬるぬるして、
素手ではつかめず、タオルで捕獲。

「お酒に酔わせて粉をつけて揚げるとおいしいらしいわよ」と園長先生には言われたけれど、油の中で暴れて、油まみれでダイブされたら……と想像して、ぞぞーっとなった。

これは、飼うべしか……とネットで飼い方を調べてみたりするけど、それはそれで大変そう。水が濁らないようにこまめに掃除……無理無理。かたつむりのお世話で精一杯。

たまをお迎えに行って戻ってくると、一匹がおなかを見せて浮いていた。ダイブで体力を消耗した一匹かもしれない。これで、「食べよう」と心は決まった。

鍋の水ごとざるに空けると、息のある3匹が激しくのたうつ。鍋に戻して酒をどばっとかけると、一瞬で虎に変身して大暴れ。床じゅうにお酒を飛び散らせ、体を「つ」の字に反って反転して反って、鞭打つように、しなるしなる。

飛び出さないように、網を鍋にかぶせ、たまと二人で、キャーキャー。

「お酒を振って5分置く」というレシピを見かけたけれど、30分経っても、ピチ、ピチ……。その日は諦め、明くる土曜の朝に調理することにした。


クレイジーソルトを振り、コーンスターチ(小麦粉がなかったので)とたっぷり粉チーズの衣をつけ、にんにくひとかけとともにオリーブオイルで揚げ焼き。

レモンを搾って食べると、これがなかなかの味。骨までおいしくいただき、胃袋にて成仏した。


元気に暴れていたどじょうと、料理に変身したどじょうを見て、たまは「命をいただく」ということを感じてくれた様子。

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