2008年02月04日(月)  マタニティオレンジ233 子守話5「こんにちは さようなら 雪だるま」

道路に積もった雪は朝陽に溶けてしまったけれど、保育園の土の園庭は銀世界。その景色からヒントを得て、今夜の子守話ができた。

子守話5 こんにちは さようなら 雪だるま

雪がたくさんふってつもった つぎの朝 
たまちゃんは 雪だるまをつくりました。
おにぎりみたいに 雪をぎゅぎゅっとかためて まあるくして
大きいまると 小さいまるを ふたつかさねて
石ころの目と 木のえだの口をつけたら
「こんにちは たまちゃん!」
雪だるまが げんきよく はなしかけてきました。
「たまちゃん なにして あそぶ?」と雪だるま。
「雪だるまって みちばたで じっとしているものじゃないの?」
「そんなの つまんない」
たまちゃんは 雪だるまをベビーカーにのっけて 
ほいくえんまでお出かけしました。

ほいくえんのにわは 雪でまっ白。
にちよう日なので ほかには だれもいません。
たまちゃんは 雪だるまをだっこして すべりだいを すべりおりました。
雪だるまは すべりだいがきにいって「もういちど」とせがみます。
なんどもすべりおりているうちに お日さまがたかくのぼり
雪だるまがとけはじめました。
あせをかいたみたいに しずくがぽたぽた。
たまちゃんは すこし小さくなった雪だるまを
いそいでベビーカーにのっけて おうちにかえりました。
そして れいぞうこに ゆきだるまをしまいました。

つぎの日は げつよう日。
ほいくえんへいくたまちゃんが「いってきます」とれいぞうこをあけると
雪だるまも いっしょにいきたいと いいました。
たまちゃんは ほいくえんの日かげのかだんの雪の上に 
雪だるまを そっとおきました。
ここなら すずしいから とけるしんぱいはありません。
「あとで すべりだいで あそぼうね」
そういって たまちゃんは きょうしつにいきました。

たまちゃんが きょうしつであそんでいるあいだに
お日さまがたかくのぼって 日かげだったかだんが 日なたになりました。
ゆきだるまは 少しずつとけて小さくなり 
二だんがさねのアイスクリームぐらいの大きさになり
たまちゃんがむかえにくるまえに ぜんぶとけてしまいました。
水のしずくになったゆきだるまが 土の中にしみこんでいくと
チューリップのきゅうこんが ねむっていました。
はるになったら みどりのめをだして 白い花がさくでしょう。
ふったばかりの雪みたいに まっ白なチューリップの花がさいたら 
たまちゃんは 雪だるまのことをおもいだすかもしれません。

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