2002年02月04日(月)  福は内

■節分と聞くと豆まきを連想する人が大半だと思うが、わたしは太巻き寿司が頭に浮かぶ。生まれ育った大阪の家では、毎年、節分になると、太巻きを人数分買ってきた。各自一本をくわえて、その年の方角を向き、最後まで一言もしゃべらずに丸かぶりするのである。喉がつかえて水が欲しくなっても、声を発してはいけない。その時点で「福が逃げてしまう」のだ。なぜ寿司で福を呼べるのか、根拠は知らない。どこかのお寿司屋さんが言い出したことなのかもしれない。丸かぶりで丸儲け。うまい商売だ。全国共通の風習だと思っていたら、どうやら大阪近辺だけの局地的なキャンペーンらしい。「今日は丸かじりの日やでー」という呼びこみをやっていない東京では、太巻きの威力もなさそうだし、そもそも一人でやってもつまらない。

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