2005年11月05日(土)  開東閣にて「踊る披露宴」

ある人いわく、結婚披露宴というものは、「歌う披露宴、奏でる披露宴、踊る披露宴」の順に格が上がるのだそうだ。それを当てはめると、今日出席した会社時代の先輩アートディレクター・Y嬢の披露宴は最上格ということになる。

場所は高輪にある開東閣。都心から切り離されたような静かな高台に佇む洋館は、鹿鳴館やニコライ堂を手がけたジョサイア・コンドルが設計、岩崎弥之助が明治時代に完成させ、現在は三菱グループの迎賓館として一般には非公開という由緒正しき歴史的建造物。あまりの重厚な雰囲気にのまれ、競合プレゼンよりも緊張した新婦上司のスピーチはガチガチに。

1階ラウンジでのカクテルタイムの後、2階のバンケットルームに場所を移して食事を楽しみながら披露宴。「スープは香りも召し上がっていただくため、フルートグラスでお出しします。お熱いのでお気をつけください」と料理長直々の味のある説明がおいしさを盛り上げ、デザートまで堪能。

最上級スペイン産イベリコ生ハムと三種の季節野菜のサラダ仕立て
トリュフと新鮮な帆立貝の滑らかなブルーテ、カプチーノ風
香り豊かな茸のコンソメスープ、フルートグラスサービス

バジリコ風味の南仏野菜を詰めた天然真鯛とポテトの重ね焼き
特選和牛フィレ肉の紫マスタード風味ロースト、タイムのクリスタルソルト添え
山形産ラ・フランスのコンポートと軽い栗のアイスクリーム

披露宴の後は再びラウンジでお酒とお菓子とコーヒー。Y嬢のお父様の昔からのなじみというハワイアンバンドの生演奏で、「娘とラストダンスを踊るのが夢だった」というダンディーなお父様と新婦が優雅なダンスを披露。日本人で父と花嫁のダンスが絵になるなんて、すごいこと。うちの父イマセン(社交ダンス経験者)とわたし(チアリーダー部出身)はともにダンス好きではあるけれど、一緒に踊るという発想はなかった。そういえば、応援団の仲間と演舞を披露したわたしの場合も「踊る披露宴」ではあったけど、今日とは別モノ、異種格闘技。「皆さんもどうぞ踊ってください」の呼びかけに応えたのは、Y嬢の親族の皆様。香り高い紅茶をいただきながら眺めているわたしは、ハイソサエティの仲間入りをしたような錯覚にしばしうっとり。

花嫁の父からダンスパートナーを交代された新郎I君は、たどたどしいステップで和やかな笑いを誘っていたが、最後のスピーチでも「僕は地味にやりたかったんですが……でも、やってみて、これはこれでよかったです」と正直すぎる挨拶。そこがまた好感が持てる、と評判だった。Y嬢とI君、末永くお幸せに。

2004年11月05日(金)  『催眠リスニング』1か月

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