2005年06月11日(土)  東京大学奇術愛好会のマジックショー

どうしてこうもマジックが好きなのか。学祭では奇術研究会のショーに一日中入り浸っていたし、テレビのマジック番組も見始めたら動けなくなる。だから、近所の掲示板に貼りだされた「東京大学奇術愛好会マジックショー」のポスターを見つけた日から、今宵を楽しみにしていた。

会場は、家から歩いて五分のところにひっそり佇む小さな公民館。靴を脱いで上がった畳には、お母さんに抱かれた赤ちゃんからお年寄りまで、余裕で百人を超えるご近所さんがぎっしり。おなじみのロープやカードやハトを使ったマジックが披露されるたび、大人も子供も同じタイミングで声を上げ、驚く。とはいえマジシャンはアマチュアの学生さん。手元に集中するあまり、表情はちょっぴりぎこちなく、うまくきまった瞬間にいきなり笑顔になるのはご愛嬌。上級生になると、トークを交える余裕も出てくるようで、ショーの合間に司会者が見せるマジックは、軽妙なトークでも会場を沸かせた。

「手の中に入れた黄色いハンカチが卵に化ける」ネタの種明かしは、市販されているマジックグッズ。中が空洞になっている卵のおもちゃを手の中に隠し、空洞部分にハンカチを押し込んでいく。「(このグッズを)もうひとつ持ってきたんだけど、誰か挑戦してみますか」と客席からボランティアを募ると、元気のいい男の子がステージへ。司会者と並んで見よう見まねでハンカチを押し込み、手を広げると、黄色いハンカチは白い卵に。ここで会場は拍手喝采。さらに会場が沸いたのは、その後。「もっと練習すると、こんなこともできますよ」と、司会者が手の中の卵をワイングラスの淵で割った次の瞬間、グラスの中に黄身と白身がつるり。いつの間に本物の卵とすりかわっていたのか。拍手も割れんばかり。

「この中に1万円札をお持ちの方、いらっしゃいますか。その1万円を増やすトリックなんですが」の声に勢い良く手を挙げたおじさんは、「では、その1万円札を半分に破いてください」と言われ、何回も躊躇しては笑いを誘い、ついにビリッ。半枚になったものを司会者と1枚ずつ持ち、おじさんは手の中の2分の1万円札を握り締め、司会者は残りの2分の1万円札を紙に包み、これまた会場から募ったライターで火をつける。炎に包まれた2分の1万円札が消え、「開けてください」と言われたおじさんが恐る恐る手を開くと、手の中のお札は元通り無傷な1万円札に。これには悲鳴に近いどよめきが起こった。わたしは後ろのほうで見ていたのだけど、見入るときは前のめりになり、驚くときはのけぞる客席の反応が見えるのも楽しかった。

マジシャンを独り占めできたらどんなに楽しいだろう。去年の暮れ、その願いが叶った。友人のマジシャン・ジョー君と二人で飲む機会があり、カウンターでこれでもかというぐらいカードマジックを見せてもらった。あまりに無邪気に喜んでしまい、その数時間で3才ほど若返った気がしたほど。番組ディレクターでもあるジョー君が去年携わったNHK『ものしり一夜づけ』のマジック特集「今夜はマジックづくし」は、評判が良くて再放送を重ねた。担当したアナウンサーもプロデューサーもマジシャンで、スタッフもマジックづくしだったそう。

2002年06月11日(火)  『風の絨毯』同窓会
2000年06月11日(日)  10年後に掘り出したスケジュール帳より(2010/11/26)

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