2004年03月30日(火)  鴻上尚史さんの舞台『ハルシオンデイズ』

■新宿・紀伊國屋ホールで鴻上尚史さん作・演出の『ハルシオンデイズ』を観る。ネットで知り合った自殺志願の男女の話。同じネタをあたためていたので、ヤラレタ!と思ったけれど、わたしがやろうとしている方向とはまったく違い……というより、わたしなどには到底重いつかない方向に話は転がり、なるほど、こう来るか、こう転がるか、と唸らされた。自殺志願者の一人に妄想壁があり、日本が非常時で自分たちは『人間の盾』だと思い込み、近所の保育園に慰問に行くために『泣いた赤鬼』を練習する展開になるとは。荒唐無稽になりそうなストーリーに笑いと泣きをしっかり入れて、「三日月の残りの月が見えるのは、太陽ではなく地球に照らされている地球照」というロマンティックなエピソードも織り込み、最後まで観客を引きつけてしまうのはお見事。おなじみの昔話、『泣いた赤鬼』はあんな話だったのかと思い出し、「なぜ青鬼は赤鬼に親切にしたのか」をめぐる解釈の数々を興味深く聞く。昔話のキャラクターを掘り下げて見直すのは、シナリオの勉強になりそう。5人の出演者も良かった。とくに紅一点の辺見えみりさん。バラエティの顔しか知らなかったので、いい意味で裏切られた。声に説得力があって、ラジオドラマやCMのナレーションもすごく良さそう。■脚本を書いていると、会いたい人に会えるチャンスは増える。というより、興味のある人には自然とつながるようになっている気がする。鴻上さんは、わたしにとっては、『ドンキホーテのピアス』の人。SPA!に連載中のこのコラムのファンなのだが、今年、縁あって何度かお会いする機会に恵まれた。お話ししていても楽しい人で、わたしのような若輩者の話もニコニコと面白がって聞いてくださる。「コウカミ」と濁らないのが正しいそうだが、ついつい「コウガミさん」と呼んでしまうと、「どっちでもいいですよ」と笑ってくれるおおらかな人柄。オオカミは言えるのに、コウカミはなぜか言いにくい。

2003年03月30日(日)  中国千二百公里的旅 中文編
2002年03月30日(土)  映画『シッピング・ニュース』の中の"boring"

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