2002年07月07日(日)  昭和七十七年七月七日

■ロマンチックなものが好きなので、もちろん七夕が好きだ。短冊に願いごとを書いたりはしなくなったけれど、「無事二人が天の川を渡って会えますように」と星空を見上げる気持ちが好きだったりする。一年に一度しか逢えない、雲の上の遠距離恋愛。織姫と彦星の世界には、いつまで経っても携帯電話やメールのような便利なものはなくて、時間と距離を埋めるのは、気持ちしかない。二人は、痛いぐらい純粋な恋をしている。■友人のよっちゃんが去年の今頃『七夕のひみつ』というメールをくれた。いい話だったので、ファイルに保存しておいたら、今年も同じメールをくれた。「仮説実験授業研究会の藤森さんが発行していたミニコミ『たのたの』に載っていた」というその話は、「彦星も織り姫星も恒星だから位置は変わらず、この時期だけ近寄るってことはないはずなのに、何でこの時期に会うって伝説ができたんでしょうか?」という謎にはじまり、「もともと七夕は旧暦の7月7日の行事です。旧暦ということは太陰暦ですから、日にちと月の満ち欠けは一致しています。すなわち、7月7日は月齢7、『上弦の月』の日です。七夕の夜には、上弦の月がちょうど天の川あたりに位置するのです」と謎が解かれていく。なんと、昔の人は、この上弦の月を『船』に見立てたというのだ。「月の船に乗って、彦星と織り姫星は天の川を渡って会うわけです。昔の人って、結構ロマンチストですね!七夕の夜が晴れればいいな、と思います」と結ばれたこの話を書かれたのは藤森氏本人なのか、研究会関係者の寄稿なのか。こんなところに目をつける人は、昔の人以上にロマンチストだ。■はじめてシナリオで賞を取った作品は『昭和七十三年七月三日』。昭和七十三年は平成十年でとっくに終わってしまったので、『昭和七十七年七月七日』にリメイクして、今年の七夕に放送できたらと企んでいたが、その日も終わってしまった。初恋の二人が三十年ぶりに函館で再会する話なので、内容的には七夕にぴったりなんだけど。■織姫と彦星が天上で再会している頃、わたしとダンナは今夜から始まった『太陽の季節』を見ていた。昼間に予告を見て、「ワルなタッキーを見なきゃ!」とすっかりその気に。つきあわされて見ていたダンナが途中から身を乗り出し、「僕もワルになってみようかな」と研究していたのが、笑えた。

2000年07月07日(金)  10年後に掘り出したスケジュール帳より(2010/11/29)

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