終わりなき戯言
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2003年10月29日(水)
if...
「――長・・・・・・副隊長!」
 後ろから呼び止められて、青年は何事かと振り返った。
 同時にトレードマークであるバンダナが揺れる。
「何?そんなに慌てて何があった?」
「その・・・どうしても副隊長に会いたいって人がいるんですよ。副隊長は今はお忙しいと言っても会うまで帰らないって言い張るのでどうしたものかと・・・」
 心底疲れたように話す部下の様子からして随分と手を妬いたようだ。
 その人物は相当強情らしい。
「・・・どんな奴だ?今何処に居る?」
「お会いになるのですか?」
「これ以上君たちを困らせるわけにもいかないしな」
 それに興味が湧かない、と言えば嘘になる。
 そこまでして自分に会いたいと言う人物が誰なのか。
 そして自分に会ってどうしたいのか。
 知りたくなった。
「年齢は20歳くらいの男です。それに僅かですが言葉に北の訛りがあったのでおそらくこの国の者ではないのではないかと・・・。今は中庭で待たせています」
「そう・・・」
「お忙しいところ、お手を煩わせて申し訳ありません・・・」
「いや、気にするな」
 頭を下げる部下に軽く微笑んで別れると、青年は早足で中庭に向かった。
 窓から差し込む光は赤く、もう夕暮れかと改めて思う。
 恐ろしく忙しい日常は、彼に時間の感覚を鈍らせていた。




幻水IF。時間が無いので続きは明日にでも。
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