あたしはいつまでも引き立て役にしかならない。 笑いかけられるのは、好意をもたれるのは、全てを得るのはあたしじゃなくてあたしの隣にいる誰か。
そんなこと分かりきってて、今更で、もう慣れたことなのに それでもたまにとても悲しくなる。
自分の感情や思ってることを口に出さないのは、 あたしが出す前に相手が言うから。 そうそうあたしもなんーっていう同意はやすっぽくて、 それじゃ相手がしゃべってる気にならない。 みんな異常者になることは恐れるけど 誰かと違う自分というものに酔うから。 同調は何の慰めにもならない。 相手があたしを聞き役として必要なら、 あたしは聞く役をする。 じゃないとあたしの価値がないから。
その役目はもう決まってる。
だからあたしが何かを言っても 彼女はたいした関心は寄せないし、それは一種の当たり前なんだろう。
あたしには何も言えない。 同じ事を言うにしても、彼女の言葉には誰もが反応するし、何かをしたくなるけど あたしの言葉はただの醜いかたまりにすぎない。
だから口をつぐむ。 比べられるのはたくさんだ。 うらやむのも疲れた。 自分を落とす。 それでやっと落ち着く。
自分の無価値さを認めることで、 痛みを感じながらもやっと人並みに歩けるんよ。
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