度々旅
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夜、雨が上がったので、外へ。水分をたっぷりと吸い込んだ少し冷たい空気は気持ちが良い。雨は上がっているものの、水の壁が私を閉じ込めているような感覚。闇と雨。私が好きなものだ。
青空の下で、心が広がるのも良いが、闇夜に自分の中へ心がすーと入り込むのはもっと良い。自分自身と対峙できる。
朝方友人からの返信メールに気付いた。「俺にメールをよこすくらいだから、相当弱っていると思う。」そんな一言に、涙が出てきた。私は弱っていたのだ。それをずっと認めたくなかったのだ。
弱っている、やる気がない、壁に当たっている。そんな言葉を吐くということは、逃げているという状態の時だと思う。だから、決してそういう言葉を吐くのはやめようと思っていた。しかし、確かに私は弱っているのだ。弱っている自分を、無視しようとしていた。弱っているのではなく、逃げているのだ。それは、自分としては認めたくない。そういう気持ちだった。
そして、逃げているに過ぎない自分をコントロールすることに必死だった。しかし、逃げているのではなく、確実に弱っていたらしい。途方に暮れていたらしい。一歩一歩歩くことに疲れていたらしい。そんな疲れた状態で自分をコントロールできるはずがない。そんな私は自分でも思いもかけない相手にメールを送っていた。私の中の私が無意識に仲間の助けを必要としたのだろう。そして、その仲間は、確実に私を救い出してくれた。
彼は、一歩一歩着実に歩き始めていた。去年、今の私のような状態だった彼は、しっかり再び立ち上がっていた。そして結果を出していた。近況と、愛想のない言葉が添えられた冷たくみえる彼の文章は、仲間としての温かさに溢れていた。こんな短い文によって長い間底に沈んでいた私が、立ち上がれそうな気持ちになったのは、彼が仲間だったからだ。
別れの日に、「ここにいるやつは、みんな俺の家族だ」と言った人がいた。この言葉は、私の中に生きている。そして、仲間みんなの中に生きていた。そういう仲間と出会えたこと、そして短い言葉でも、互いをしっかりと支えあえるような仲間になる時間を過去に持てたことを嬉しく思う。そろそろ立ち上がれそうだ。
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