FILL-MIND [フィルマインド]心情記 

   
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2003年11月23日(日)  ■幸せの申し子■

何をやっても、何を書いても嘘っぱちに思えてしまう。そんな時間をどれくらい過したのだろうか。
虚構に取り囲まれた世界で薄い空気にあえいで。どんどん置き去りにされていった気分だった。

人はなぜ生きるのか。答えのない問いかけに立ち尽くして先には何もない。

まわりの何もかもがそこで止まってしまったみたいに、あたりが遠のいてしまう戸惑いは異次元のような感覚で。孤独を愛することとは、孤独であることの恐れから逃れたいからなのかもしれない。

でも、私は、今間違いなく時の動きの中にいる。

人の心は幸せをみつけると、いつの間にか不幸せの残像など消し去ってしまうし、不幸せに取り付かれてしまうと、幸せの断片などきれいにどこかにいってしまう。

時々、それは厄介事のように悩ませて困るけれど、元来、心は強くできているものだ。生命力の尊さは、くり返される明と暗を上手に繋げながら、そこに灯った炎を絶やさずにいられる。

人は誰もが幸せの申し子だと思う。
素直な実感が、今、こだましている。

空を見上げて、胸に浸透して行く風がしみる。
虚しさの色は溶けていく。


 
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