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美しい男・・・  2003年12月09日(火)


招待状が届いて陶器の個展を見に行ったのは
めずらしい個展だったから。


日本人のそれではなくドイツ人の個展だった。
不思議な形をした作品が並ぶ個展だ。
三角形の湯飲み茶碗や、ひし形のコーヒーカップ。


どうやって使うんだろうと首をかしげるようなものばかり。
手に持った感じがいいとか、心が和むとかいう
そんな日本独特の感覚はない。


そのドイツ人は個人的に知っている人ではなかった。
でも面識はあったので、彼はわたしを見つけると
談話していた人たちの輪から離れ
わたしにソファーに座るように薦めてくれた。


ソファーに移動するとコーヒーが出され
一緒に行った彼と陶芸家から彼の作品について説明を聞いた。


作品の説明をしながら
淡いグリーンの目をしたドイツ人陶芸家は
わたしにウィンクをした。


一緒にいた彼は、何事かと不思議そうにわたしを見る。
疑いの目を向けられて慌てたわたしは、会話を続けながらも
頭の中では自分の遠い過去の出来事を検索した。


そうだ・・・。
昔・・・この陶芸家の家をわたしは訪問したことがあったのだ。


彼は自分の窯をもっていて、それを見せてあげると言われ
山奥にある自給自足の彼の家に遊びに行ったことがあった。
確か・・・、アーティスト特有の隠れ家のような家だったと思う。


作品の話と絡めて、自分の家にある窯の話しのたびに
陶芸家は淡いグリーンの目でわたしにウィンクする。


なるほどね・・・。





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 読んでくださってありがとうございます



ウィンクしているのだ。


わたしは面白い、と思った。
だから男って楽しい、と思った。


ブロンドの彼は怒っちゃったけど
そんなことはどうでもよくなってしまった。


思い起こしてみると
わたしにウィンクしてくれた男たちは


目の色が綺麗だったり
細身の長身だったり
美しいブロンドだったり



風景のように美しい男たちばっかりだった。







 

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