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Nekomar's Diary

2007年01月25日(木) Wくん

むつのクラスに、三学期初日、転入生がいた。
始業式の日付けの日記に、このように書いた子だ。

「新しい子がいた!」
どうやら、転入生がいたらしい。
名前は?と聞くと、それはわからない、と言う。男の子だそうだ。
(2007.1.10.)


これが、Wくんである。
「Wくん」。
でもそれは、「ワタナベ」くんでもない。「ワタル」くんでもない。

正真正銘、イニシャルがW。
なんと彼は、アメリカのお子さんだった。

明るい茶色の髪。瞳の色も。
むつ曰く
「ぱぱもままもあめりかじんだって。Wくんもえいごしゃべってるの」

へぇーーー!!

機会があって、副園長先生に聞くと。
御父様のお仕事の都合で、2月9日までの、たった1ヶ月の入園だという。
あら、まぁ・・・。
(しかも御母様は見たところ純粋なアメリカ人ではなく、
日本語も良くわかる方だった)


Wくんは、我が家の次のバス停で、園バスを降りるらしい。
三学期が始まってしばらくした頃から、
帰りのバスでいつもむつの隣に、Wくんがいるようになった。

「何か話をするの?」と聞くと、「なんかよくわかんない」と応えるむつ。
どうやら、Wくん自身はそれほど日本語が上手ではないらしい。

火曜日のこと。
むつがバスを降りようとすると、
Wくんがリュックをつかんで離さない。
あららら、と先生が引き離しにかかる。
それでも掴んだ手を緩めないので、私までバスに半身乗り込んで、
むつを迎える格好になった。

むつが微妙な表情をしていたので、
「うーん、きっと、むつのこと好きなんじゃない?」
と言った。

そして、水曜日。
楽しくバスを降りてきた。Wくんに手を振るむつ。
バスが走り出した途端、私に向かってむつが言う。
「やっぱり、うちのこと、すきみたいよ」そして、ニヤリと笑う、むつ。

え?ああ、あははははは!!
そうか、そうか。まぁ、仲良くなって、良かったねぇ。
でも、何語でしゃべるの?と聞いたら、それはよくワカラナイという。
あははは。

と、笑っていたら。
今日。

バスを降りて、先生に挨拶をして。
バスが走り出したのを見届けてから、
おもむろにポケットから何かを取り出す、むつ。

ん?なに??
・・・え??

ハンカチ!!
しかも、マジレンジャー。
しかも、ひらがなでWくんの名前が書いてある。

えええ??

「Wくんが、うちに、はんかちくれるっていうの」

まぁ・・・。ぷ、プレゼントですか。
いや、でも…。
いやはや。
うん、とりあえず、ママに電話して「本当にもらって良いですか」って
聞いてみよう、というと憤慨するむつ。

「Wくんのママもいいっていってたもん!!」
いやいや、たぶん・・・ちがう、ような・・・。
いや、でもね、お礼も言わなくちゃいけないでしょ、というと
「じゃあうちもでんわする」とニコニコ待つ。

電話をする。
案の定、Wくんのママはご存じなく。
でも「Wくんがあげたくてあげたんでしょうから」とおっしゃる。
大切だった(と思われる)マジレンジャーのハンカチ。
ありがとう、とむつからもお礼を言う。

明日、お礼の手紙も渡そうね、と手紙を書かせる。

するとむつ、
「みずいろがいい、って、どこにかく?」と聞いてくる。

ん?なに??水色??どういうこと??

詳しく、詳しく聞くと、
どうやらWくん、むつに洋服をプレゼントする約束をしたという。
「何色がいいか、いってくれたら、ママに送ってもらう」
と言ったという。(何語で言ったんだろう?)

本当か?!
しかも、洋服とは………。

ああ、なにやら。
どうしよう。
いきなり、年頃の娘が外国人の彼氏を連れてきたような気分なんですが。


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