むつのクラスに、Lくんと言う男の子がいる。 私が何度か園の参観日などで見る限りでは、 特に「暴れん坊」とか目立つ感じではなく、普通の感じの男の子なのだが…。
どうも、むつの事が気になるらしい。
1学期の頃から、時折 「Lくんと手を繋いだらひっぱられて、ころんじゃったの」 「Lくんがここのところひっぱったの」 などと、むつが言っていた。
特に跡が残るほどのケガをするわけでもないし、 むつもよたよたしているから、 まぁ、そんなこともあるだろうと特に気にしていなかった。 「まぁー、そう、やーねー。ひっぱらないで、って言いなよ」 などと軽くむつに言ったりしていた。
すると2学期に入ってから、どうも連日、なにかしらしてくるらしい。 「Lくんがくびのところつかんだの」 「Lくんがおしたから、むちゃん、ころんじゃった」
ふーーーん。 どうも、ひときわ小さくて(確かにむつはクラスの中で一番小さい) よたよたしていて、しかも先生と手を繋いでいたりするむつを かまってみたいのか。
「やぁねぇー。ぶつかったのなら仕方ないけど、わざとしてるの?」 と聞くと、うん、と言う。
「…それはきっと、Lくんはむつのこと好きなんだよ。 好きだから、手を繋いだりしたいんだよ。 今度むつはさ『好きなら、もっとやさしくしてちょうだい』って、 Lくんに言ったらいいよ」
と、私が言い終わるやいなや、 のんが、 「うん!そうなんだよね、だからのんちゃんもそういったんだよ!」 と話に入ってきた。
・・・? なぬ?なんですと??
のんに事情聴取。
・・・どうやら。 今日、午前中にむつがLくんに転ばされた。 昨日も、その前もやられているのを見ていたのんは、 年長クラスの、のんのお友だちの女の子4人くらい連れて、 Lくんの所に行った、と言う。
「!!!なに?!○○ちゃんと、○○ちゃんと、みんなでLくん囲んだの?!」 と私が叫ぶと、 「ううん、ちがうよ、 ○○ちゃんたちは、むつちゃんをこっちで守ってあげてたの、 Lくんとのんが2人でお話ししたの」
・・・ホッ。 仁義は通しているらしい。 ……って、そうじゃなくてーー!!
とにかく、その年長クラスの女の子たちが、むつのことを守り(ってどんな?) のんがLくんに説教したらしい。
のん曰く、 「そしたらLくん『わかった』って言ってね、 その後はむつちゃんのことひっぱったりイジワルしなかったよ」
・・・・・・・・・。
頼もしい…のか? いやいやいや。 ああ、Lくんのママから、ウチに電話がかかってきたら、どうしよう・・・。
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