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Nekomar's Diary

2002年10月10日(木) 母ちゃんの自転車

プールに行くために9時30分に家を出ると、肌寒かった。
キンモクセイが花盛り。
ああ、もうそんな季節なんだなぁ。

いつもの通り、プールが終わって、みんなとサヨナラ。
実は、プールからすぐのところにあるAさん宅と、我が家以外は
みんなかなりの距離から来ている。
Mちゃんはこんな風に晴れている日は自転車でも来たりするが、
普段は車で来る。
あとのAちゃん、Tちゃんのおうちは車でないと来られない距離。

よって、「サヨナラ〜」した後に、歩いて帰ることになる子どもは
のんだけ。
当然、彼女の頭の中には不満が渦巻く。
「ベビーカー、のりたい…」
私が当然のごとく乗せないのを知っているから、ちょっと遠慮気味。
でも、歩いていくのを阻止するように私の足に絡みつく。
「疲れちゃったぁ〜」
Mちゃんが自転車に乗り込むのをちらちら見る。


…我が家にも、自転車はある。
のんが、例のC幼稚園のプレに通うことになった時期に購入した。

だが。
我が家のある地域は、車が多い。
環七という大きな道路のすぐ脇で、しかも「住宅地」というよりも
「商業地」の真ん中にある雰囲気の我がマンション。
車も、自転車も、マンションのエントランスを出てすぐのところから
びゅんびゅん走っている。
ばあちゃんが我が家の周りを歩くのを嫌がるのは、こんなところだからだ。

決して、「子どもを乗せた自転車で走りたい地域」では、ない。

プラスして、『理想論』を述べさせていただくと。
私は、あまり子どもを乗り物に乗せて行くのが、好きではない。
当然「乗り物でないと目的地に行かれない」ということもあるので、
あくまでもいろいろ限定された条件に於いての『理想論』ではあるけれど。

子どもは、歩くべし。
歩いて行かれる距離は、歩くべし。
歩けない距離のところには「本当に今、この子どもを連れて行く意味があるか」
考えてから、連れて行くべし。

歩くと、いろんな発見がある。
行く途中にネコがいたり。
この前はつぼみだった花が、今朝は咲いていたり。
ここの道から、こっちの道に通じていたり。

そんなことを話しながら、目的地まで行かれるのが、理想。
疲れても、がんばって歩く、我慢して歩く、それを体で覚えるのが大切。
ぐずっても、泣いても、歩く。
楽しいことを考えて歩けば、長い距離だって歩けるはず。
(当然、その日の子どもの体力や、成長に応じて考えるのだけれど)

自転車に乗っけて、すっと目的地に行ってしまえば、当然親子とも楽だけど、
それでは、そういったことを全てすっ飛ばして行ってしまう。
もったいない。

…などと書くととても偉そう。すみません。
いや、とりあえず、我が家には車がないので、そんなこじつけを考えてみた、と
いうところも大いにあるのですが。

そんなわけで「母ちゃんの自転車」に乗れるのは、本当に限定されたときのみ、
ということになっている。
C幼稚園の行き帰り。
注射、もしくは熱などで、急ぎで病院に行くとき。

でもね。
あんなふうに、恨めしそうに、Mちゃんの自転車を見送るのんを見ると、
そんなポリシーなんてかなぐり捨てて、自転車に乗っけてあげたくなるのよ。
たまーーーにしか、乗らせない自転車。
乗り込むときの、のんの嬉しそうな顔!!

それを思い浮かべて、プールに行く朝、いつも迷う。
でも、きっといつか。
「母ちゃんとたくさん歩いて、良かった」と思ってもらえたらいいなと思って、
ぐっと我慢する。


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