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| 2002年08月16日(金) ■ |
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| はぅ |
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現在16日の午前1時半です。 何でこんな時間に日記書いてるんだろ……。
どうも最近推奨画面解像度が800×600じゃなくて1024×768の方がいいんじゃないかとか思い始めました。 だって、1024×768のスクロールバー動かさなくても見れるページが多いですしね! (でも管理人のPCさんの画面解像度は800×600) まー1024×768でも見れるようにしてあるんで、仕方ないのか……。 うーん、慣れてないせいか1024×768だと字が小さい!!んでヤなんですけどね〜・・・ 最近は小説サイトさんで1024×768じゃないと見難いトコあるのでしょっちゅう変えちゃってますが。 どうすべきなんでしょう。
朝―――― 波羽はいつもどおり、他の三人より早く起きた。 この家の家事の殆どを波羽が担当しており、朝食作りも彼女の仕事だった。 寒いな。波羽そう思った。十二月なのだから寒くて当たり前なのだが。 シャッとカーテンを開ける。 窓の外には真白い雪が降っていた。昨日の夜から降っていたのかこの辺一体雪に埋まっている。 「うわっ…雪降ってるぅ。どうりで寒いわけ…」 ぼーっと見てるわけにもいかず、さっさと着替えて下に向かう。 そして慣れた手つきで食事作りを始める。 しばらくして。 パタパタと階段を駆け下りてくる音が聞こえた。 「風羽ちゃん、走ったら転んじゃうよ。」 水羽がそういった途端、ずだだだだと風羽は階段から滑り落ちた。 「いったぁ〜い。」 「あららら…大丈夫?」 「うん。ヘーキだよ♪」 ぱっと立ち上がる。そして… 「波羽ちゃーん。おはよー!」 と言いながら料理中の波羽に抱きつく。 「はいはい。お早う。」 半ば飽きれながら言う。 「おはよう。波羽ちゃん。」 「おはよぉ。兄貴。で、アレはまだ寝てるわけ?」 アレ、とは勿論空羽のことである。この家で一番遅く起きてくるのは彼だ。 「うん。とっても気持ち良さそうに寝てたよ。」 「風羽が起こしてこようか!」 空羽を起こすのは風羽の役目。家事全般苦手な彼女ができる数少ない仕事(?)だ。 「いいよ…起きてこないってことは朝ご飯いらないってことでしょう…」 その言葉には諦めの言葉が混じっていた。 「ねぇ、波羽ちゃん。母様は…昨日帰ってこなかったみたいだね…」 「うん、そうみたい。精霊局の仕事で忙しいんじゃないかな。」 母様とは霧羽のこと。この世界-セシル-の中で指折りの聖霊使である。一年の半分以上は王都セーリアに仕事に行っている。そのため、四人とも霧羽に会う機会が少ない。と言っても兄妹の中で霧羽と血が繋がっているのは水羽だけだが。 この説明は長いので省くことにしよう。 兎に角、水は、波羽、空羽、風羽は特殊な兄妹関係にある。 彼が血の繋がりのない、本当の兄妹でないことを知っている者はセシルでは数えるほどしか居ない。 その理由もスペースがないので省くことにしよう。 彼らの唯一の繋がり。それは羽家の一員であるという事実。 羽家とは、王都セーリアにある政府機関、精霊局(霧羽はここの局長)に認められた特殊な聖霊使(若しくは精霊使)のこと。 精霊局に認められるには最低限精霊使の称号を持っていなくてはならない。まぁ、精霊使の称号だけでは認められることはまずないが。 今現在の羽家の一員は、霧羽、樹羽、雪羽、水羽、波羽、空羽、風羽の七人。このうちの霧羽、樹羽、雪羽、水羽、波羽の四人は聖霊使で、空羽と風羽は精霊使である。六人とも霧羽から直に精霊術を学んでいる。六人が六人とも霧羽にその才能を評価されセーリアス学院に入学した。(注*セーリアスの生徒は皆霧羽、又は精霊局の上役に素質いわゆる才能を認められて入学する) 彼らの実力(才能)はその中で群を抜いていた。又、彼らは歴代の精霊使の実力をも上回っていた。 それ故に彼らは羽家の一員なのだ。 そして、とある事件を経て今に至る。 「波羽ちゃーん。朝ご飯まだぁ?」 風羽のお腹がぐぅ〜と空腹を訴えている。 「そんなにお腹が空いてるなら手伝えばいいのに…」 水羽洗濯物をたたんでいる。手際がいい。どうやら慣れているようだ。 その様子を風羽は眺めて言う。 「水羽くぅん…風羽が料理すると食べ物は食べ物でなくなっちゃうんだよぉ。」 わかってて言ってるんでしょうと風羽。 水羽はただにっこりと微笑むだけ。傍から見れば妹に呆れた眼差しを向けているようにも感じられる。だが、ここではその笑みは肯定を意味している。 実際水羽は呆れているのではなく、面白がっているのだ。 「水羽君の意地悪…」 ぼそっと。 水羽は聞いていないようで、若しくは聞こえない振りをして(後者が有力だろう)たたみ終わった洗濯物をしまいに行ってしまった。 「つーまーんなーいのー!!」 癇癪を起こす風羽。その頬は見る間にぷくぷく膨れていく。 「五月蝿いなぁ…朝ご飯ならもうすぐ出来るからちょっと大人しくしてなさい…」 その言葉には呆れと怒りの両方が混じっていた。 波羽は無言で作業を続ける。 沈黙がとても、重い。 「か…風羽、空君起こしに行って来るね。」 とうとう耐えかねてぴゅーっと今から逃げ出していく。 それと同時に水羽が今に戻ってきた。
彼はまだ眠っていた。意識は正に夢の中。 そんな中彼の安眠を邪魔する音が聞こえた。 だだだだだ―――――バンっ! ドップラー効果とともに現れたのは言うまでもなく風羽。 入ってくるなり空が包まっている掛け布団をがばっと剥ぎ取る。 「空君起きてー!!!」 空羽はまだ夢の中。 「おーきーてー!!!!!!!」 さっきの二倍の大きさ、それこそ地響きでも起こりそうな声で叫ぶ。実際家は少し揺れた。 少しは効果があったのか空羽はうーんと唸る。 風羽はすぅっと息を吸う。そして… 「待った!」 風羽を制止する声。 「…起きたから叫ぶな。」 ふぅと溜息をつく。空羽の顔には明らかに不機嫌の色が窺える。 風羽は満面の笑みで言う。 「あ♪空君おはよぉ。起きてくれたんだね。」 「アレで起きない奴が居るのかよ…この世の中に。」 確かにその通りと言えよう。 「ほぉら!朝ご飯できるよ。下に行こう。」 腕を引っ張って連れて行こうとする。 「…いいよ。」 風羽パチクリと瞬きをニ、三度した。 「まだ眠いからな。寝る。」 風羽が剥ぎ取った掛け布団を広いぽてんとまた横になってしまった。 「あ、あ、あああああ〜!」 風羽の頬はこれ以上は膨らまないのではと思うほど膨らんでいた。 「空君の馬鹿ー!」 そう入っても当の本人は夢の中。 その様子を見て風羽決心した。 「樹々を潤し、大地を鎮め、花々に命を吹き込みし水よ。我が力によってここに実態と化さん。」 空気中の水分が集まり人の形を成して行く。 「空君、最後の忠告だよ。起きてぇ!」 「ぐぅーーーーー…」 きっと睨み付けて、 「水精霊よ!我に背きし者に制裁を。」 ザバ―――――っ 空羽の上に大量の水が降りかかった。 「うわっ冷てぇ…」 「やっと、やっと起きてくれたんだね。」 太陽の輝きのような笑顔を見せる風羽。その笑顔に悪気と言う文字はない。邪の欠片さえも見当たらない。 ぷっつん。 「水を掛けられて起きない奴が居るかぁぁああああ!!!!」 ドタバタと毎朝の恒例行事いわゆる兄妹喧嘩が始まる。 しかもその喧嘩には精霊術が伴っているので被害は尋常ではない。 ぎしっぎしっと家が揺れる。 ―――――居間。 「一体誰が空君の部屋を掃除するんだろうね。」 「あの二人でしょう。私はやらないわよ。他の仕事がたくさんあるもの。」 既に出来上がっている朝食食べながら水羽と波羽言葉を交わす。 「でもさ…あの二人にやらせたら、もっと仕事が増えるんじゃないの?」 「それは、そうだけど…私はやることがありすぎるよ。兄貴がやってよ。」 それとも他の仕事全部やってくれるの?というまなざしを水羽に向ける。 「くすくす。いつも僕の役目だよね。あの二人の惨事の後片付けは…」 苦笑しながら言う。 「仕方ないじゃない。他にやる人がいないんだから。」 そこへピンポーンと玄関のチャイムが鳴った。
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