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un capodoglio d'avorio
| 2004年02月02日(月) |
野島伸司「プライド」(第4話) |
えと、東京滞在中にこれは見ることができなくて、大阪に戻ってから録画で見た(2/6です)。一応<月9>ということに敬意を払ってここに感想を残すことにする。
どーしちゃったのだ、野島サンっ!?
というのが正直な印象。第4話は、どか、かなり厳しかったっす。むー。あまりに、あまりに隔世感が強すぎるのでは無いかと。このドラマのこれまでの評判は、それなりに「数字」はとっているものの、決して良くは無い。曰く「古くさい」。曰く「恥ずかしい」。それはでも、どかは野島サンの戦略だと思ってたからあんまり指摘しなかった。この時代にあえてそういう「危ない」橋を渡ろうとする野島サンの意図は、痛いほどよくわかったから。
これまで野島サンのドラマを追いかけてきたどかには、分かる。これは「古き良き時代」のドラマに見えるけど、でも芯にあるのは決して単純な感傷なんかじゃない。追憶なんかじゃない。フィクションとしてのドラマの物語性にこそ、現代へのアンチテーゼとして賭けてみたかったのだ、野島サンは。実際、第2話、第3話は危ういながらもかろうじて橋を渡りきっていたと思う。
でもね、第4話。厳しいよう。
まずスポーツもので、一話ごとにチームのメンバー一人ひとりに焦点を当ててストーリーを展開していく。という構成自体がまずもって「古びている」。かつ第4話のタイトルは「男の友情と女の意地」なのである。例え戦略とは言え、あまりにも飛ばしすぎかと。そしてどかにとって間の悪いことに、今回のヒーローが、市川染五郎なのだ。苦手なんだよね、このヒト(妹は好きなんだけどな)。精いっぱい、くらいついて観ようとは思ったんだけど、でも今回、野島サンのセリフも少し、調子悪い気がした。キレが無い。なぜだかどんどん上っ滑りしていく。どかをして、恥ずかしすぎて、ついていけない部分がある。臨界点を、超えちゃってる。
そんななか唯一、どかが「あっ」と思ったのは次の亜樹のセリフ。
亜樹 おかしいわよあなたたち なんかホントに気持ち悪い 合コン合コンって気持ち悪い! 女だったらね、出会いに運命求めなさいよ 笑われたっていい 古いって言われたっていい 私は全然傷なんかつかない あなたたちみたいのにどう思われたって、傷なんかつかない
ハルのセリフはあんまり心に引っかからなかったけどなー。こっちはまだ、ちゃんと。やっぱり役者の問題なのか?んー、わかんない。でもこのセリフの後半って、今回の「プライド」を執筆中の野島サンの心の叫びなのかも。ともかくも「女だったらね、出会いに運命求めなさいよ」という響きはでも、どか、きぅーと来た。この一節だけは。
この全てがまんべんなく相対化されていく、1億総負け組な時代にあって、あえて絶対的な価値観と強烈なヒロイズムを定義していくこのドラマのテーマは、けっしてセンチな感傷がベースになっているのではなく、あくまで野心的な志こそが裏打ちしている。それは、確か。でも・・・第4話はあまりにそれぞれのシーンが上滑りしすぎだ。
・・・と思っていたら、理由が多分分かった。演出だ。第1話と第2話が中江功さん。第3話が澤田鎌作さん(どかはこのヒト好き)。で第4話は・・・また別のヒト。どかはこのヒトが戦犯だと思う。もっと違うセリフの響かせ方が、出来たと思うのね、どかは。
あ。でもひとつフォローだけれど、やっぱりサブストーリーが面白い。コーチの未亡人・容子と容子の昔の恋人である(ことが判明した)兵頭との会話は、グッとくる。ってかこのドラマの石田ゆり子、めちゃくちゃ魅力的じゃない?この弱さや切なさや強さがない交ぜになった表情、ハルよりもずっといいような気が。
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