march forward.
りりかの独り言。

2003年02月04日(火) 往診

朝から、お腹が痛かった。

今日は仕事は休み。

だから、友達とランチ。

ランチでもして、話していれば、痛みもなくなるかなぁって。



・・・。

やっぱりお腹は痛い。

生理ではなさそうだし・・・。



昼休みで、あいつからメールが来たので、その事を伝える。

しきりに心配される。





一緒にランチしている友達たちに。

離れて今日で四日。

寂しくない?

って聞かれた。

あたしは正直に、寂しいよ。って答える。





あたしはランチの前に午前中。

あいつに手紙を書いた。



強がっているけど、本当は寂しい。

会いたい。



って内容。

こんな事書かれても、困っちゃうのにね・・・。

そんな手紙を、出すか、それとも今日直接持って行くか、悩んだ。

明日も休みだから、今夜行く事は出来る。




けど。

天気予報は、夜から雪。

あたしは高速の運転が苦手だし、その上夜中に雪の中は・・・無理かな。と諦めた。







夕方。

「ただいまー。今仕事から帰ってきたよ」

って電話。

あたしは妹と出かける途中だった。

「お帰り」

「今から行くよ」

「は?どこに?」

「りりかに会いに」

「え???明日休みなの?」

「ううん、休みじゃない。明日は6時半に起きる。だから、今から出てそっちにつくのが9時半くらいでしょ。それで12時くらいにそっちを出れば、家につくのが2時半だとして、4時間寝れるよ」

「だめだよ、雪になるかもしれないし・・・」

「雪になったらすぐ帰るよ」

「なんで、急に・・?」

「昨日は泣きながら電話してくるし、今日は朝からお腹痛いとか言ってるし・・・俺はりりかの診療所だからさ。往診に行くよ!」

「大丈夫だよぉ・・・」

「大丈夫じゃないよ!」

「だって、大丈夫だもん・・・」

「会いたくないの?ねぇ、会いたくないの?」

「会いたいけど・・・」

「でしょー。来て欲しいでしょ?会いたいでしょ?会いたいはずでしょ!行くよ、待ってて」

「うん・・。気を付けてね」





隣にいた妹が、にやにやしてる。

「りりかちゃん、よかったね」

あたしは恥ずかしいのと嬉しいのとで。

「でも、明日朝早いのに、悪いなぁ。いきなりなんだもん・・・」

とか、ごまかす。

「優しいね。Hちゃんは。すごいよね、疲れた体で、りりかちゃんが具合悪いとか寂しいって言えば、すぐ飛んで来るんだから」



黙ってうなずいた。

本当に、凄い。



カバンの中に、出そうと思ってた手紙。

結局手渡し出来るんだなぁ、って。

凄く嬉しくなった。




彼は、予定より、早くついた。

妹は気を利かせてくれて、友達の所に行った。




たくさん、抱きしめて貰った。

たくさん、頭もなでて貰った。

たくさん、笑った。



時間は三時間弱しかなかったけど。

あたしにとって、それは充分過ぎる時間で。

それだけの時間で、ものすごく幸せな気持ちになれて。

「りりかも寂しいかもしれないけど、俺だって寂しいよ」

って言葉も、素直にうなずく事が出来て。





あたしたちは、きっと大丈夫。


そう思う事が出来た。




帰り際。

ちょっと泣きそうだったけど。

泣かないで、「またね」って言えた。

泣いたら、また困っちゃうもんね。





帰り道のあいつに電話した。

「本当に、来てくれてありがとう」

心からそう思って言った。



ちょっとだけ。

誤解してた。

仕事が始まったら、疲れるから。

いくら会いにくるとは言っても、無理なんだろうなって。

体が慣れるまでは、休みの前の日じゃないと・・・休みの前の日でも、難しいだろうなぁって。


今までは、あたしの事を一番に考えてくれてたけど。

仕事が始まったら、あいつの中で、どんどんあたしの順位なんか下がっていくんだろうなぁって。

それは仕方ないって思うけど。

思ってたけど。




寂しすぎるな。



って思ってた。

学生のうちだったから、マメに出来た事とか。

社会人になったら無理なんだろうって。

そのギャップみたいなものに、あたしは耐えられるのかなぁって。

いや、耐えなきゃいけないんだろうって。





けど。

今だって、あいつにとってあたしは一番で。

一番だから、こうして行動してくれる事が分かって。



安心した。

安心、出来た。







往診の効き目は、あったみたいだよ。


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