あたろーの日記
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2005年01月09日(日) 深川散歩2 ナマさん喬師匠

 旧暦11月29日。
 寒い。また寒い。あまりの寒さに外出を取りやめる。支度している間にも外では風がびゅうびゅう。。。ついに怖じ気づいて、もとの部屋着に着替えて終わり。
 昨日の続きを。。
 書き忘れておったは、深川めしを食べに行く前に、霊巖寺へ参りました。昨秋に訪れた私は知ったかぶりッ子で友達に説明。松平定信公のお墓にもお参り。ふと気づいたのは、松平公の墓所の隅に、石の棺のようなものが横たわっていて、その上に十字架がついているように見えることです。あれは一体何だべ?説明もない。ちょっと興味が沸いたので調べてみよう。
 本堂のお賽銭箱の隅に、ちょこんと、小さな白いお餅が置かれてあった。カビが生えている。。。気になる。これも気になる。
 その後、深川めしを食べ、土産物屋さんで駄菓子を買い、資料館前の土産物屋さんにも行き、店先で江戸時代人の格好をしたおじさんとお話。私たちがさっきから界隈をうろつき、深川めしを食べたり、駄菓子を買ったりしているのをお見通し。「さっき本店で菓子買うてくれたやろ」と、おじさんに言われる。なんでそんなことまで知ってるンや。しかもさっきの店が本店だったとは。どうりで売ってるもんが似てるはずや。でも、このおじさん憎めない雰囲気。この前来たときも着物来てカツラかぶって江戸時代の人になっていた。ある種名物おじさんだな。
 深川江戸資料館に入る。今日は新内流しの日だった!展示室のほうから三味線の音色が流れてくる。急ぎ音のほうへ向かう。江戸の町の一角を再現した展示室の、茶店のセットの前で、男性2人が新内流しを披露している。ああ、風流だわ。よかった。三味線巧かった。当たり前だけど。今私がお稽古している曲に新内もあるのですが、私は下手っぴいだから、とても勉強になった。ちゃんと練習せにゃあかんと気持ちが引き締まりましたです。
 展示室をうろうろ。靴を脱いで船宿に上がり、長屋の縁側に座り、茶店でくつろぐ。2人とも、すでに歩き疲れて眠くなっている。これから本日のメインエベントが待っているのに、大丈夫か。
 本日のめいんえべんと、それは、柳家さん喬師匠の高座であります。
 落語にはまってまだ日の浅い私なのですが、それでも、今最も巧い噺家は誰かと問われれば、このさん喬師匠を置いて他にいないのではないかと、自信を持ってお答えします。ネットやラジオ、CDなどの様々な音源で、このさん喬師匠の落語を聴いて、ああ、これはもうナマさん喬を見に行くしかない、といつしか夢を見ていたのでありますが、偶然にも、昨年末に鈴本に行った際、「さん喬を聴く会」のチラシを見つけて、こりゃなんとしてでも行くぞ、と思った次第。鈴本に一緒に行った友達と再び高座です。よくよく考えてみると、寄席通い2回目にしては、2人とも、凄い人聴きに行ったなあ、という気がします(^^)
 資料館の2階にある小劇場、どれくらいの収容力があるのか分からないのですが、200名位?そこが満席で、補助席出すほどの盛況ぶり。この「さん喬を聴く会」は何十回も続いているそうで、常連さん達も多いようです。私も常連さんの仲間入りをさせてもらいますっ。
 入り口で小さなパンフレットを貰い、席につく。真ん中の前から7列?8列めくらい。ちょうどいいかな。高座が始まるまでパンフを見たり。と、パンフを開いてしばらくして、真ん中にちょこんと、白い小さなシールが貼ってあることに気づく。「寿 三等」え?これは何?と、隣の友達に聞くも、彼女のには貼ってない。周りを見回すも、シール貼ってある人、ちらほら、でもほとんど貼ってないみたい。こ、これはもしや。。こ、こんなにもくじ運の悪い私が、新年早々当たりを引いたのか!と、嬉しさがこみ上げた。何が当たるんだろ、ワクワク。→あとで場内アナウンスがありました。1等はさん喬師匠の高座のペアチケット、2等はカレンダー、3等はさん喬師匠の名前入り手ぬぐい〜。手ぬぐいでも当たれば嬉しいです。キャッキャと内心はしゃぎながら貰いに行ってきました。
 さて、高座のほう、この日が初高座というお弟子さんの小きち、ばりばりに緊張してました。でも、初高座を見ることの出来たこちらもよい機会でした。次は柳家小太郎、で、いよいよさん喬師匠の登場。
 「待ってました!」の声が会場のあちこちからかかる。と同時に、前方からキャーッ!という黄色い歓声が上がり、場内もさん喬師匠も、ガクッと失笑。中学生だか高校生だか、若い女の子達も来ていて、驚いた。凄いな。中高校生で落語にはまっているとは。耳目が肥えているな。
 初ナマさん喬。目の前にあのさん喬師匠がいる。寄席に通い慣れた人にはんとも当たり前の光景なのだと思いますが、なにせ、2回目の寄席なので、異様に興奮する私。お目目きらきらさせながら聴き入る。「按摩の炬燵」「御慶」そして倉田眞理さんのピアノ演奏をはさんで、「文七元結」。
 とくに「文七元結」はさん喬師匠の語りにどんどん引き込まれていって、どっぷり世界に浸かって、ハラハライライラ泣いて笑って最後はすっきり。さん喬師匠はほんとに巧い。聴く側をぐいっと掴んで噺の中に引き摺り込んで、最後まで心地よい緊張感を持続させて、噺が終わって解放されるのが悲しい位に魅了する。噺の中の様々な登場人物への切り替わりがもの凄く早い。どんな人物にも瞬く間に変身する。そして全身で話す。エネルギッシュな高座になる。
 昨日の朝のNHKニュースで、林家こぶ平のインタビューが出ていた。そこで、こぶ平が、男は歳を取るにつれて自分の顔に責任を持てと言われるけれど、噺家は言葉にも責任を持たねばならない、というようなことを言っていた。また、他のタレントと一緒にわいわいやる番組と違い、高座は噺家の中身が露わになってしまう、そういう恐ろしさがある、というようなことも言っていた。納得しながら聞いた。そんなインタビューの後に聴きに行った高座だったので、しみじみ、さん喬師匠の人となりを、高座から感じ取ったような気がした。
 
 さて、今日、9日はNHK大河ドラマの「義経」初回。今年は最初から最後まで続けて見たいなあ。これから台所に立って、酒の肴作って、久しぶりにちびちび呑みながら見るとします。さきほどから醤油で煮ている玉蒟蒻がいい感じになってきました。
 


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