あたろーの日記
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2004年09月20日(月) 『江戸の町は骨だらけ』

 旧暦8月7日。
 敬老の日につき、東京都内の多くの銭湯では、65歳以上の方は無料。あたくしは平日はちょっと設備の整った立派な銭湯に行くんでありますが、休日はそこが家族連れによってレジャーランド化するために、混雑を避けて自宅からちょっと離れた小さな銭湯に行きます。そこがまた汚い。古いけど手入れの行き届いた銭湯は沢山ある、けど、そこは古くて汚い。お湯も臭い。おまけに店の人が恐ろしく無愛想。こちらが「こんばんは」と言って目の前に小銭を置いていっても知らん顔。これでよく商売になるなあと思いきや、混雑しないのをいいことに、やっぱり愛用する年輩の方々も多いようで。かくいうあたくしも、休日の夜の一杯の食材をスーパーで買って帰る前に入るにちょうどいい場所にあるために、この銭湯を利用し続ける次第なのです。
 今日も暑かった。夕方一っ風呂浴びて、早いうちに酔わない程度にちょいと一杯やって(だったら飲まない方がましだけど)、と思って行きたくないけど汚いほうの銭湯に行った。今日はやけに混んでる。そっか、敬老の日か、どうりでおばあちゃん達が多いわけだ。。。と、上がって身体拭いて服来て頭梳かして。。。暑い、やけに暑い、なんでこんなに暑いのだ。。と思っていたら。周囲のおばあちゃんとおばちゃん達の会話。「あっついね」「ほんと暑いね。こんなに暑いのにクーラーつけないんだね」「今日はタダの日だからつけないんじゃないの」「そうなんだね、ここはそうするだろうね。タダの客にはクーラーつけちゃくれないんだわね」「あたし言ってこようか」「いいよ、やめなよ、言ったってどうせつけちゃくれないわよ」「そうよね、ここはそういうとこだよね、それにしてもあっついね」
 おーい!あたくしはタダの客じゃないぞおおおっっ。そうじゃなくっても、敬老の日にこんな蒸し風呂に入れるなんざ、ふてえ風呂屋だよ。まったくサービス精神ってのがないよ。それにしてもなんだね、あたくしだけじゃなくって、他のお客さんもこの風呂屋のことあんまり良く思っちゃいないんだね。それ知っただけでも今日は満足だよ。・・・風呂上がりなのに早々に汗がにじんできたので急いで出てきました。
 と、悪口になっちゃいましたが、あの銭湯がなんとか続いているのは、近くに混雑する立派な銭湯があるからなんですね。しかし、いつまでもつものやら。。。
 だけど、そこの脱衣所で交わされる近所のおばちゃん達の会話、面白くて好きです。地蔵通り商店街の話題とか、ナニゲに聞いてたりします。。

 『江戸の町は骨だらけ』(鈴木理生・ちくま学芸文庫)を読む。江戸が大きくなるたびに、江戸城の周囲にあった寺院は移転させらるも、上っ面だけの寺院移転で墓地はそのまま、骨は地下に眠ったまま。よって後世、寺もないのに何故こんな所から人骨が、と、皇居周辺を掘り起こしては驚く現代人。他にも寺院に伴う墓地が沿岸の埋め立て地で果たす意外な役割、等、なるほど目から鱗面白いことが指摘されてあります。しかし、寺院と骨の関係にとどめておいても十分濃い内容になったと思われるのですが、筆者の言いたいことは他にも沢山あって、たとえば日本人の死体観とか、旅人が閉鎖的な地域に果たしたある役割とか、神仏習合とか、また都市伝説とか・・・それぞれに追求していけばゆうに1冊の本が出来上がるようなテーマを本書に詰め込みすぎてしまったために、どれも消化不良のまま。。。で、読む側としては、その点についてもっと書いて欲しい、と願うことしきりです。しかし近世考古学の成果を取り入れながら、江戸の都市空間を「骨」を追うことで掘り下げたり表出させたり。。そういえば江戸の町で死体はどうしてたの?という素朴な疑問を持って読み始める読者に、そこから出発していろんな視点を与えてくれる、面白い本だなあと思いました。


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