あたろーの日記
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旧暦の2月18日。 昨夜、夜遅くに銭湯に行き、露天風呂に浸かっておりましたら、天上の月がまんまるで、とても綺麗でした。青白く輝いていて、それが湯の表面にきらきらと反射して、幻想的でした。湯船に入ってしばらく月を眺めていて気づいたのですが、どの人もやってくると、お湯に身体を入れてしゃがむと同時にまず月を見上げる。しばしぼーっと見とれている。人間て、自然に満月に吸い寄せられてしまうものなのかなあって、面白く思いました。
この前神保町で見つけてきた岩波文庫の「花暦 八笑人」(品切れ中につき、古本を探すしかありません)を読んでるんですが、面白いです。 だいたい私が岩波文庫の黄帯が好きなのは、近世に書かれた読み物がべらぼうに楽しいからなんです。 例えば「花暦 八笑人」。 ・・・・・河童の屁といふは、どういふわけか知りハしめへ。あんまり文盲で不便だから、友達のなさけに、おしへてつかハそう。マヅかつぱといふやつハ河にすむものだが、水の中で屁をひつたら、ぶくぶくと、音のするはづだぜ。ソレ柳樽(やなぎだる)に、 すかしても音のするのは河童の屁 といふ句があるは。それを亦、たわひのない譬(たとへ)にいふハ、わけがわかるめへ。これ則(すなわち)いひあやまつて、居るからのことだ。子曰(しのたまハく)、こつぱの火と論語にもあるハ。
てな感じで、お気楽なご身分の8人衆のどたばた茶番劇が繰り広げられる話なんですが、これはかなり前に映画にもなったらしいです。観てみたいです。 岩波文庫の黄帯は日本の古典ばかりですが、私が特に好きなのは近世もの。滑稽物や奇談、説話集なんかが面白いです。特に好きなのは「耳嚢(みみぶくろ)」(上中下の3巻。上のみ品切れ中につき、古本を。もしくは平凡社の東洋文庫にもあります)。根岸鎮衛(やすもり)という佐渡奉行や南町奉行を務めたお役人の集め書きしたいろんな話。たくさんあるのですが、題だけざっと見てもなんじゃこりゃって興味が沸きます。 ほんの一部分ですが。
一 耳に蜈(むかで)入りし時奇法の事 一 蘇生の人の事 一 猫の怪異の事 一 糞穴に落し笑談の事 一 痴狸油に酔ふて頓死の事 一 幼女子を生(うみ)し事 一 棺中出生の児の事 一 鬼火の事
読んでいくと、どこかで聞いた話だなあと思うことも。杉浦日向子さんの有名な漫画「百物語」に出てきた話もありました。
中学高校で古典に苦手意識を持ってしまった私ですが、この歳になって夢中になっています。文法なんて気にしない気にしない(先生ごめんなさい)。古典の授業や教科書のイメージから解き放たれて、もっと気楽に古典を手にする人が増えるといいのになあって思います。お堅いイメージで書棚の奥に放っておかれるには勿体ないですよ〜。
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