ペルソナ・アウェイ  2008年06月03日(火)
秀麗な横顔技師と美人画絵師の力を借りて、顔・体を作り替えて、心はもう此処にあらず。遠い向こうの国へ身体だけが先に空輸で行ってしまった。さて、空っぽになった部屋の中で、残された私はどうしようか…私は考えた。立ち尽くしてはみるが、手荷物には胡散臭い連中の名刺しか残っていなくて大概は本気で挑んだり挑まれたりなんてことはない過去ばかり。手際の良いことばかりしてきたけれどそれらが役に立ったのは傷つかない関係をうまく作り出すときぐらいだった。心もろとも顔面が、変な顔になってしまいそうだ。雨の降りしきる深夜の河口に汚い日記や写真を全て投げ込み、棄ててしまおうか。いや、ここからが見所なのだ。もう一人の甘い自分が言う。訳の判らぬ整形技師や表面加工に優れてるコーディネーター達が作り出した、もう一つの顔色。何かしら先回りして私の代わりに答えてしまう。身体は既に猛スピードで私を置き去りに遠くへ駆け抜けてしまう。得体の知れない人々との関わり合いの中に、行方不明。たった一人で残された私は、さて、何処に行こうか。確かなものは無くて、変な顔になってはしないかと案ずるけれど、やはりうまく作り出された表情だけあって滅多な失敗は無いらしい。だが、何という不安だろう。うまくいけばいくほど不安が募る。手ぶらで徒歩もなく遠くまで行ってしまって、帰って来れなくなる…その恐怖にも近いのか。確かなのは…。




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