衝動と正体  2005年06月12日(日)
夕暮れが迫ってくる。6時半だ。ああ日曜日が終わる。悲しいな。やるべきことは無限にある。命を使い果たすのにどれだけの夜明けと夕暮れが来るのかなあ。両手の指で数え切れてしまうだろうのは言うまでもない。一瞬だ。この先にある有限の日数は輝く太陽の姿、何回分? その明るさが私の眼球と脳に掛けられたフィルターにより処理されて、実物の太陽から、私の意識の太陽へと変容され、私はそれを知覚し認識して毎日を生きてゆくが、しかしその堂々巡りは必ず終わりがある。信じるべき永遠があれば良かったのに、細胞が永遠を拒否して動いてくれない。感傷と愛情があれば時の流れを一瞬でも引き伸ばし忘れることが出来ようか。白黒とカラーリバーサルで連続撮影した世界の断片を床じゅうに広げて、美しさとシャープネスに酔うことが出来たのはありとあらゆるものが永遠だと勝手に思い込んでいたからだと気付いた。しかし私の手元には、此の世にその矛盾を絶叫できるだけの声帯とマイクが存在しない。私は胎児のように黙って栄養の供給を受け続け、未発達の脳の中でとろとろと夢を見ながら、黙ったまま羊膜の内側で一生を終えていく気がする。その恐怖を人に訴えられるだけの声帯と言語があれば良かったのに、私は24歳を終えようとする今もなおそれらを知らない。ならば菓子と薬物を大量に盛り付けて、とても楽しい体験で身の回りを包み直せば楽になるだろうか。無理だ。それでも太陽の光に勝る輝きは此の世にはなく、太陽の昇降が告げる時の流れに、抗うだけの酩酊はできない。そんなことをしたら死んでしまう。部屋が夕焼けで真っ赤に燃えている。濃く、透明な、赤い光で、白い壁が塗られている。時の流れはしずしずと夜へ向けて加速している。一体何処まで行けば明日、明後日、明々後日から足を踏み出して未来に行けるのだろう。そんなことを思ってしまうだけの衝動の力はまだ身に宿っていて、目に映るあらゆるものの意味を勝手に書き換えて、取り違えたような希望を脳裏に燃やそうとする。

ふざけるなよ、私は決して打ちひしがれはしない。私は誰だ? ふざけるな、私は誰だ?






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