小笠原・父島にて毎晩酒を食らう。  2004年08月12日(木)
私が東京から約1000kmも離れた所に25時間ぐらい掛けて訪れ、往復運賃5万5百円ぐらいも費やして、何をしているかというと、とどのつまりは、毎晩そこいらで飲んでいるのである。



私は無論、独りで父島に訪れ、ダイビングと写真に情熱を傾けようともくろんでいたわけだ。しかし、今回は台風や熱帯低気圧の影響で、海と空のブルー度が低い。

8/8に到着した時には、風が肌寒いぐらいであったから、私は大いにげんなりして『ちゃうやん、こんなんちゃうやん』と勤務中の友人に長電話をしたものだ。


それだけではない。ダイビングというのは富裕層の享楽である。船を出してもらって、沖で30分を2発潜って、帰ってきて、後にショップで今日の成果みたいなのを話し合って、それで14000円である。


私の場合はそれに機材のレンタルがフルに付加されたので、
●3点セット(マスク・シュノーケル・フィン)
●ウェットスーツ
●レギュレーターとか、管のついてるやつ
●ボンベ

これらをフルに借りたら8000円ぐらい取られた。

更に、

『ナチュラリスト・コース』という、ダイビングライセンスのスペシャリティコースを思いつきで申し込んだら、これが28000円した。


このコースは、綺麗な魚だけを追い求めるのではなく、海全体の動植物・生態系に興味を持って、接するダイバーになりましたという認定書である。あってもなくても別に誰も困らないが、金ピカのカードがもらえるので、自己満足でみんな申し込むのである(私もその一人)


潜る前日と、潜った後にレクチャーが入り、腔腸動物とか、ハゼとエビの共生とか、危険な生物への正しい対応などを教わる。

そして、潜る際には、ボードとペンを渡され、生物を発見し、その名前を書かなくてはならない。

●植物を2種類
●無脊椎動物を3種類
●脊椎動物を5種類


これが苦戦した。
今まで海草と言えばミソ汁ときんぎょばちの中でしか見たことがないのである。それを、必死に慣れぬ手付きで絵を描いて、ぐにゃぐにゃ、ぐぬぐぬ、だああ、な絵が出来ました。全然何描いてんのかわからへん。



しかし流石は小笠原である。生物の種類は豊富で、まあ何でも見つかるといった風情がある。合間にクルーザーのデッキで身体を焼きまくるのもいい。後でシャワーも着替えも泣くほどに痛くなるのだが、そうでなくては南の島とは言えない。



いたいよう。



しかし毎晩、何かしら誰かの後に付いて行くと、飲む羽目になった。小笠原は旅人の集う地であり、一人旅の人間が非常に多く、民宿の垣根を越えて交流してしまうという非常にH&H(ヒッピー&フレンドリー)な環境でございます、。


『今日は海況が●●(悪い、いい、ふつう)ですね』

「そうですねー」

『どちらから来ました?』

「●●(東京だの関西だの)ですよー」

『あ、そうなんですか!? 僕も(千葉だの大阪だの)なんですよー』



これで終了である。後は海中で見たユウゼン(真っ黒いチョウチョウウオ)が如何に美しかったかを15分も語れば知らない間に友達になっていることでした(過去形)。



更に言えば、カメラ人口が多い。並みの観光客ではないらしく、やたらと一眼レフ率が高い。なので、相手のレンズを15分かけて褒めていたら勝手に飲み会に参加することになっていたりしました(過去形)。



もうお金が無い上に、盆時のピークなので、ダイビングショップも予約満員。もう14日の出港日まで潜れないのでしょうか。それは寂しいな。



私にとってダイビングは、かなり負荷の掛かる、修行みたいなものです。魚がどうこうというより、ロープ伝いに徐々に潜行してゆく過程において、いかに恐怖や、肉体と精神のアンバランスをなくしてゆけるか。


日頃から妄想と酩酊に耽り過ぎているために、いざ現実的に意識をしっかり持たないといけない場面になると、すぐにパニックを起こしてしまうのです。それを克服したあとの昼飯はうまい。克服しきれず、悶々とした不出来に終わったあとの昼飯は、涙の味。


そんなこんなですが、H&H(ヒッピー&フレンドリー)な旅も、なかなかよろしいなあと思うので、ダイビング料金をもっと下げろと言いたいところではありますね。くそっ。今日は原付で山を登ってやる!ブウウウウウウウウウウ。





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