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2007年10月12日(金) 『探偵小説の論理学』 小森健太朗

主にラッセルの論理学とエラリー・クィーンの探偵小説との関わりを論じた内容で、

第一部:現代論理学の形成と動向
第二部:探偵小説の理論と公理
第三部:ロゴスコードの変容と論理物語の新潮流

あとがきに「探偵小説の批判書であると同時に哲学書、思想書たらんと志した」とあるが、
第一部と第三部の後半は全てを理解するには論理学、数学の専門的な知識が無ければ難しいし、
第二部と第三部前半はこれまた探偵小説を読みまくっていないと細かいところまではよく分からない。
「同時に」と言う言葉がぴったりの本だと思った。

私自身は探偵小説の熱心な愛好家であるわけではないので(嫌いではないので、何冊かは読んではいるが。)
探偵小説における公理などについてはほとんど知らないのだが、
この領域が如何に繊細で綿密な世界であるかがわかった。
探偵小説を通して現代の若者の思考の特徴を焙り出している点、
これが批判書という意味なのであろう。
生と死、罪や罰といったことに対する世代間の根本的な違いなど、
探偵小説家たるが故の明快なその説明に、合点がいった次第である。
説明に合点はいったが、
このギャップそのものについて考えると少し暗い気持ちにもなる。

更に後半では様相理論と結びつけて語られていて、
論理学畑の読者にとっては盛りだくさんの内容である。
探偵小説好きの読者にとってはどうなのだろうか。
まさに話題満載といったところだろうか。


Hiroko |MAILHomePage