僕が朽ち果ててもいいように 生きた証を刻んだ けど、それもやっぱり いつか朽ち果てるんだ。
僕は確かに世界を見てきたけれど、 それが誰かに残るものでもなくて、 そこに転がって誰かが見るものでもない。 僕と共に生きて、僕と共に朽ちる 人の夢は儚い、本当に。
僕が朽ち果てて 土や灰になったとき 誰がそれを見つけて 誰がそれを見てくれるんだろうか。
幼くして天才になった彼は、 大人になるにつれそれから離れていく。 彼が天才と呼ばれることで自覚してしまった。 自覚した天才は自分が天才と呼ばれ続ける為に 自分の考えうる最大の天才を真似るが、 それは天才でもなんでもなくて、 ただそこに朽ち果てていった。
自分がそれだと感じたとき、 僕はもう既に天才でいることを止めていた。 僕が何を思って、何をやろうとしているか わからないくせに、口を出す彼らを 僕は殺してしまいそうだった。
愛ってなんだろうか 世界で最初に生まれた愛はなんだろうか 果たしてそれは愛なんだろうか 愛を語っている人の愛は愛なんだろうか それとも、僕の認めないもの全てが愛だったんだろうか 形の見えない愛はよっぽど強いものでもなくちゃ 朽ち果てて、誰もかもが忘れる。 受けた本人さえも朽ち果てれば全てが消える。
世界にいくつもある偽者のどのくらいが本物なのか それを世界は知らないけれど、 偽者がどれくらいあるかは知っているくせに、 偽者を潰そうとしないのは、 世界そのものが偽者で偽者をなくすと 世界が朽ち果ててしまうからだろうか。
僕の思っているより世界は駄目なんだろうか それとも僕が駄目なんだろうか
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