き　ら　き　ら　　ひ　か　る　。

2002年07月02日(火)
■■妹ちゃん闘病記：ROUNDⅠ【発病～診断②】レ・ミゼラブル　

検査入院したものの

MRI
CT
血液検査
結腸バリウム
消化管上部ファイバースコープ
の検査がだらだらと入った。

あたしや母は、このだらだらした検査に対していらだっていた。

妹ちゃんは、このころから絶食になり
全ての水分と栄養を
鎖骨下静脈から刺入されたカテーテルから取るようになった。

*結腸バリウム→肛門から管を入れて空気と共にバリウムを注入しX腺を撮る。
*消化管上部ファイバースコープ→口腔からカメラをいれて胃と小腸の様子を覗く検査。

しかし、結腸バリウムは失敗に終わったらしい。

卵巣が大きくなっていて、
直腸やS状結腸を圧迫していたために
直腸から口側への結腸へはバリウムがはいっていかなかったのだ。

直腸までは入ったので直腸のX腺は撮影できたとのことだった。

*腹部正面からみると、
膀胱→子宮→直腸という前後関係があります。
卵巣は子宮から卵管が伸びた先に、膀胱を抱え込むような格好で
浮遊しています。
妹ちゃんの場合は、その卵巣が直腸と子宮の間の溝（＝ダグラス窩といいます）に入り込んだ形で大きくなっていたので
子宮と直腸を圧迫していました。

妹ちゃんは余ほど苦しかったらしく

『二度としたくない。』といった。

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丁度妹ちゃんが胃カメラを飲んでいる時に
わたしたち家族はドクターに呼ばれた。

話しの大筋は・・
肝臓に転移を認める。
大腸への湿潤が激しく,今のままオペは不可能。
リンパ節、腹膜へも転移している。
言うなれば,腹腔に癌細胞が散らばっている状態。。

もし、オペをしたとしても,
オペ室から出てこれないでしょう。

『とても厳しい話ですが･･完治は難しいと想います。
私達の病院の年間患者の中にも、これほどひどい状態は本当に数名です。

本人の了解が取れれば抗癌剤を使って卵巣を小さくし
大腸への圧迫をなんとかしないと・・・
尿道への圧迫も時間の問題になります。今、人工肛門の話も出ています。
ただ、腸の状態があまり良くないので検査しなければそれもできるかどうかはなんともいえませんが。･･･。

彼女はまだ若いです。何とかしてあげたいと私達も想っています。』

母は声を震わせながら
ただ
ただ

『あの子を、なんとか助けてください。・・』といった。

あたしは質問した。

『先生。抗癌剤を使えば摘出　できるのですか?・・・』

『卵巣がんは抗癌剤がよく効きます。但し、本当に使ってみなければ効くか効かないかわからない薬です。』

『このままだとしたら・・・どのくらい　ですか・・?』

『・・・3ヶ月、持たないと想います。・・』

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カメラを飲んだ後に、急遽　

結腸にファイバースコープ検査が入ることになった。

癌がどこまで湿潤しているかによって、
人工肛門すら造設できないことになる。

本来、腸というのは蠕動運動をするため、可動領域が大きい臓器である。
動く余裕を持っている。

しかし癌細胞に侵された組織は、大きく取り除かなければならない。
しかも、直腸を包み込んでいる腹膜も癌が湿潤して硬くなってしまう。

そうなると引っ張ったりする余裕がなくなる。

これは人工肛門すら造設不可能な状態である。

今、癌細胞を今取り除くことは不可能。

ならば人工肛門が可能か。
その可能性を見極めるための検査だった。

あたしは母を病院へ残し、一度実家へ帰宅した。

：：：：：2002.summerの記録から抜粋。

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