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■ 『島』の初演時(6年前)掲載文、比べると現在がよくわかる。。
「島」と「現在」 藤井ごう
「わしらが白髪の爺さんになる頃には、この地球上も大分様子が変わっとるよの。それ迄一粒一粒、種を大事に蒔いて生きるんよの。―その時は、人類に貢献した言うんで」
被爆者である学の劇中の台詞から約六十年、プラハでは核なき世界への「平和」メッセージが宣言され、兵器削減の条約が締結されつつある。だが一方「平和」を謳った戦争は、今もこの地球上で確実に行われている。―この矛盾。そしてその事に痛痒を感じなくなっている僕らは「想像力の欠如」が言われて久しい。戦争は特殊な出来事でも、過去のことでもない事を知りながら。―この違和感。
僕らが学の言う「その頃」を生きる人間として、他人にしか残らない筈の「死」の記憶を前に茫然と立ち尽くすのか、何かを共有して普遍化するのか、どうするべきなのか、…きっと答えなんかない。
ただ、この「島」に生きている人間たちの「現在(いま)」に何かヒントがあるように思われてならない。
あなた自身の為に 人間の未来の為に
という作者の願いと共に、「生」という事の意味を突きつけられている。
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2016年11月05日(土)
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