再生するタワゴトver.5
りばいぶ



 『郡上の立百姓』

こちら今夏はこの作品創りに完全に支配されております。
総勢43名のキャスト(紀伊國屋なのに)、
踊りに唄に殺陣に、そして真面目にお芝居に。
稽古場はとに角アツいです。
ダイナミックな作品(江戸、百姓、一揆!)になりそうです、お時間ありましたら是非足を運んでください。神奈川府中もありますが、是非紀伊國屋で。
セクシャルマイノリティ→満洲棄民→百姓一揆
となんだか極まっている今年です…(このあとは傷痍軍人→HIROSHIMAと続きます)



以下、詳細です。


青年劇場「郡上の立百姓」
作:こばやしひろし 演出:藤井ごう
公演日程
9月17日〜25日 紀伊國屋ホール(20日は休演日)

17日13:30/18:30
18日13:30
19日13:30
21日13:30/18:30
22日13:30
23日13:30/19:00
24日13:30/18:30
25日13:30

9月27日 神奈川県立青少年センター
9月28日 府中の森美術劇場ふるさとホール
両日とも18:30(私的には紀伊國屋をオススメします)

一般 前売 5,150円  当日 5,500円  
 U30(30歳以下) 前売 3,100円 当日 3,400円
 高校生シート 1,000円 (各ステージ10席限定/劇団での前売のみ受け付け)
夜割引とか、関係者割引あります。

「郡上の立百姓』は、宝暦4年(1754)に郡上藩下で蜂起した郡上一揆を題材に1964年こばやしひろし氏が自ら主宰する劇団はぐるまに書き下ろし、翌年には第二回訪中日本新劇団の合同公演として上演、その後劇団民藝にて全国巡演された作品です。
あれから半世紀―彼らの闘いは、決して過去のものではない。「いかに生きるべきか?」いま大きな分岐点に立つ私たちにこそ、彼らが掴もうとした未来が託されている。熱気溢れる「郡上踊り」に秘められた想い、圧倒的な迫力とスケールで描く人間群像を、繊細かつ大胆な演出で定評のある藤井ごう氏を演出に迎えて贈る、壮大なたたかいと人間讃歌の物語。

青年劇場 http://www.seinengekijo.co.jp/frame.html

出演:清原達之 島本真治 葛西和雄 
吉村直 青木力弥 小竹伊津子 本城憲(R-vive)ほか 

2016年08月30日(火)



 対処すること。

青年劇場『郡上の立百姓』
連日の午前中から夜まで稽古が続いている。
今日も今日とて、俗に0場と言っているシーンから積み上げていく。
なかなか予定通りにことは運ばない。
夕方休憩をいれ、
その合間に唄の録音、
ソリスト決めたら、しばしこちらは休憩…(普段は中に入ったら、ほぼずっといっぱなしになる)
稽古場外へ。

稽古場外の壁にスケジュールやら、
連絡表やら、申し送りやら、
色々貼り出してあり、見るたび、
あー、もう本番まで〇〇日しかない…など悲観的になったり、現実を突きつけられたりする訳だが、
そこで目に入ってきたのは、

『明日は衣裳合わせの為、

男性は「ししゃも」一本。
女性は「ししゃも」二本。

ご用意ください。』

とゆう文言。
「ししゃも」?
なぜ「ししゃも」?
いや、なにゆえ「ししゃも」?
そもそも衣裳合わせに、なぜししゃもがいるのだ。
それは偽物のししゃもでもいいのか、
ホンモノの高い奴でなくてはいけないのか、
確かに江戸の百姓の時代考証はなかなかに難儀なわけだが、
彼奴らは、帯に男は一匹の、女は二匹の、「ししゃも」を下げ、干物にし、
オシャレにぶら下げ、
究極飢えたらそいつを食む。
とでもゆうのか?
子持ち限定なのか?
なにしろ、衣裳合わせの為の「ししゃも」である。
衣裳さんが、オリジナルコンセプトをいつの間にか構築していて、
百姓は「ししゃも」みたいなものであった、
とゆう解釈が新しく稽古場外で発見され、いつのまにか僕以外のところで浸透し、明日お目見えする、とでもいうのか。

唄わない俳優さんが二人そこにいた。
「ししゃも」の話を聞いてみようかと思った。
いや、待て。
サプライズだったらどうするのだ、
例の誰かの誕生日にサプライズ〜とか言いつつ、
周りのいつもと違う動きに確実に気付きつつも、人の想いだから、知らなかった振りをするとゆう、あの苦行、、、
いや、何のためのサプライズなのだ。
ししゃもは生臭いぞ、焼かなくてもいいのか?

人としてこの事態にどう対処するか(稽古でその話を俳優さんによくする)突きつけられている、試されている。慎重に、簡単に、自分の頭で考えない内にヒトを頼ってはダメなのだ。
もう一度見てみる。

『明日は衣裳合わせの為、

男性は「こしひも」一本
女性は「こしひも」二本

ご用意ください。』

突きつけられたのは、
「疲れているんだなぁ」
とゆう確固たる確信と、
間に気を抜くと、もう既にビールの当てを考えている自分のダメさ加減であった。

みなさま、明日はこしひもを忘れずに。




2016年08月27日(土)
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