再生するタワゴトver.5
りばいぶ



 いざ西の陣。

東京太平洋食堂再開店、
初演と比べてなど、色々な感想をいただきましたが、
日々内容は深度を増しながら進んでいったと思います。
大きな変更は加えていませんが、そこをこちらの大きな流れで持っていくのではなく、自覚と役割と自由度を増す俳優さんの身体で持っていってもらうのが、時間をおいた作品の成熟。。
(とはいえ役割だけでも、自覚だけでも、関係性の慣れた自由度だけでもダメで、全てが揃わなくてはいけない)
同じようでありながら、初演ではこうしていたの言語はなるべく使わずに新しい向かい方をしていた現場。
しかし、初演からあれよあれよと嶽本さんのエネルギーにより達成されている今回の再開店と大阪新宮行き。
たったの2年、されど、
客席の置かれている状況が変わったのだなと実感せずにいられない。
今、必要とされる作品。
もっともっと。

…しかし6月は私事を含めてイロイロありすぎた、、2年前と違って、車椅子でないのがせめてもの救い(汗)
でも小屋入りから鍼灸に、皮膚科にも通う日々。
身体が資本だなぁと改めて。
身体のメンテナンスに金がかかるは40代。。

『太平洋食堂』本隊はいざ西の陣。
問題ももちろん提起するけど、よきお芝居、素敵な人物たちのそして何より、演劇の魅力が届きますよう。
私も、東京終わり、7月末と、9月頭の稽古と、台本キャスティングなど一気に続いて明日から大阪へ。

お近くの方、是非会場にあしをお運びください。

2015年07月08日(水)



 「太平洋食堂」パンフ掲載文。。。

演出の戯言 

あなたは今の世界をどう見ていますかー
初演(二年前)の稽古を前に、和歌山県新宮市にある墓の前で問いかけた。

過去の革命は少数偉人の手により為されたりといえども将来の革命は多数凡人の自覚によって行わるべしー
自分は決してストライキそのものを善い事だとは云えぬ。併し悪いものを悪いと主張する元気や、嫌なことを嫌だと言いぬく自由の精神は最も尊重すべきものではないか、こういう元気と精神を青年の頭から取り去ることは即ち、青年を屠ることと同じであるー
今から百年以上前、こんなことを書き記した人物がいる。

大石ドクトルこと、大石誠之助である。劇中、大星誠之助、大星ドクトル。
大逆罪という汚名をきせられた人物の一人。
その発想の豊かさ、自由さ、奔放さ。そして人間らしい身勝手さ。この人物に惚れこんだ嶽本さんの筆圧は強く、物語は紡がれていく。

明治後期という時代のうねりに右往左往しながら、煌く生きていた人物たちの『現在』が舞台上にあるよう、俳優さん、スタッフさんたちと喧々諤々、チェーホフのようでブレヒトのようで大衆演劇的(?)でもあるこの嶽本戯曲フルコースを正に一つのテーブルに寄り集まって、最善を探る日々である。

今の日本の問題はこの時代に目をつぶったことの多くから未だあるのではないか、なんてこの場に書いてたったの二年、あまりに色んな問題に眼をつぶりたくもなるけれど、

いつか「あの時」に変換されてしまいそうな時代を、自覚ないまま生きる僕らに、
この物語は人物たちは『今』を鋭く突きつけてくる。

二年経って同じ墓の前に立つ機会をもらった。
上質なフィクションは時代を見通し、真実
を捉える。そんな師の言葉を頼りに、面白いモノを追及しているー


本日はご来場いただきありがとうございます。
最後までごゆっくりご覧ください。


藤井ごう

2015年07月06日(月)
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