再生するタワゴトver.5
りばいぶ



 何しにきたの?

である。
前述の通りで、広島にいる。
本日はレンタカーして広島市内→呉→倉橋島→江田島へ(瀬戸へ)。
なにせ当該芝居がその「島」であるので、この「場」から感じられるもの、その「土地」に実際に立って巡らせられる想像、「土地の人」との話、街並み…貴重な時間。。。制作さんにコーディネートしてもらって…

で、「何しにきたの?」である。
今回は、自分で取材したいと打診したので、運転するのは構わない。ちなみに、運転も好きだし、カーナビ頼りになってしまう悲しさはあるが(時間的なことを考えると、地図を観たり、迷ったりするのは結局ロスになるので→ただ、この場合、土地の感覚とか、それこそ位置取りがとてもよくわかるのだが)、どこからどこに向かい、なんてことを自分でできるのは、まあ、いい。流れくらいはわかるし。
方や、ペーパードライバーなので、そりゃあ、自分でハンドルを握る方が、遥かに安心であるし、ご本人が「あたし、めっちゃ方向音痴なんです」ということを宣言しているのだし(※注一)

※注一 二月二十三日、広島市内、雨。
とりあえず、市電(路面電車)でホテルのある駅に向かう。着いて。
G「どっち?」
K「こっちです。(と信号を渡る)」
G「ほんと?」
K「…多分」
しばらく歩いて、勿論地図はKさん、あいや、K女史が持っている。
K「あれ、こっちじゃありませんかね…。」
G「はいはい」
と、言いつつ、地図を見せてもらい、
G「あっち、だね」
K「あいや、銀行がどれかわからなくて…」
しばらく歩いて、右折、ホテルが見える。
G「あれだね」
K「あ、ありましたね、よかったぁ」
G「……」

実際に食らっているし(※注二)

※注二 二月二十三日、広島市内、雨。先ほどより、少し後の時間。
とりあえず、荷物を置いた後、取材先は市電(路面電車)で、二つ先の駅から徒歩。
この時、雨が強くなり、しかし私はあろうことか、ホテルに傘を忘れてきている。
降りて、今度は慎重に、携帯電話(地図を表示しているのだと思われる)を眺めながら、
K「こっち、ですかね?」
G「(心の声)聞かれても。」
K「こっちです。あ、傘、どうぞ」
G「(帽子を被っているので)大丈夫大丈夫。それよりこっちでいいの?」
K「はい、今度は大丈夫です!…多分」
なぜ、「多分」を足すのかはわからないが、「大丈夫です!」という足取り、周辺の眺めまわし方ではない。
K「あっちが河ですよね?」
G「(心の声)あれはどう見ても、大きい河の橋である。」
K「ですよねぇ、大丈夫です。」
G「本当?」
K「多分」
G「ちなみにどちらを目指しているの?」
K「○×△□(ちょっと、なにを喋っているのかわからない)」
そして、
K「あれ、ここにあるはずなんだけどな」
G「だから、なにが?」
K「あ、あったあった、いや、大丈夫です、ここを左折です、この間を」
G「(心の声)主語がない」
そして、左折。しばらく歩く。
K「……」
雨脚が強くなる。
G「……」
K「(ちょっと先を右折して)おかしいなぁ」
と、バタバタとしている。間。
G「あのさ、なんてとこにいくの?」
K「★○■▼☠(どうも焦っているらしい)」
G「地図、見せて」
K「いや、大丈夫です、Gさん、ちょっとそこに居てください(屋根ある建物の下←すでに遅い(笑))。」
G「え、だって、こっちであってるんでしょ?」
K「ええ、多分」
G「たぶん?(すでにこの言葉に恐れがついている)」
K「すいません、見てもらってもいいですか?」
と携帯を渡す。
G「うん…、あっちだな(左折、ではなく、右折であった)」

K「一生けん命地図は見て予習してたんですけどねぇ、すいません、濡れちゃいましたね。いやぁ、実はわたし、北とか南とか、そういうのよくわからなくって。」
G「……。」

K女史の「多分」はタブンに危険がいっぱいでもあるし(※三)、

※三 こんなことは都合、最後まで続くのであるか…

ナビを頼むのも憚られるので、いいのです。
いや、ナビされるより、いいのです。
勿論、ご本人も、そして仲の良い劇団の方々も「大丈夫?」と気にしてくれていた中ですから、ぜんぜん、気にしてません。ただ、聞きしに勝る、というだけです(笑)。
で、呉に着き、自衛隊の造船所辺りを走って、音戸の瀬戸公園へ。あまりの寒さと、人のいなさと、風と一時間に一本もないバスの時刻表を感じながら、「やっぱり車は正しかった」なんて話しながら、清盛像や、砲台跡なんかを見て回り、もちろん、口の減らないわたしですから「で、君は何をしにきたの?」なんて言いながら、今日の仕事は、車を借りてくれた、ということに集約されている。
K「そうですよねぇ、これ、Gさん一人で来れてますねぇ」なんてどこ吹く風。てか平和な会話をして、再び車を走らせる。
例の島に渡る橋「音戸大橋」(日本で最初に作られた、アーチ型らせん式高架橋←降りてくるのに、ぐるりと狭い中何周も回ることになる)、これはわたしすらも運転しながら目が回る、、、なんて思っていたのだが、「倉橋島」はコンクリート船(現在は漁港として利用)でちょっと車を降りただけで、芝居の中にある、山の上の感じをしりたくて、ただ、どこが良いのかもわからないので、先に「江田島」に向かうことに決め、走らせること三十分あまり、
生憎の天気で、絶景であるらしいところの瀬戸内は、まるで中国かの如くの墨絵のように、遠くは見通せず…今日の口癖のようになってきた「晴れていればねぇ」に

K女史曰く「わたし、結構、雨多いんですよねぇ。」

…なるほど。
わたしは「晴れ」の人である。今まで、これに負けたのは、「カミさん」(いつも)「Kさん」(宮古島)そして「K女史」全部、Kじゃないか…(み・な・さ・ま、他意はございません)
がんばれ、自分。
「早瀬大橋」を渡って、「江田島」へ入って、しばし。
わたしはわたしで、昼飯を食べるところ(わたしセレクション)まであと六キロ余り、

K「ちょっと、わたし車に酔いました…」

そういえば、口数が完全に少なくなっていた。
G「え、安全運転できているけど…」
K「はい、それはそうだなぁ、運転上手いなぁと思ってたんですが、なんでしょ、さっきの橋で、グルグル回ったくらいから、だめで、言うべきか悩んでいたんですけど…」
G「(それは乗ってすぐじゃんか)それは言いなよ、大丈夫?」
K「はい、大丈夫です、…たぶん。」

G「…たぶん…」

まだ、実際のところ、どこにも着いていないのだが…
昼飯すら食べられていないのだが…
外に出ようにも、冷たい雨がふっているし…
先が、思いやられるとは、こういう時に使うのだ、ということを実感させてもらいながら、今日に限って「実感はちがうところ」でなくてはいかんと思うのだ。
つづく。。。。のかなぁ
(これはご本人に、「書くよ、面白すぎるから」宣言をした上での、全くの創作です(嗤))



2010年03月24日(水)



 広島取材。

朝十時の新幹線で一路広島へ。
大阪行きをさんざんに繰り返しているので、慣れているつもりも、時間の配分が大文と違う。
大体、名古屋を過ぎ、まもなく京都のアナウンスを聞いて、資料などを片づけ…
というのが体に染みついているので、
今回は、慌ただしく借りたり買ったりした、資料や映像やなんやらを、どうしてもそこで片づけようとする自分がいて笑う。
慣れとは恐ろしいものだ。
しかしこの何日か、どうしても「原爆」関連のものに目を通さねばならず、流石に疲弊気味。
余程知っているようで、知らなかったことの多さに愕然としたり、
裏の事情にびっくりしたり、
「平和」を謳いながらの「残酷さ」の提示に少し(もちろん、わかりますけど)食傷気味。
どんな仕事も大変なのだけれど、
ちょっと、意味合いの深さが違うかもしれない、
そのことに引っ張られる自分も含めて。
広島着で、ホテルチェックイン、同行の制作さん(K女史←Kさん、と書くと、誰かと混同(コンドウ)するので)とすぐその足で、
被団協の代表の方にお会いする。←「島」に出てくるキャラクターのモデルとなった方。
色々な経験談や、今の活動について聞いたあと、
「島」を読んでどうしても「想像力」では補えない部分について、いくつか質問させてもらう。やはり、「人と対面」して聞くのは、文字情報なんて比にならない。
作品の腑に落ちなかったところやなんかが、しっかり繋がっていったりする(頭じゃなく体、かな)。
改めて「過去の遺産」として扱うのではない、
ということを思う。
お話すること二時間強、その足で原爆ドームと平和資料館。
実に久しぶりに。
ま、わたしゃノンポリなわけですが、
本当に「平和」という言葉のあり方を考えてしまう。(何に対しての「平和」という言葉なのか)
ドームが思いのほか、小さい印象に驚いたり、
大通りに面しているのに、そこに足を踏み入れただけで「静寂」がある感じ。
平素から「遺跡」というか「廃墟」好きの私だけど、
ある瞬間から、無理やり「遺跡」にならざるを得なかったものの存在感というものは、、、
(その後取材をさせていただいた方は「あれがあるから、過去の空想のような出来事にならないでいる」と仰っていた)
風化というものを感じるものと、
風化という形にしてはいけないもの。
うーん……

生憎の雨で、外は寒い。
で、夜は地元の新聞の記者さんと、ちょっと美味しいモノを(瀬戸内の魚と、そりゃあ広島ですもの、牡蠣)食しながら。色々な話を。
いやぁ、美味。
一日で吸い取られるエネルギー補填(汗)

明日は、制作のK女史と、なにはともあれ、わ・た・し・の・う・ん・て・ん・で(笑)島めぐり。ロケーションと、空気と、匂いと、などなど感じてみたい。
が、明日も生憎の雨、らしい。
というか、明後日も、生憎の雨、だそうだ。
わたしは晴れ、なんですけどねぇぇぇぇ



2010年03月23日(火)
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