再生するタワゴトver.5
りばいぶ



 いや、暗かったもので

朝五時、起床。

つか、暗い。
そりゃ朝陽を見るのだから当たり前なのだが、
つか、眠い。

最近あまり体を動かすことをしていなかったせいもあるし、初登頂の気分的昂揚で脳内にドーパミンだかなんだかが多く分泌され、あまり疲労があることに気がついていなかったこともあるんだろうが、
これは、きっと、「明日」「筋肉痛」だ。

電話が鳴る。
「どーしますか?」
と、ガイドさんの声。…律儀な人だ。
「晴れますかね?」と、わたし。…横柄な人だ。
「多分、まちがいない。」と、ガイドさん。…日本語としてはおそらく、併用してはいけないと思うのだが、責任の所在を不明確にするためにも、はたしてそんな深いことを考えた上なのかは定かではないが。

即出発。

昨日、日が出てから向かった方向へ。
驚いたことに、もう、町は動き出している。
病院には長蛇の列、自転車が行きかい…

アンコールワット到着。まだ、暗い。
空は、うっすら雲が…
アンコールワットの外堀をわたり、中へ。
そして、壁沿いに、アンコールワットの五塔が見える所に座り、待つ。
たくさんの人たち。
特に日本人。
ガイドのモニさん曰く。
「日本人、朝陽好きですね。」
…彼らにとってはとりとめて、ということではないのだろう。
…日本人だって、毎日朝陽を眺めてるわけじゃないのだが。

雨上がりの朝の空気、心地よし。
だんだんと明るく…
今の季節は、塔の左側から朝陽が上がるのだそうな。
空の雲も、明るく照らし出され…
そんな私にまったく似合わない幻想的な、神々しい景色の中、
……。

ガイドのモニさん、隣にいた別のガイドに笑われている。
そしてもともと目をあわせられないシャイなモニさんではあるのだが…
極めて恥ずかしそうに
「いや、暗かったので…、朝…」
と、足元に目をやる。
「暗かったものですから…」
朝陽はあがってくる、明るさもどんどん…
そしてモニさんの足元には、
茶色と、黒色の革靴が片方づつ、履かれている。
「いや、暗かったので……恥ずかしい……」
周りの一群、日本人、カンボジア人、ヨーロッパ人まくなし、微笑ましく笑う。

そして、

「見終わったら、車まで戻ってください」
というと、一目散でいなくなった…

そりゃ、昨日来たから、別にいいけど。
おいていくのかよ!(笑)


朝陽、素晴らしかった。
が、なにかに負けた気がする。

たっぷり堪能させてもらい、車へ。
そこには、両揃い(こんな言葉を使うのかさだかでないが)の黒い革靴を履いて、やはり照れくさそうにしている男が…

「いや、勉強になりましたです。これからは、もうしません。」


このモニさんとドライバーさんとは、今日の夕方でお別れだ。
のんびりしている…


2006年09月14日(木)



 閑話休題。仕方ないのだけど。

どこに言っても、
売り子だらけだ。
群がる。

つったって、子供のね。
物乞いとはちょっと違うけど、そんな感じ。
ミャンマーのほうがひどかったかな。
わたしの場合、ほとんど日本人に見られることはないのだけど(なぜか)、さすがにパスも下げてるし、日本人専門のガイドさんついてるし…
日本人であることを、あんまりいい気持ちじゃなく痛感する一瞬。

片言の日本語で、民芸品とかもって。
「いちどる、いちどる」
「じっこでさんどる」
「ひゃくえん」

冷たくもしたくないんだけどねぇ、きりがない。
それで買ってあげちゃう人がいるから、増えるわけだし、
勝手にガイドしといて、金をせびる子には会わなかったけど。
ガイドさん曰く、村を回って、簡単な言葉を教えてる人がいるらしい、ボランティアで。

そんな中、一番の言葉
…いらない、と毅然と言った後の一言…

「いちどる、わたしにとってのいちまんえん」

…なんて捨て台詞だ…
そりゃ、経済事情考えたらわからんでもないが。
思わず振り向いちゃったじゃないか。

そして思う。
「いちどるはわたしにとってもいちどる」
日本人、みな、金持ち。
←幻想
…わたしの経済事情…



2006年09月13日(水)
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