小説の構想やら更新予告やら短い話やら。
誤字脱字やら単語が中途半端に途中だとか色々あるけど気にしない。

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気狂いのみる夢
2003年09月16日(火)

「ごめんなさい」
 嗚咽を含んだ声が、何度もそう呟いているのが聞こえる。繰り返しているのは小さな子供だ。オレンジがかった髪が、しゃがみ込んで俯いた子供の顔をかくしてしまっている。子供はこちらに気付かないのか、ひたすら何度もごめんなさいと繰り返す。
 あれは幼い頃の自分。そう認識すると同時に自分の手が濡れている事に気付いた。見ればそれは血だった。しかもそれは自分の血液などではない。まだ生温い血に驚き、足下を見るといつのまにか血溜まりが出来ていた。
 血溜まりをもっとよくみようとしゃがみ込むと、なかから音もたてずに葉が生えてきた。否、正確には花が。それはゆっくりと伸びるように出てくる。血に濡れた茎が、葉が、蕾が。肘から中指の先程の長さまで伸び終えると、蕾が開き始めた。なかから現れたのは黄色の花。
――菊、だった。


 開いた花を観た瞬間、なんとも言い難い怖気が瞬間的に背筋に走った。
思わず声をあげようとすると、いつのまにか先程の子供が花をはさんだ向う側に立っていた。ごめんなさいという声は止んでいる。
子供が口を開き、こちらをみた。大きな硝子玉のような目と目があった。目玉に自分の姿が映って見える。子供は表情を変えずに言った。
「ごめんなさい」
 瞬間、子供が菊を血溜まりからもぎ取るように引き抜いた。血が吹き出して彼も自分も血に濡れる。子供は表情も変えずに菊を後方に投げ付け、菊が生えていた場所を凝視し始めた。
 子供の視線を追うように、菊のあった血溜まりに目をやると、小さく音をたててなにかが生えてきた。
 白い。白い指。生えてきたのは手。腕。遅くもなく早くもない速度で、誰かの指先から肘の少し上までが血溜まりから突き出すように生えた。女のものではない。それは男。少年の腕だ。しかも直感的にそれが誰の腕なのかわかった。子供のものではない。自分のものでもない。あれは、あの腕は。
そう、あれは。
――あれは亜久津の腕だ。


 自分があげた悲鳴のような叫び声で目が覚めた。思わず飛び起きると、涙のかわりに顳かみから汗が伝い、毛布に落ちて染みた。ソファーは寝汗で湿り気を孕んでいる。
 心音が恐ろしく早い間隔で鳴っていてうるさい。たかが夢だといいきかせながら瞼をふせて一呼吸すると、もう一度目を開ける。開けっ放しだった窓から入った風でカーテンが揺れるのが視界の端にうつり、なにげなくそちらを見る。
 テーブルの上には母が置いたらしく花瓶があった。そしてあつらえたようにこちらにむけられた、菊が。
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なんかどっかでみたような話っつーかありがちっつーか…。
これは海馬のほうがよかったかなぁ。
毛布に落ちて染みた、まででよかったかねー。

つまんなくてごめんなさい……もっとゾっとするようなのとか、夢の意味とかに基づいて書ければいいけど知識も技量も足りない…。


ていうか気付いた人もいるかもですがアンソロ、こんなの書こうともしてました。さすがにどうかとおもったのでやめましたが。
可愛げあるものを書いてますよ…(監禁に話がそれそうになったけど…/笑)

だってなぁ…こんなんじゃなぁ……アレなうえにあんまりゴクアクとは思えないよなぁ……。




2003年09月12日(金)

理由なんて、多すぎて一つにはできない。


「なによりも俺はお前が一番大事だよ」

嘘。

「愛してるんだよ」

無意識のうちに体が動く。求めるように腕が絡み付く。
強請るように自分から噛み付くようにキスに答える。

目眩が酷くなって瞼をふせる。
「好き」
繰り返し、繰り返し、息も絶え絶えに唱えながら深く深く口付けを交わす。

 ――嗚呼目眩がする。
きっと今この体には彼の毒がまわっている。
次に目が醒めた頃にはまたこんな事を繰り返すのだ。飽きる事なく何度でも記憶を消して。

何度でも何度でも滑稽なぐらいその甘さに酔って。

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2003.08.30


こんなものすら今は書けない。




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