短いのはお好き? 
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2005年01月13日(木) sawa


どこかの知らない誰かさんとサワが、渋谷のセンター街で手を繋いで歩いていたのを目撃したぼくが受けた衝撃は、生やさしいものではなかった。一瞬、目の前が真っ暗になった。
それに、腰が抜けるという表現があるけれども、ちょうどそんな感じで自分では前に進もうと足を動かすのだけれども、ぜんぜん身体が動かないという実に変な感じなのだった。こういった状態をぼくはずっと以前にも一度だけ経験したことがある。その時には恐怖に駆られ腰が抜けてしまったのだけれど、今回は、あんなにぼくのことを愛していてくれていると信じていたサワが他の男と手を繋いで歩いているという、どうしようもない現実をぼくは俄かに信じたくはなかったし、実際心のなかでずっとこんなの現実であるわけがないと否定しつづけたんだけれども、いくらなんでもこの現前を削除できるはずもなく、ぼくは逆にサワのことをぼくの中からdeleteしてしまおうとしている自分に気付いて愕然とした。この現実を受け入れなければ、ぼくは死ぬしかない。サワのことが死ぬほど好きだからこそ、ぼくはサワを忘れなければ生きていけないからだ。


このぼくの物事がうまく運ばないとすぐ諦めてしまう性格は、父親譲りらしいけれども、考えてみるとこの性格が災いして困ったことになることよりも、よかったことの方が多いのではないかとさえ思えるのは、時がすべてを美しい思い出に変えてしまうからではないだろうか。どんなに辛く哀しい出来事であろうとも、時というものがすべて風化させてしまう。ヒトとは忘れる生き物なのだ。死ぬほど好きだった彼女や彼との忘れることの出来ない恋の思い出だって、ヒトはいともたやすく忘れてしまう。ぼくは、サワとの思い出を一生抱き続けて生きていきたいと今は思っているけれども、時はそれを許してくれないだろう。でも、ぼくはいいことを思い付いた。サワとの思い出を心の片隅にある小箱にそっとしまい込む。サワとの思い出を風化させないためにも思い出を小箱に入れて鍵を掛けるんだ。まだぜんぜん風化していない恋の思い出を新鮮なまま真空パックしてしまい込む。



二人の思い出よ、永遠なれ。





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