2002年05月30日(木) : 中国もの

それにしても、オンラインで中国もの(もどき)を書くに当たって、何が問題かというと、やはり漢字の問題です。
使いたい字が常用漢字外で、表示されない漢字が結構ある。
今、悲しいのは、小麦粉とかもちごめで作られる蒸し菓子の漢字が出ないこと……。米へんに羊の下に一本加えて、下にれっかをつける漢字なんですけど。分かりにくい。「こう」と読みます。
この字を使ったお菓子が、これまた結構あるんですよ。悔しい、使えない。

日本で馴染みがある中国もの、といったら、大抵『三国志』『水滸伝』『西遊記』最近なら、『封神演義』ってところですね。
特に『三国志』は、もう、どうアレンジするかってレベル。
今更ですけど、何で、私、『華京騒動録』で、宋都開封をモデルに選んだんでしょう……。
原点は、陳舜臣さんの『小説 十八史略』の「開封繁昌記」を読んだからかなあ。
それで宋の都市文化に興味を持って、『華京』を作る直接のきっかけは、藤水名子さんの『開封死踊演武』を読んだからだと思います。
だから、昭怜は女優なんですね(笑)。でも、あちらの劉蘭姫みたいに強い女じゃないですよ、昭怜は。苦笑

宋という時代、あまり日本人には馴染み深くない時代でしょうから、宋っぽい「雰囲気」が出てるか、ちょっと分からないんですけど。
田中芳樹さんが『纐纈城綺譚』のあとがきで、「歴史状況とはまったくかかわりなく、固有名詞さえ入れかえれば唐の長安も宋の開封も同じこと、いうような作品は書けず」と書いているように(や、これ、歴史状況はあんまり関係ないんですけど)、宋をモデルにしていないと書けない、という雰囲気を持つ作品に出来たらいいなあ、とほのかに思っております。

まだ唐なんかは上記の田中芳樹さんのものとか、井上祐美子さんの『長安異神伝』とかあるけれど。(しかし、「暁天の夢」に出てきた田舎者の青年・薛九が、薛仁貴だというオチにはやられた!)
古代は、宮城谷昌光さんが書いてますね。
春秋戦国時代。ああ、修士論文を思い出す響き……。

オンラインだと、やはり漢字がネックになるんですかねえ。中国もの。
後、時代の認知の低さかなあ。
そうそう、宋代と言えば、田中芳樹さんの『創竜伝』12巻がまさにそうじゃないですか。あんな感じなんですよー。



2002年05月29日(水) : やっと……

『華京騒動録』一話の二が出来ました。
冒頭部分は、大分前に書いてあったんですけど。
資料ばっかり増えていくなあ(苦笑)。でも、まだ欲しいんですけど(……)。
この話の決め事は二つ。

それは、一話に一回は必ず、飲食のシーンを入れる。というのがまず。
ああー柴田書店の『中国食物史』、再版してくれないかなあ。何か、宋代の食べ物扱った本見ると、大体、これが参考資料に挙げられてるんですよねえ。
朋友書店から『宋代の料理と食品』ってのが出てるので、朋友書店まで行ってみたら、置いてあるかなあ、これ。でも、あそこ不便だからなあ……。
私、何故か食べ物の描写が美味しそうな小説って、好きなので(笑)。

次、何があっても、注釈以外にカタカナ語を使わない。
そもそも、小説の中で、あまりカタカナの外来語を頻発すると、ひどく安っぽい印象になるんですけど、特に、『華京』は歴史ものっぽいお話なので、カタカナ語を使うと、そこだけ「浮く」気がして。

それにしても何ですね。NNではルビのタグって使えるんでしょうか? IE5以上なら、ルビタグ有効なんで、いちいちカッコ書きで読み仮名ふらなくってもいいんでしょうが。
どうしても、こういう中国もの(っぽい)の話の場合、読み辛い漢字が多くなりますから。
だからって、それ全部、ひらがなにするわけにもいきませんからねえ……。うーむ。

さて、この次は『Shadow Saga』が先になるか、『華京騒動録』が先になるか、分かりませんけど、あまり間を置かないうちに続きを書きたいなーと。希望(……)。 



2002年05月27日(月) : ここのメイン

フと思ったけど、ウチのメインって何なんだろう……。
本来なら、『フィルキス英雄志』の設定紹介がメインのはずだったのに。
何か絵を描きたくないっつーか、何だか描けないから、代わりに小説でも書くか、とゆー何ともいい加減な始まりだった『Shadow Saga』の小説。
……こっちがメインですかひょっとして。
元は9章の途中まで書いてあって、そこでずっと中断してるので(ちなみに、カインの過去が本人の口から語られている。9章は丸々カインの過去に当てられます)、「今の眼」で書き直して、ついでに完成できればいいなーとかいう魂胆だったんですけど。
調子に乗って、『華京騒動録』まで書き始めたはいいけど、テンションの違いに中断中のトホホ。

ああ、『フィルキス』……。一番描きたいのはこれなんですけど、話が長いし、いろいろとお話としてはオンラインでの公開はない、と思います。
でもせめて、メインだけでも「列伝」を上げたい……。
これに関連する「お遊び」が、そうでないと何時までたっても出来ない〜。もう、大まかにページが出来てるのに!(列伝を作れや……)

ところで、送信したらIEのエラーが起こりました……。
文章残ってたから良かったけど、酷いわ竜馬さん(パソ)……!!



2002年05月22日(水) : 「魅力的」な話

勿論、人の好みは千差万別であり、なかなか「万人受け」というのは難しいのですが。
多くの人に支持される話、というのはどういうものでしょうか。
まず、文章が読みやすいのは絶対条件でしょうね。とはいえ、コレは文章が平易でスカスカなこととイコールではありません。だってホラ、こういう捻くれモノがいますし(笑)。あ、コレは金もらう立場のプロの話です。
書く側が、「気を使って書いている文章」はやっぱり読みやすいでしょう。
それから、「バランス感覚がいい」こと? 色んな意味で、偏らない内容であること。
意外と、題材ってのは書く方の技量で何とかなりそうな気もします。多少、とっつきにくそうな題材を選んでいても、その描き方で、読む方の負荷を重くしないっていう。
書き手としては、「自分はこういうのを書きたいの。だから書くのッ!」てなもんですが、人情としては、書いたものはやっぱり読んでもらいたいわけで。そうすると、やっぱり読み手を意識しないわけにはいかないわけで。
やはり、たくさんの人が「面白い!」と認める話は、その辺、作者の自己主張が、読み手の感性を邪魔しない、バランスが優れているんでしょうねえ。
魅力的な話……それは、書き手にとって、永遠の憧れ。(少なくとも私は)



2002年05月20日(月) : 何だかなー……

『Shadow Saga』、とりあえず1章終わったから、『華京騒動録』に集中しようと思ったら、どうもシフトチェンジが上手く出来ないみたい……。
むっちゃ重い暗い話→明るい元気な話。
資料を買ってきた辺りでは、かなりやる気があったと思うんですが。苦笑。
それで、半ば不貞腐れ気味に、日記の改装などしてみたり。
季節の花、すずらんです。
すずらんは可憐な花なのに、毒持ってるんですよね、茎。
綺麗な花には棘だけでなく、毒もあるのか。怖。

もとい。
『華京騒動録』、タイトル通りに元気な騒がしい話に、ちゃんと出来るんでしょうか、私……。
タイムリーに新聞で開封発掘の記事とか見たんで、何とか続きを書きたいんですが。

うっかり、『Shadow Saga』の続きを書いてたりしたら、生暖かく見守ってやって下さい……。



2002年05月19日(日) : 『Shadow Saga』 Chapter-1終了(ネタバレ含む)

考えてみれば、この話を書き始めたのは、8年ほど前?
色々と至らない点も今以上にあったわけで、リメイクっても、手間には変わりは無いことを実感。
基本的には筋は変えてないんですけど、「ここってどうなのさ」「これはおかしいよなあ」と、後から見た目で訂正しました。
だから、結構削った箇所もあり、付け足した箇所もあり。

凄く困ったのがラスト。
ここがもう、何と言うか、原版では最後にレオンハルトが屋敷を燃やしちゃうんですけど。
冷静に考えたら、「それって火付け強盗……」と思ったので、屋敷はそのままにしました。
いや、それまでの行動も、ちょっと押し込みっぽいけどまあ、その辺はあんまり突っ込んでやらないで下さい。乗り込んでもらわないと、話にならないんで(汗)。
オチにもえらく悩みました。
で、結局あんまりごたごた書くのも何なんで、あっさり風味にしてみたんですが。

Chapter-1は、完全にレオンハルトがお話の主導権を握っています。
やはり、カインは「記憶喪失」なので、過去がはっきりしない分、どうしてもレオンハルトに焦点が当たってしまうんですよね。
レオンハルトは、色んな意味で「完成」されたキャラクターだし、頭がいいので(笑)、非常に動かしやすい。
カインには、徐々にスポットを当てていきたいです。

で、一応、ダウンロード版も作ってみたんですけど、どうでしょう?
不具合とかあればご連絡ください。
自分で実験してみた分には、何度やっても、勝手にファイルの中にフォルダを生成されて難儀しましたが、どうも解凍ファイルの設定だったようで。やれやれ。
一括表示用のファイルもあった方がいいですかねえ。「窓の中の物語」用に。要望があるようだったら考えます。

とまれ、『Shadow Saga』は一旦オヤスミして、次は止まっている『華京騒動録』の続きに取り掛かろうかと思っております。
お目当ての史料も買ってきたし!



2002年05月16日(木) : 言葉

ワープロやパソコンでものを書いていて、気になること。
それは、漢字変換。
最近のIMEなんかでは(ATOKはどうか知りませんが)、同音異義語の場合、簡単な辞書機能がついてますけど。

誤用がね。多いんですよ……。
よく見かけるの。若い、という意味での「じゃっかん」は「若干」ではありません。「弱冠」です。
本来、「弱」には、「二十歳」の意味があるんです。二十歳で一人前の証、冠をつける儀式を行ったから。出展は『礼記・曲礼』に「二十を弱と曰ふ、冠す」とあります。まあ、これはあくまでも「儀礼」としてのことですから。二十歳以前に成人することも珍しくないので、未成年に対して使う言葉、と拡大解釈しても、それは許されるかもしれません。
「若干」は、いくらか、いくばく、これこれの数、という意味です。

私もよくあるんで、あんまり偉そうに言えませんけど。後で読み直して、「ひー? 間違った!」と、慌てて直すことが、結構あります。もっと単純なので、「思い」というつもりで打ってたら、後で見たら「重い」になってたりして。
しかも、ウチのパソコン、所有者のせいで、やたら男らしい変換するんですよね(笑)。
でもこういうの、人に「漢字間違ってますよ……」と指摘するのも気が引けますよね……。友達相手ならともかく。

文章を書く以上は、やはり言葉も大切にして欲しいなあ。と思います。
思い込みは危険。
自戒モード。



2002年05月15日(水) : 自画自賛

謙遜というのはまあ、美徳であるけれど、あまり「過ぎる」と嫌味になったり、卑屈に見えたりしますね。
曲がりなりにも文章書きをしている以上、やっぱり出来上がったものは、出来たら多くの人に読んでもらいたいし、それについての意見を聞かせてもらいたい。それは文章を書く人に限らず、色んな形で表現物を創作している人には、共通の思いでしょう。

さて、そこで。
より多くの人に見てもらうための、検索サイトにおける「作品の自己紹介」。
これがあんまり謙遜してると、他人に「自分で自信ないもんを人に読ませるんかい」と思われるでしょうし、あんまり過大に「面白いよ!」とか言い立てると、「何か鼻持ちならんなあ」と思われるでしょう。
この辺、凄く微妙。だからってあんまり無難に書いたら、印象に残らないし。

今のところ、検索サイトに登録しているのは『Shadow Saga』だけなんですけど。
かなり以前からぽつぽつと書いていたこの物語、1章〜3章くらいまでは、リメイクのために読み返してみると、かなり「アイタタタ……」と思う箇所が多いです。
が。
6章からは「結構、面白いの書けてるやん」と、ちょっと過去の自分を褒めてみました(笑)。
多分、ノッてたんだろうなー。
いよいよ核心に迫る! って所だし。

ただ、そこに至るまで。件の「アイタタタ……」という所を、直す作業にちょっと詰まってたりして……。

でも、せっかく、長い間書いているお話だし、書いている以上は、少しでも多くの人に「面白かった」と言っていただける様に、頑張りたいと思います。
少なくとも、自分で「詰まらん……」などと思わない話を作るように。



2002年05月11日(土) : 歴史ものを書く

歴史もの。何も史実に沿った話でなくても、現代でない、過去の歴史を題材に扱った話。
これで、何が困るかって、何を何処まで説明したらいいか、です。
言葉一つでも、書いている方が分かっているからって、読んでくれる人が分かっているとは限らない。
だからといって、逐一説明してたらくどい。このさじ加減が難しい。

『華京騒動録』が遅れているのは、こういう理由があったりします。そもそも、自分が、論文に慣らされたせいもあるかもしれませんな。
論文というものは、推察でものを書いてはいけない。仮説一つ立てるにも、こうこうこういう文章がこういう史料にあって、こういう風に解釈できるから、こうではないか、という理由付けが必要なんですよ、論文には。
だから、学者が小説を書こうとしても理屈っぽくなって、面白いとは言い難いものになっちゃうわけです。
いや、自分が学者だなんて言いませんよー?
大体、私は東洋史を専攻してましたけど、専門は中国古代史で、宋代にはほとんど素人なんですからー。
だから余計、難しいっつーか。

歴史ジャンルというのは、やはり興味を持った人が読んでくれるジャンルなのでしょうが。あまりに知識を前提とした書き方だと、そのジャンルに足を踏み入れたばかりの人にはワケわかんないですしねえ。
いちいち説明してたら、本筋がどっか行っちゃうだろうしなあ……。テンポも悪くなるだろうし。
うーん難しいなあ……。やっぱり、客観的意見が欲しいッス。



2002年05月09日(木) : ネーミング

いや、キャラの名前じゃなくて、アイテムの名前。

実は、私はめっぽうこれが苦手なのです……。
やっぱり、ファンタジーものの主人公とかには、カッコいい名前のアイテムを持たせてやりたい親心じゃありません?
神話とかに出てくるああいう武器なんかの名前、一体どうやって名づけられたんだろうなあ……。
ケルト神話の銀の腕のヌァダの応酬丸(アンサラー)なんかは、そのまんまやんッ! というところですが(笑)。ところで、アンサラーはルーの剣とどっちが正しいんでしょう……。
ケルトだけで言っても、ク・ホリンのゲイ・ボルグとか。ルーのブリューナクは「貫くもの」だっけ? ケルト関連で言えば、アーサー王のエクスカリバーも。エクスカリバーに関しては、これはアイルランド語で、ウェールズ語に直すとカラドヴルフ、つまりカラドボルグ、「硬い稲妻」という意味らしい。
北欧神話の雷神トールのミョルニルは「粉砕するもの」……これもまんまですな。オーディンのグングニルは有名ですよね。ヘズのミストルティンとか。シグルズ(=ジークフリート)のグラム。ワーグナーの『ニーベルンゲンの指輪』ではノートゥングって言うんでしたっけ。あれ? その父親のシグムンドの輝く剣は何て名前だっけ……。北欧関係はアイテム名が充実してますね。RPGなんかでも聞く名前が多いでしょう。ラグナロクを告げる角笛ギャラルホルン、首飾りブリーシンガメン。ん? そういや、バルムンクも確か北欧神話。
日本でも、スサノオノミコトの天叢雲剣とか。

ファンタジーで言ったら、ムアコックのエルリック・サーガのストームブリンガーしか思いつきませんが、あれのモデルは北欧神話に出てくるテュルフィングだとか。

そういう意味では、北欧神話やケルト神話が、現在の所謂ファンタジー作品の原型になってる部分があるのかもしれませんね。

アイテム名って、そりゃ流用してもいいんでしょうが。何かやっぱ他でも使ってるし、使いまわし? ……という気がするんですよね……。
だからって、今更ですが聖剣“慈愛(べネヴォランス)”ってどうよ?と思うんですけど。苦笑
何かこれは人間の名前つけるより、本当に苦労。
いいアイディアって無いもんですかね……(他力本願)。



2002年05月08日(水) : テーマ

テーマなんて決めているうちは三流だ、という話もありますが、ま、それはプロの話。

テーマを決めておくと、話が予想もつかない方向に転がりだしても、戻ってこれる原点になると思います。
ちなみに、『フィルキス英雄志』は「生命」です。『II』は「解放」、『III』は「絆」。
『Shadow Saga』は、「魂の救済」…………暗い。
が、つい最近気付いたことなのですが(……)、『Shadow Saga』はもう一つのテーマがありました。
「人間と人ならざるもの」でした。
あんまり言うとネタバレになってイヤンなのですが、とりあえず、この話は一番いわゆる「ファンタジー」らしい話ですので、人じゃない存在が結構ごろごろ出てくるのですね。で、人と人じゃないものの関わり。

唯一、『華京騒動録』にはテーマもへったくれもありませんが、何となく宋代中国(風)の活力が伝わればいいな、と。

多分、テーマはその話で自分が一番書きたいこと、伝えたいこと、だと思います。
どういう話を書きたいか、でテーマを決めてみてもいいんじゃないかと。









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