『 hi da ma ri - ra se n 』


「 シンプルに生き死にしたかった 」


2010年06月30日(水) あかいろが憑いてくる。


あさからつらい
出掛けの激しい怒鳴り声を忘れるために、じたばたと
あたしがひとり、がらんどうの家のなかですること

やわらかなぬいぐるみに鼻をすりよせて
ひたすら小さなものがたりをよむ。

そのなかに没入したらくるしいのは忘れられる
沸き上がる傷をつくりたい思いをあっちこっちにおしやって
焦点を合わせず見ないふりしてたら陽炎みたいに消えてくれると
あれはほんとのことじゃないんだと
思いこみたくてすり替えたくて
あたしとちがう人生やせかいのなかに次々とびこむんだ
忘れられたら、これ、さいわいにて…

こころの表面をまっすぐ
走っていったあなたの怒りがからだの表面にもあらわれたがる
なんで、どうして、一直線の切り傷がちらついて歯を食いしばるんだ
あかい血をほしいわけではない
もし、さっぱりするとしても…流さずにくるしめ
その痛いをちゃんと痛いと、こころで感じとれじぶん
復讐みたいに当てつけみたいに切り傷がなるから、それだけは駄目

いまはだめ、いまはだめ、いまはだめ、いまだからだめ

そもそも、ふと、思うまま口にだしたじぶんがばかでした。
ここに、あたしが、いるのかいないのかわからないことは
あたしにはふつうの感覚だけど、あなたにはそうでないということ
ときおり、言い募って、ばかをみます
じぶんがどれだけばかなのか
そのたびに、喉の奥につまって膨れます
なんと言えばいいのかわからないことばが
いや、伝わる表現のしようがないきもちが
ふくらんでふくらんであたしを占領していき何かをこわす

ひめい
いみのない音のさけび
隣家に気をつかいながら
半端な嘔吐

ちらつく幻影を見ないように見ないように
食い込んでくる楽な道に行かないように
だれもいない部屋をぺたぺたとあるく

たすけての言い先がわからない
みんなみんなまぶしくて目がくらむ

あたしいらない

そうぼんやり言って、なにかいいことが起きるわけもない
窓のすきまから夏のあおそら、しろくひかってた

きらきらだ




2010年06月29日(火) くるった時計のなおりかた



ゆがんだ時計を

あたしが投げた

歯車は飛び散って、正体をなくした

針なんてもっともっとするどければいい

一枚きりのワンピース

しろいきれのちぎれる音もひそかに

ちりぢりになっていく、ひとひら、ひとひら

むきだしのひざを腕を肩を、あたしは覆うけど

腕は、二本しかないからだから

きみを抱きしめたらのこらない

もう、いいよね?

部屋中にひろがったかけらが足を刺すとも

別に


雨だれの気配に耳をすます

だれの手もとどかない水のふるなか

泥だらけの足で

いつか

そらをむく


はいいろにひかる、みながにくむそらを、うでをひろげて


そらにふれる、そんなときばかり

なぜ、いるのか

わかる気がする日もくるでしょう

叫んだとて吐き出せない空洞のくろさが

溶けて、のぼっていく

それまで眠っていたいとこぶしを叩きつけるけど、まだ

ゆるされないね


雨ふりがいい

みながいやがる水がいい

かわいたのどでぜんぶぜんぶ

のみたい




梅雨、くすんだ朝、
桔梗が咲いて
あたしすこしやすらかになる



2010年06月15日(火) 抱きしめる腕はだれのものと不安がしずかにさけんでいる。

活字で、まぎらわせないこと



疼痛

出どころのわからない、焦燥

急におそいかかってきたひとりぼっち



これから、しばらく…いつまでかわからないしばらく

だれにも

言葉をなげられないことに気がついた夜

パートナーにも口をふさいで、わらってた

苦しいに締め上げられても行くところがない穴がない


どうしよう

こわい



あたしほんとうはあかちゃんがほしかったのだろうか

あたりまえみたく、みんなが次々に手にいれていく小さなおとこのこやおんなのこ



あたしはあんまりこどもだから

だれも、抱き上げる資格はないと思い


……人形劇みたいな、でも現実、が目の前をとおりすぎていく

参加している気のちっともしない、めまぐるしい映像がびゅうびゅうと走っていって


あたし

こうしてうすくなっていくのだろか



2010年06月01日(火) 一行独白。


さけべないことが、たぶんおおきな問題、なんだ。



a ka ru i hi ru ma .


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