『 hi da ma ri - ra se n 』


「 シンプルに生き死にしたかった 」


2006年03月22日(水) 病後、病中

片目をふさいで、そとを、みる
どこにあるとも知れない沈丁花が
鼻先を、つよく香り

ああお別れの季節だ。

しずかとは言えないこころもちで今を迎えて
腫れあがったまぶたとか抜けたまつげが、時間の推移を
からだにとどめている。

三度目の嵐は過ぎたけれど
こころのあらしはときどき起き上がり
また吹き荒れてあたしを蝕みます。
月が欠けるならいいけれど
世界が片端からぼろぼろと欠けてゆくのは
そうして、自分のきのうやあしたがどこにもみつからなくなり
半狂乱の姿を抱え込んでうろつき

ああ私がゼロになる
どこにもなにも見えない



……ものすごく長い二週間のなかでよくわからない混濁があって
もう
ほんとうに
生きるとかしぬとか、そんなのは
つかれたよとそれだけを
しみだすように感じて

前のことを忘れてしまった。
あったかいもののことや
きれいなもののことや
そういうことを吹き飛ばして

どうやって生きていったらいいのか
わからなかった
思い出そうにも
なにもなかった

暴れまわる耳の奥底に染み付いた声のひびきとそれから
つきまといはなれない足首をつかんで離さない
し、というどうしようもない絶望でもって
どこへでも好きにあたしを引きずり振り回してて

ああきっとあなたはこんなふうに世界を感じていたんだろうと
遠のいてくるしいだけになっていく重い重い視界を、一秒ごとに
歯を食いしばって続けて
それが人生で、、、

「それでも、いなくなられたくなかったの」

後悔はふかく切り込みを入れて注がれました。
傷口は縫い合わせることができなくて


涙が出るうちはまだよかった。
これからさきは
泣けなくて、泣けなくて、泣けなくて
服も重くて

いままでのじぶんがおもいだせない。

どこへいけばいいんだろう。


春を
にくみそうになる
この勘違いしたあたまで



3月22日



2006年03月17日(金)



ちからをください




2006年03月15日(水) また、また、また。

すこしずつ重たい背中で
ああ、ああ、いいながら
でも暮らしていたら
またまた、くらいに
ヘルペスさんがやってきて
しまいました。

今度は顔までもか。

いつ起きていつ食べていつねむるか
よくわからないままばくぜんと時間をすごして
ケイタイデンワの着信音にだけ飛び起きて反応する
そんな、日とか、日とか、、、

よりかかる肩がほしいのに
きみはとおくへ
ほしいのに
あなたは永遠にサヨナラの崖っぷち


3月15日、夕刻



2006年03月12日(日) しかい

目が、さめるとね

とうめいな紅い水のなかに

いるような気がする。


考えても、考えていなくても

眠りのなかでは、たぶんとりつかれたように

感じ続けているんだ、と

ぼんやり思う。


朝の青のなかでも

夜の暗がりのなかでも

透明な赤に覆われて

あたし、目がさめて。



3月12日、早朝



2006年03月10日(金) 夢の行き来

ぼーっと起きてきて
吐き気と寒気と腹痛と
三点セットでうちのなかを移動していて

おひるごはんのきゃべつをかじりながら

兄が無防備につけたテレビの
ニュースから流れてきたいちばんめの単語に
全部を破られて

あああと泣きじゃくった。

顔を叩くのや低温やけどや
涙や涙や涙なんかが重なって
ひたすらブスな顔をしてる

開始三度目にしてバイトを休みました
昏々とねむって目がさめたら
真夜中でした
以下、くりかえし


なにもやくにたたないのをよくわかっていて

今はどうすることもできないのはよくわかっていて


沈んでいく
この淵はなんなんだろう
直後、よりも曖昧な
この頼りない足場とか崩れていきそうな
手の中のかたまりとか

背の立たないプールのなかで
その縁につかまる手をだれかが引き剥がし引き剥がし
そんなのと闘っているみたいな
小さいときひどく怖かった
近所にある、底なしの池みたいな


ねむっていると捨てられた夢をみる
あのひとやあなたなんかに捨てられた夢をみる
でも
それでも
目がさめたときにゆるゆると思い出すいろんなことより
マシなのかもしれない

いつだったかあたしが
血の色をしたお風呂場の中で
べったりとねむってた
それは昨日のどこかでみた夢で、でも
凶器もきっかけも
手のなかに見つかっていて


気がついたら
ころがるころがるなみだで



3月10日、昼



2006年03月09日(木) 三日。

変にどこかが冴えた意識かかえて眠り食べ眠り食べ

夜がきて朝がきて
電話に跳び起き

じわじわと重くなっていく
夜がきてもあのひとの心配をしなくていい
眠れたかも
淋しがっていないかも


残酷。


あちこちの痛みだしたからだを
おふとんのなかにじっと置く
ふうっと意識がとおくなったら
あのひとの記憶を鮮明にみた


ああ

夢じゃない

引き戻されて頭を抱えた、
涙が出ない
てあしが
もう
いやだとうったえてる

これ以上誰もみおくりたくなかったのに
ひきさかれたくなかったのに
なくしたく
なかったのに




みんないなくなる




2006年03月07日(火) 線をこえる。

また、ゆかれてしまいました




………それくらいしか綴れることがありません。


ごめんねあなたにおいつけなくて
ごめんね
そばにいられなくてごめんね
とめられなくてごめんね

後悔みたいなものが
降って、降って、


それでも物を喰ってねむる


かみさまはいじわるだとおもう
でもあのひとのために今は祈ろう
いっぱい


ないてないてないてうとうとねむって
めがさめたとき、夢だったらよかったのになあと
思った。それから目がさめなかったらよかったと思って
また、ないた。
夢じゃなかった。


ちらちら小さなあかり
じぶんで、吹き消しちゃったんだね
まちがいならよかったのに
そのつもりでなかったならよかったのに

日常の底で、否定したがるあたしがぐるぐるとまわっています


「天国があると信じられたらどんなによかったでしょうか」



2006年3月7日、夜



2006年03月06日(月) memo, plus...

ここ一ヶ月、情況の展開が速いので
診察がそれに追いつかない。
そうしてあたまも追いつかない。

いうべきことをぜんぶわすれた。
ねむれなくなった、とか。
不安と緊張で身体ががたがたである、とか。

味がしない
わけもなく泣いた
恋人に八つ当たりをし
午前2時に、電話をかけて人を起こす

泣かないために、寝床で、口におしこむビスケットとミルク
さいごにはタオル。

文房具屋さんにゆく。
刃物を
てにいれてしまえてにいれてしまえと
わたしのなかのだれかがいっている。
目をそらして
ゆき過ぎなければならないところの、多いこと。
コンビニエンスストアにさえ
鋭利なものは豊富なんだね。

ひとつ、血をみたら
際限がなくなる。
ぎゅっとかたく腕を抱いて
知らない知らない知らない、と
夜の中で。

ぜんしんをくまなく覆われなければならない、なんて
だれがどうやってきめたんだろう。

でも

……わたしは、わたしに、きずがあって
それでやっと、あたりまえの外見になれたと
おもっている。

もっと、もっと、もっと、
まだたりないまだたりないまだたりない
だれかとめて。

泣かない。

笑う。

・・・・・・・・・・

まっすぐにふとんの上をすたすたと歩いていって枕をふみこえて
そのまま窓を開けて夜の中に躍りだしたいという、
ささやかで強いイメージと欲求。

・・・・・・・・・・

風が吹いている。
はるのかぜ。
あたたかいようなぬるいような、はる。

引き裂かれていく季節だ。

地面を樹皮をつきやぶって緑が顔を出す。
わたしのからだもつきやぶられていく。
たぶん。

・・・・・・・・・・

やむをえない事情で部屋を片付けなくちゃならない。
少しずつはじめている、
「あたしの巣」?

自分の外側が、いちまい、にまい、
きりひらかれ剥かれていくような気がしてならなくて
でも、それを誰にもいえなくて

せめてその英気にあふれた母の手でひっかきまわされないように
だいじょうぶだからだいじょうぶだからおねがいだからと
懇願して嘘をついて
やせ我慢をして

泣きながら
私の外皮
削り取ってしまう覚悟を
かきあつめて


3月6日、昼



2006年03月04日(土) 珊瑚鳥

たくさん、みてた
かぞえきれないくらい、みてた

あの海や
そらとか
くりかえされるきりがない音

もういちど、立ちたい。
ひとりでいいから
空想でも反復でもなくて
もういちど。

太陽がしずむからあの雲は日色に焦げた
びょうびょうと吹く風で波はどんどん渦巻いた
あたしがそれをみてて
いつまでもみてて

優しいうたも激しいうたもみんな
あの場所からもらって

さわさわさわさわ
みどりいろのさとうきびの森
途切れたところが白い浜辺
あおすぎて黒いような空も
珊瑚のすけてみえる海も

時間を気にするあなたもいなくて
もうひとりでいいから

いつかこの中に棲んでいた
それなら
涙もぜんぶ、すいこんでとけて
たゆたうでしょう?

不自然なかたちに顔をゆがめて
軋むみたいなからだを抱いた。
降っている水が冷たいから、それだから
わたしはなんにもかんじない

いつか
たぶん
この洪水にながされる前に

空想でない海と空と雲と嵐と
それから、あのふかいふかい、とうめいな空気



2006年03月01日(水) 青い朝、雨

つめたい腕
また、今日の日がきた
わたしがぬぐう
隙間なく結露した窓のむこう

朝。

にぶい頭痛と吐き気と義務と
保証されてない抱擁
小ちゃなキス

朝。

もしも願いがかなうなら
かみさま
古今東西のあらゆるあなたと
あたしの信じているあなたへ

この
つきまとい離れないうすぐろいものに
打ち勝って、あたしが
夢語りを笑いながらしなくていいように
朝の青を
うつくしいと思えるように

祈り
絶たれ
祈ります

白旗を掲げて珊瑚の島の海をみた
そして、笑いながら焼かれた
そんな夢に、醒めた朝に

一瞬の
あお



朝、Ma.I


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