『 hi da ma ri - ra se n 』


「 シンプルに生き死にしたかった 」


2005年10月31日(月) 万聖節の前の日に

ああ、日記は続いていたのだなあ
とふと思いました。
心根だけある実際の生活は見えない綴り。
それくらいでしたよ、身体の苦しさなんて
たぶん。

現実の私がその合間合間になにをしていたかと言うと

寝て
ごはん食べて
スキンケアと
……病院?

おしまい。

送り返されてきてから二日後に
痛い発疹ができました。
どんどんひろがってゆきました。
なんだかびりびりと痛かった。
あーあ、と思って定期外通院、をすると
ひとめ見てセンセイは
ヘルペス!と、言いました……やっぱり。(T_T)

抵抗力が下がってるのよー
とか
感染力が強いのよー
とか
アトピーのひとは重症化する傾向があるのよー
とか
栄養ちゃんと摂るのよー
とか
色々言われています。

たくさん食べると熱がでてアトピー発疹が現れる。
どっちにいったらいいんでしょワタシ。
とりあえずよく眠ることと無理をしないことと
お薬を絶やさないことを気をつけているけれど
いるけれど。

沖縄に帰してもらったら
みんな治る気がするのになあ、、、

ほのあかるい窓の外に手をかざして
10月が終わるのをみています。

今月は

嵐のようにくるしくて
嵐のようにたのしくて
痛みでしめくくられた
そんな月だったなと……思いながら。

結局いろいろしんどいのに無理してやせ我慢したのと
やせ我慢ついでにほんとうに痩せちゃったのと
それでも遊ぶのをあきらめられなくて遊びすぎたので
身体が「もう嫌です」サインをだしてきた、という
それだけの話なのでした、が。

沖縄に行って、東京に二度行っただけなんだけれどなあ。
普通の仕事していたら外出頻度も体力も
もっともっとすさまじく膨大なはずなんだけれど。

現実。
せめて90分映画を見通せるくらいの体力は
あってほしいなと自分にねがう。
私のみつけた唯一の娯楽なので
取り上げないでください……と、ねがう。

「静かな生活」は2時間映画だったかな。

大江健三郎原作、
渡部篤朗と佐伯日菜子が主演、
ちっとも静かじゃないけれど
かなりすきな、映画です。




2005年10月29日(土) さようならと

私はもう自信がない

あのぬくもりをおぼえておくことも

きのうがほんとうにあったということも

夢の中のように消したいと
あなたが思うのなら

どうぞ消してくださいと
ただ
そっくりそのままを差し出すだけです

……私が
ひとりでゆくことができるのはせいぜい
いくつかある病院だけになってしまいました
そのひとつに今からゆくので
この文章にはもうピリオドを打ちます

おなじように
ピリオドを
くっきりと打ち
そうして

あなたを守り続けてください
私を早く早く早くわすれて
きのうを忘れて
なにもなかったならきっと
やすらかにあしたがやってくるからきっと

粉々になった思いははやく見えないところにしまおう。
実らずに終わった恋もまたおなじように
見えないところへ、鍵をかけて、どこかの水の流れのなかへ
さぶりさぶりとはこばれてゆくのがきっと
ただしいことだから

忘れない私を
忘れて




2005年10月26日(水) 砂糖菓子空笑

みなみのしまから帰ってきてから
やっぱり
ごはんの味がしないんだよ
たくさん食べると
吐きそうになるんだよ
あのひとのことを思うと
自分に切りつけたくなるんだよ、、、

誰の本もよめなくて
誰の文章もよめなくて
誰の日記もよめなくて

ただ

ことばだけがかたこととはきだされていて

ベルトコンベアーに乗ったちいさくて四角い砂糖菓子のように
かたかたと列は続きぽろぽろとおちていく

どこに落ちていくの
ねえ

威勢だけで生きているよときっと
わたしは言ってなきわらう
あのひとはあたしに何もできなくて
ただ、おろついている
肉親なんてはじめからいなかったわ
だから、あのひととわたしが恋したひとたちだけが
あたしの支えで生きる理由だったわ

そのひとつをなくすことがこんなふうに
破壊的なものだって考えたことがなかった
ばかなあたしは
これからきっとこうやって生きていけるんだと
信じていた

ずっと

せかいでいちばんにくんでいるひとがあたしの真横にいて
そうしてその指と手でいつまでもあたしを壊していけるのに
どうして
あたしを助けてくれる手をもったひとたちはあんなにも
みんなとおくにいるんですか
かみさま
それも、あたしが生きていけるかどうか
試しているその試験問題のひとつなのですか

全力でとりくまねばならない
じんせい、というなまえの

砂糖菓子の端が欠けて
あたしは
寒いなとつぶやく
裂けたらしい口の中が痛くて
くすりをのむために上を向くことも
水を飲むことも
ほんとうはつらい


でも笑いました

きょうも

相槌を打ってきょうもわらいました


できそこないだけど
まだ、ここにいてもいい?
すみっこにでいいから
ここにいても
あなたはゆるしてくれる?




2005年10月24日(月) よろしくない。

あたしはときどき東京へ行く。
月にいっぺんくらい、、、大好きなお洋服やさんとか
恋人さんに会うとかそういう他愛もない理由で
だけどこの平坦でうっかりすると消えちゃいそうな自分からすると
ものすごく重要な用件を抱いて、
東京へゆく。

土曜日に、荷物を持って、うちをでた。
あんまり体調よくないなと思いながら
でもたのしみをけせなかったから。

今回は用事が三つあった。
ともだちとごはんを食べに行くことと
お洋服やさんに入荷している小物を取りに行くことと
大好きな人形作家さんの個展を見に行くこと。

だけど
なんだか

はじめのひとつを過ぎたところで
あたしがおしまいになってしまい
丸一日以上横たわったまんまでいたあとに
全部の予定をキャンセルして帰ってきた、

というか

「おくりかえされてきた」

もうなんにも目に入らないで
東京の空はちいさくて色がうすくて寒そうだと思った。
沖縄に戻りたいなあとそうも思った。
カメラの中は、からっぽの日常が入っている。
記憶がこわれかけていて思い出せないから
撮らせてもらう、たいせつなひとの写真、おいしかったもの、
道端で見つけたすてきだったもの、そんなものが
おいしまいになったあたしには、もう見えなくて
ただ、寒い寒い寒いとだけ言い続けていて
そうして、唯一トラウマな夢を見て泣きじゃくった。
あたしは汚れていると泣きじゃくった。助けてといって
でも時間は誰にもさかのぼれないから、無駄な涙。

かえりみち。

これに乗れば強制的にうちまでたどりつける
電車のホームまで、送り届けてもらった
直前までずっと荷物を持ってもらっていた
ふらふら、よろけっぱなしだったから

午後を少しまわったくらいの電車は
ぬくぬくとしてとてもおだやかだったけど
あたしはうまく椅子に座れないで
ぐらぐらとしていた
新しいお薬の副作用とかいろんなものが
うまくかみ合いながら、あたしを遠ざけていく。

行くときに買ったミルクティ、
結局、ほんのひとくち飲んだだけで
傍らの荷物にそのまま入っている。
携帯電話の中には嘘とリアルが交互につまっている。
熱っぽい頭と
裂けてしまってひりひりする喉と
うまく定まらない視界と

よろける。

失格の烙印を押されたようで
かなしかった。




2005年10月21日(金) ココロネ

ときどき、泣きじゃくったりもするけれど

内側からばらばらと自分が
こわれてゆきそうになったりも
するけれど

おくすりやはさみに呼ばれたりもするけれど

取り返しのつかない方法を考え付いて
ああこうすればきっとさいごになれると
夢想にふけっていたりも
するけれど

でも

でも

それでもきっとだいじょうぶだから

だから


しあわせになってね

しあわせになってください。


そうしていつか笑って会える日を
一生懸命想像することにします
ただ一匹の放浪猫は生きてゆくのがへたで
でも
あなたに拾ってもらえて、しあわせでした

ありがとう




2005年10月20日(木) 消えるもの、現れるもの

わすれていたきれいな音をきく

ちいさいころは、、、たぶん。からだになじむくらいに
ほんとうによくきいていた、きれいな音
反射的にカラダがうごいてステップを踏むくらいに
あたしのなかに住みついた


どうして忘れていたんだろう

そうして

どうして
もう
わすれてしまったんだろう

魔の時間がやってくる

くらいくらい

朝でも夜でもないの
ひとりなの
パパはいらない、あくまのかげをひきずってるから
ママもいらない、よそみしてあたしをいなくするから

四本目の足なくした
こわれた椅子だった
あたしがみつけた
もうかたっぽの脚は

どこへきえたの

あたしはここにいたんだろうか

あなたはちゃんとここに

ぬくもりをのこして消えたふりして
あたしがそれをおぼえてなくて

かききえたきれいな音みたく
そらなみだ、そらわらい、
あたしを守ってとねがう思いが
お守りばかりをふやしていく
こわいよ
ねえこわいよ
行くさきのない言葉がするりと飲み込まれた
そこにいるの、誰?
きいてはいけない
刃物もって近づいてくるから
話しかけちゃいけない
目を閉じて耳をふさいでできるだけちいさくなって

いないことになれ
いないことになれ

胸元を切って恋人にしかられた
なにがわるいのかあたしにはもう
わかることができなかった

首に突き刺したらもう
叱られることもできないと
そのことだけは、わかった

遠くへ行ってよ
こんなぐちゃぐちゃにたたきつけられる涙なんて
もう消えてしまってよ
どうしてあなたはあたしの毎日にそうやって
目覚まし時計みたいに登場するの?
たすけてくれる手のない時間をわざわざえらんで
ゆっくり近づいてきて覆いかぶさるの?

外が見えなくなる

たすけて



ちいさくかすれて



未明



2005年10月17日(月)

よむひとのことをかんがえたら
もう
なんも書けんなと
苦笑して

あれやこれやの日記帳について、思う



  私が消えれば
  私が消えれば

  楽になるでしょう?



恋人もともだちもとおくへ行ってしまった
否、わたしがとおくへきてしまった
きずだらけのからだをつくり
南の島のさらにむこうに恋焦がれてそのまま
ずんずんととおくへいくのを自分で止められず

懇願するなんて、ばかだよ
命令でいいのだ
こんな、常識をなくして浮遊する幽霊には
あしもとに縄をつけて縛り付けてそこにいろと
いくら暴れてもそこにいろと
正気をとりかえすまでそうするのが、ただしいような気が
あたしはしている

眠ったらきのうのことが夢になる
眠りたくない、眠りたくない、眠りたくない

だけど
目をさましているときにつきまとう
このイメージや息苦しさや寒さや不安や
そんなものから
できるだけ周囲を傷つけないように逃げ出すには
眠るしかなくて

夢ではなかったと
だれかおしえて
毎日のように飽きるまで
このばかものに伝えて
ぬくもりは嘘じゃないと
あたたかさは現実だと
いつか、ほんとうにおとずれるいつか
おまえのところに戻ってくるものだと
誰か、くりかえし
おしえて

鋭利な鋏をひらいて首筋あたりをすうっとなぜた
ああ
このままこいつを閉じてまるで鋭い槍のように
突き降ろしてやりたいと突いてやれと
あたしのなかのだれかがささやいてささやいて

………。

こんなばかものが生きているの
こんなばかもののまま生きている
気がついたら雨を見上げて
かなしいと子守唄をうたい、
ちいさなあかい血をみつける

ひえきったからだに少しだけ暖かな血と熱い傷と

それがいちばん身近なんて
あなたに言いたくなくて
でもそれから逃げられない
あたしで

ニライカナイには
ぬくもりはありますか

うつくしくあたたかな空は
みることができますか


もう何日青空を見ていないだろう
もう何日
世界をみることを世界を食べることを
拒んでいるだろう




2005年10月16日(日) 禁じられた


チョコレートをかじる

甘い、

そうして

痛い



やっぱり

さむいよ

わらえないよ

きれいなものがみえないよ

こころがとじた

そのままで


だれかこのぼろぼろの手をみてそれでも
顔をしかめないでつつんでくれるひとが

ほしかった




なんにもいうことのできないぼくがただ

むだに書き散らしてくたくさんの文字

チョコレートにきざみこんでがりがりとおなかのなかで

とかしてしまったら、

よかったのに。


あなたをしらなければよかった。


そう思うことなんてないように

生きていくつもりだった。





2005年10月15日(土) ひとコマを削り取れば狂気

切り刻みたい欲求にずっと付きまとわれている
どうしようどうしようどうしよう
逃げてくれない

朝一番にしたことはオクスリをのむこと
にばんにしたことは、、、はさみをもつこと
こんなんじゃ切れやしないと泣いた
そして鋭利な刃を見つけてまっすぐな線を引き
おちてくるしずくをみて落ち着いたんだ

くるってる

もう、おかしいよ



死ぬかわりに痛みを
消えるかわりに血を
ずっとずっとずっと
(ほんとうは消えたい)
(でも結構日さえ決められない)

そらわらいするわたしのなかみ
暴かれてしまったらどうなるのだろう

こんなことばかりで
ごめんなさい

なきたいひとはとおくにいて
なかせてくれるひともとおくにいて
そうして
自分のことで一杯だから
あたしは手が出せないから
できるだけちいさくちいさくなって
自分を感じないくらいになろうとする

眠り
眠る

ぼしょぼしょとふる雨の冷たさが背中からあたしを抱きしめる




2005年10月14日(金) 荒れ模様

ぶったぎってドコニデモイッテシマエと
じぶんをつきはなしめちゃくちゃにしそうな日は
もう眠るしかないよ眠ろうよ、眠ろう

抱きしめてくれる腕なんてないのは知ってる
もうあきらめた、もういいよ
なにもないふりしてあなたはそこにいて

今日もまた置き去りにされて食い尽くされた
いいようにされていくあたしの意識
ああはやくしんでしまうかいなくなってしまおう
その勢いでただ、、、言葉を吐き散らかす
羽散らかした言葉はきっと誰かの毒になっているんですね
ごめんなさい

ほんとうはあたしはここにいるべきじゃなかった
誰にも何も言わず
思い出すべきでもなかった



……でも、ねえ、パパ、なにもしらないあたしは、おいしかった?



吐き気がする。
いくらでも傷をつけよう。
クスリと熱でふらふらする頭で
熱なんてもっと上がればいいのに。
そうしたらきっと
少なくとも今だけはずっとずっと遠くへ
逃げていけるのに。

たすけておにいちゃん。

もういえない。

もういない。

錆びた武器で自分を刺そうか。

そんなイメージだけがぐるぐると
からだのまわりをめぐる衛星、
そらにはあかるい月があった。
こころなしかこのあいだ南でみたよりも
小さく白く、高い位置にあるような
遠い月だった。

苦しい、としか
いえない。

たいせつにできなくてごめんなさい。





2005年10月13日(木) 南の島から北へ

ミナミノシマへゆき
笑い泣き怯え慰め
そしてまた笑った

ああかえりたくないね
そうだねかえりたくないね

そういいあいながら
帰りのヒコーキが飛び立たないことを祈りながら
眠りながら海を渡ってきてしまった

わたってきてしまった。


・・・・・・・・・・


かえるうちなんてどこにもないから

旅に出てしまったら

それでもう、おしまい、なのよ、

ぱちんとつぶれるようになにかがつぶれて

あとはもうふらふら風みたいに笑うだけで

だからほんとうはその足でそのまま

君に会いにいきたかったんだよ


・・・・・・・・・・


旅人は恋文を書く

かえるうちがないから

かえるあなたをほしがって

たくさんの無数のほんとうのことばを

見渡すそこらじゅうから見つけずにはおれず

たびびとは、恋文を書く

このばしょをあいするようにあなたがすきだと

くりかえし

くりかえし


・・・・・・・・・・


おみやげは白すぎる海辺で拾った手のひらひとつぶんの貝殻。
白すぎる色とはかなすぎる薄さともろさと力強さで。
頑丈な靴を脱ぎ捨て草履に履き替えペチコートを脱いではだしになり
あみさげをほどいて風にあおられるまま笑ってしまっていたから
あたしはもう帰れないような気がして
すごくしあわせになって叫んでしまった

そうして、こわくなってしまった

あなたを抱きしめてくればよかった
忘れないぐらいに強く
あなたに抱きしめてもらってくればよかった


かえりたい
かえりたい
かえりたい

どこへ帰りたい?

わからないよそんなこと。

ただ東京の空が狭くて
窓を開ける気になれなくて
空気がつめたすぎて
あたしはたちまちもとのように
はんぶん閉じられてしまったみたいで

かなしいね

かぜをひいた。たちまちのうちにかぜをひいた。
かえりたくなかったってかぜをひいて
おふとんのなかで熱をまとっています。
くらくらする頭が何の夢もみてくれない。
だれかあたしにことばをください。

数日前
あの死神は、うすくわらいながら招く人は
左肩の後ろに住み着いていた
ミナミノシマでは彼はすごく遠かった
ときどき現れはしたけれど、いらないよといえばすごすごとひきさがり
気配だけ遠くにのこしてこっちをうらめしくみてた

その余韻で
いまは
薄笑いが
つよくなる

こわい、が
ふたたび

はじまる予感

こわいよ

ねえ

こわい



13日、夜



2005年10月09日(日) 無人島の暦


まいにち、ひとつずつふえていくあたしの傷をみて

彼は

ロビンソン・クルーソーみたいだね

と、わらった

だから、あたしも笑いかえした

そうなの、これは暦なんだよ

すごいでしょう

あの日からどれくらい過ぎたのかを忘れないために刻んだ

あかい線。あかい線。あかぐろい線、、、、いつかしろい線。


なにもかもわすれてしまう道もあったけれど

あたしは

ロビンソンになる道を

あの日、えらんでしまったらしい。


懺悔も後悔もよろこびもない、ただ、

えらんだというだけの選択の記念日。





2005年10月07日(金) 子守唄

みんなに

だれもに

わかってもらえなくなんて、いいから

・・・そんなのはたかのぞみすぎるから

ただ

知らないうちに泣いているときに

ああ泣いてるのかもしれないって

思ってくれるひとが一人だけいたらきっと

あしたも、耐えていけるかもしれない



たくさんの雨

熱いお水は

おそらのなみだ


ちいさなこもりうたをうたいにいこう

あたしのためなのかあなたのためなのかわからないけれど

わすれてしまったたくさんの音を思い出して

もしかしたら、真夜中に歌って


ただ

意識を失ったり取り戻したりを
くりかえしている日でした
体重は少しずつ減っていきます


がんばりなさい、あたし




あたしが言い、周囲が言います。





2005年10月05日(水) 午後

誰かがいなくなると

どうしていいかわからなくなる

今はいつか、とか

ここはどこか、とか

なにをすればいいのか、とか

どんな顔を

したらいいのか、、、、とか

言葉にしたら全部違うみたいな気がするけど

とことん途方にくれているんだと、、、おもったらきとそれはちがいない


願い

たったひとつだけはっきりしてる

暗いのが過ぎるまで

ずっとねむっていたいだけ、ごはんもいらないから

・・・・・・親が薬をなかば管理して

食べなさいと、くりかえされて、目をさます

座っているけれど笑っていないらしくて

自分の顔がよく分からなかった



刃物を持ち込みそうでこわい
血液
針を刺したらね
赤黒かったの
末端では色が違うのだなと
へんなことでかんしんしてた


ちがうでしょ
おもうことが、ちがうはずでしょ


雨の日はとても寒いです
好きな音も分からなくて
ただ、さむいよとくりかえして


あったかい手のひらを背中に当ててなにもわからなくなる妄想


午後



2005年10月04日(火) 携帯電話

携帯電話なんて
いやだもん、と
ずっとずっと言っていたのだけど
とうとう今日、持たされることになるらしく。
なぜなら、すぐに行方不明になるから
出て行ったきりいつ帰るか分からないから
どんな行動に出るか分からないから
気がついたら車に飛び込んでそうらしいから

……不在中に決定されておりました、はい、わかりました。

逆らいはしませんが
そんな発想自体が
ないのですが

でも

いやだな、、、と
気がつくとぼんやり言ってます。

なにがいやなのか自分でもよくわからないのだけど。

突然かかってくる音かな。
つい手にとってしまうことかな。
誰かとあまりに安易に
通じてしまうことかな。

そのくせなんの距離も縮めてはくれないのにね。

ふつうの電話でもかちりとぷつりと切れたときあたりがやみに落ちる。
あれをまいにちたくさんのひとが経験して、それでも平気で
生命をまともに維持しているのかな。

・・・・・・よくわからない。

どっちみち私のメモリーはからっぽでしょう。
だって
誰も居ないもの。


副作用がきつくなったので
眠れなくなったので
不安が強くなったので
また、病院へ、行きます、、、、、、。

長くかかるでしょうといやみなくあかるく言われたとおりに
長くかかりそうだから
あしたのことやいつかのことをあまりきちんと考えられず
結婚とか身の回りではしていくんだけど
そういうことも、、、、ないんじゃないのかなあ。
泣きじゃくりながら考えたこと。

身体の病気はなんとか季節がやさしく
いやしていってくれそうです
こころのねじけた埋め込まれたなにか、は
どんどん暴れだして、手が、つけられません。

だからごめんなさい

今は
いなくならないでね。


わがままでごめんなさい。


うまれてはじめて信頼してしまったひとへ
恋じゃなくてそれでも信頼をやめられないひとへ

それだけを、おねがいします


きょうはくもり、
予定を書き出す、
意外とたくさんがならんでいて
おふとんにもぐりこみたいわたしは
疲労スクエアにかためて積み上げて
あたしのなかに、一本立てよう。

沖縄、行くんだ。
ちょっとだけ
女の子とバカンス。
大量のお薬を持ったふたりぐみの
たぶん傷だらけの左腕をしたふたりぐみの
それでも笑いはしゃげる
シエスタを

したいのです。

それが今の、、、、、、希望、かな。

ただむこうのほうでひかっているうすぐらい闇の中の、トーチ。





2005年10月03日(月) 叫ぶ

眠ったら
朝が来てしまうじゃないか

痛む身体は身体だけど
でも
眠ったら、また、朝が来てしまうじゃないか

とほうにくれたからっぽのまぶしい、朝と、それにつながるひるまが

誰も居ないことをふたたび
学習しなおさなくちゃいけない朝
たべたくない食べ物を
ただお薬のためにつめこむ朝
これからさきの「未来」というやつを
ひとつずつ肩に置かれて打ち込まれる朝

あなたは逃げたいということができたけど
あたしは逃げたいというところがないの
それがとてもいまかなしくてつらい


うらやましいですか
南の國


「たのしみをおぼえません」
「24時間のSOSのつぎめ」


あたしはニライカナイへ行きたいな
そうしてみんな遠く遠くの方からしか
あたしに痛いことはできないように
なったらいいのに、、、、、、と
かなうわけないから知っているから

真夜中の台所で祈りました
蛍光灯の下で枯れたみたいな蚊が一匹ふらふらと飛んで
おでこにとまったのを、ぷちりとたたきました

こんなふうになっても、まだ
ほかのいのちを殺しています
ばかみたいよね、といって
笑います
たべることもないいものをかんたんにころして
ごみ箱へ捨てました

どうぞおなじようにあたしのことも
はやく決めてください
捨てるのも捨てないのもぜんぶ
はじめからあなたがきめたことだから

ただ置きざるだけで精一杯だったから怒れない
責めることができない
でもいま単純に幸福を味わっているのならそれがあたしの心に響かないのを
どんなことばで言い返してくれますか。

きっとなんにもなしだよね。

恋人と手をつなげないまま
暑い東京を歩いていました
何度かつまづいてころびかけてそのたび
あたしはこの人の手を取れないと
思いました

わたしがこわしたのが
もとにもどらないのは
悔やむこともなくて
でもただ何事もなく毎日が続いているのなら
それは錯覚じゃなくてきみの願望だよと
やわらかい手のひらを反芻するたびに考えます
考えてしまうからもう

どんどん、どんどん、
すすむたび
なれしたしんだものが
やさしくなくなるよ。


ごめんね。


こころのどこかわずか0.5%くらいのところできみのいたみをいのろう。
このいまがこなごなにこわれてしまうことを無理だと知っていてそれでも。


ごめんね。

ほんとうにいつまでも

ごめんね。


・・・・・・・・へんじなんてひとつもこないこと知っていてそれでも
吐き出さずにいられなかった言葉が言葉が喉に詰め込まれて嘔吐しそうな
勢いでただ交じり合っている。混沌。
わたしのしらないところでしあわせになればいいのにどうして
そんなこどもじみたうそしかついてくれなかったのですか。
ぜんぶぜんぶ、ひとりできめてしまったあと、
ただ会談の上に置き去りにするためのあたしを残して呼ぶための名前も
いっしょに運び去って。

「かいだんのうえのこどもにはなまえがない
 だからぼくはよばれることもできない
 ただ、呼ばれるだけだ」


・・・・・・ごめんね。


未明



2005年10月02日(日) あかるすぎたあき

さよならが、からだのなかにひたひたと、みちていく

いやだよ、という
きこえないらしくて
きみはむこうがわ

それでも

うそだっていってくれるのをまっている
ばかな子だね
ほしいものは、とりにゆきなさい、、、
誰かが言った、まじないのようにくりかえしつぶやいた


寒いな、と


そればかりが先鋭化したからだをもてあましながら


あたしが眠り

眠ることを拒む

傷が痛まなくて

いつまでもみてた

うすくひらいた切れながの赤目


こんなふうでごめんね

せかいになじめなくて、ごめんね


午前、10時


 < キノウ  もくじ  あさって >


真火 [MAIL]

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