『 hi da ma ri - ra se n 』


「 シンプルに生き死にしたかった 」


2003年07月31日(木) バカな子は

おしえてください、どうしたら自分を好きになれるんですか
どうしたら泣かなくていいようになれるんですか
おしえてください
どうしたらあなたを忘れないでも誰にも怒られないで
生きていけるようになるんですか
どうしたらわたし生きていてもいいって思えるようになるんですか

嘘じゃなくてあなたの話きいて笑いたいのに

みにくいからわたしは黒くてわかったふりをして減らし目をして
誰のことばも自分のとこに届けられなくて閉塞してゆきづまったみたく

生きているのがくるしいの次の時間がこわいのって
そんな甘えたこときちんと聞いてほしいのって
ひたすら叫んでるばっかり、で

こんなわたしなんていらない

あなたがほしかっただけなのに
あなたといたかっただけなのに
だれかといっしょに笑いたかっただけなのに


ごめんなさい



2003年07月30日(水) とうめいな骨、届かないキス

「夜の触媒」




またこの時間がやってきて、ぼくより

こぼれる液体

なみだ、組織液、リンパ、細胞球のやぶれたそこより、血液

いつまでも変わらずにいることのひとつ

誰もいなくなるこの刻に身体のそこらじゅうから液体がこぼれてゆくのは

ひとびとがみんな夜のなかにあんまりに

たくさんかなしみをとりおとすからだろうか


わらっていたひるまを

わすれたかのように黒くかわった道や壁や家の影が

ぼくのことを呼んでいる

そとへ

でておいで

そうしてどこかへいってしまいなさいだれの手のとどかないもっとずっととおくのほうへ


ぼくはただ耳をすませている

呼ばわる声のふくむ嘘の無数をかぞえながら

ひきかえせないことがらをかぞえながら

ぼくはただ耳をすませている

そして耳を閉じている

耳をふさぎ唇をふさぎ目をふさぎそうして覆って

息を吐き息を吸い

咳き込みながら自傷し嘲う

さまざまないのちを喰らいながら踏みにじり

ここにおらなくてはならない訳を

これっぽっちもわからないままに耳をふさぎくちびるをふさぎ目をふさぎ

居ながらにして居ないものとなれとひたすら念じる

かなしみも怒りもすべてが遠ざかってゆくように

信じてもいない神様にぼくは祈って、そうして

いつか

こじあけられていくのだろう


「言われるままに命をつなげ」


とうめいに、なってはいけないのですか

とうめいを、のぞんではいけないのですか

あなたの目にふれることに躍起になってきりきりと舞い上がり落ちていたぼくは

そんなにも、望ましいぼくだったのですか

生きていなければいけない、ぼくだったのですか


切りさいた傷口から膿がにじみでてくるように

かみついた皮膚からぼくの歯型がわかるように

この世界のあちこちに

ささやかにのこされてきたぼくの痕跡があるのにはちがいない と

そう

みにくい言葉をたくさん吐いたぼくが

誰かのなかに生きてしまったかもしれないということ

そのおそろしさを

快いと思うひともいるのですね

取り戻せない笑顔のことさえも また

きのうのことと片付けられていく、うつくしくすこやかなその腕の筋肉


ぺたぺたと残されてきた刃や言葉や手のひらの跡

消えてしまったいのちへ向けられる届かないキス

無数に投げかけたとてすでに何もかも遅いとわかりきってしまうことが

ぼくのからっぽの頭の中に捕らえられるすべての音

神様を恨むならあなたについて恨むだけです

なぜ わたしからあなたを奪っていったのですが

なぜ この世界から

わたしではなくあのひとを奪っていったのですか


真夜中に取り落とされたかなしみのなかのいくつかが

ぼくのなかに居場所をみつけ

そうして潜り込み巣食いはじめるこたえのないことば

ふさいでいるはずの耳元にささやきかけるばかりで


ぼくは独りをおそれてしまう

ぼくは独りをもとめてしまう


どこまでもいつまでも

わたしとあなた

似たようにいつも

けっして触れ合うことなくとも、それでもやはり

さんさんと日のあたるあの場所に

ただ、となりあって座りつづけていたかった と

かなわないことをいつまでもつらつらと

こころのなかに抱えている

そのような、口に出せない秘密がどこからか漏れてゆく夜

糾弾のことばは雨のように激しくがらがらと落とされて


ぼくは、しずかにとうめいになります

ぼくは、しずかに

とうめいに

ならなければならないのです


「かぎりなくやさしくざんこくなひとに」

ぼくはもう届かないキスをあなたに届けたかった



7月30日、深夜
さようならを言えないぼくがだからみずからにさようならと・・・・・・真火



2003年07月28日(月) 眠らない人

ゆるゆるとおくすりが効いてくる
それは
きっと感謝したほうがいいことだと思う

ほとんどおよそのおくすりが効かなかったわたしだったから
もしも、この三月のあいだ、なにもひとくちも口にしないで
半ば意地を張っていたことが今のこの効き目を生んでいるのなら、それは
それでわたしはよかったと思う

すいみんやくというもの
デパス
レンドルミン
マイスリー
ハルシオン
ロヒプノール
そのほかもう憶えてもいないざらざらとこぼれていった錠剤
わたしを眠らせてください
やすらかに

いつまでも
でも、いい

朝方の心がぐらついている
昼になって起き上がるからだが鉄のかたまりを
背中のあたりにくくりつけているみたく
それでも、半覚醒のからだは一気に痒みを訴えはじめて
そうして半分ねむっているがために
私はこの手を止められない

とろとろと眠り続けていたいけど
傷を増やすのがおそろしくて外に出てゆく
外の世界に

誰かがそこにいるのが恐ろしくなりました
ひとりきりでいられる夜の時間が終わり
家人がそろそろと起き出して、さまざまな音があふれかえる
母が朝食の支度をしています
水の音、洗濯機、ガスの炎がかすかに音を立てて
そして話し掛けられるわたしへのことば
誰かがすぐそばに存在するというそれだけのことがら
おそろしくなりました
顔がゆがんでいくようでわたしは笑う、叫ぶでもなく
逃げるでもなく

ひとりでいる夜のあいだにこころはずんずんと沈静化していって
どこかわからない静かなところへと突き進んでいくらしい
ひとの血はだれでも汚くはないのだって
そう、教えてくれた人がいました
ほんとうかな
ほんとうかな
噛みついた腕に赤味がさす、そのときわたしは誰かを羨んでしまった
象のような、鱗のような、そう医学用語でまで形容されることのない
なめらかな皮膚を抱えている多くの人たちに対しての、不当な羨みを

その羨みに飲み込まれないようにわたしは
今できることを探していきたいと思うばかり

小さな刃物、ささやかなやいば、
するすると流れた血がしずくになって溜まって
腕のカーブに沿って流れをつくっていきました
紅い紅い血液でした
どす黒いようでいて
そうして
思いのほか、うすい色の血液で

そういえなこの間たわむれに血圧を測ったら
血圧はともかく脈拍が100を越えていたのですよ
おどろきました
なにがためにそんなことが?


あふれてきた血
薬指につけてくちびるにさしてみたら何よりきれいな口紅になり
汚れてはいないということを私はわたしに知らせたく思って
ただ黙って鏡のなかのくちびるの赤さを見ていました
紅い紅いくちびるの色
気味悪いと思われても、それはとてもきれいに見えていた

ゆるゆると溶けてゆくおくすり
病名を知らないことを
このところ、心のどこかで
心許なく、不安に感じている自分が、います

尋ねてみようかな
今のわたしがいる位置について
これっぽっちの勇気をもって
嫌われる疎まれるという恐れをひととき
心のどこかにしまいこんで


眠らない人よ、おやすみなさい
次に目の覚めるときまでに
あたらしく透明な空が、からだのどこかに
ひろがりますように



7月29日、明け方に  真火



2003年07月27日(日) あたらしい死者

目を覚ましているのがこわくてオクスリでねむらせてもらった
パジャマで居るだけなのがさむくてさむくて靴下をはいた
それだけどまださむくて、

わたしにはなにがたりないんだろう
ふるえたまんま

生まれかわれ
生まれかわれ
生まれかわれ

真夜中をすぎてひとりでいることの「恐くない安心」と
だれもそばにいないことの「たよりない不安」とどっちが
おおきくて恐ろしいんだろう
ひとりでいるのは恐くてさみしいと泣きました
何も知らない手がちいさな刃にのびました
ちらばったオクスリがゆるゆると血液の中に溶けてわたしの秘密を増やしていって
頭のなかで残さなきゃいけない錠剤の数をかぞえている
うそつき
うそつき

今日は雨だった?それとも晴れだった?
梅雨があけるのはもうすぐだよね
そうしたら、また、あの青くてしかたないそらがわたしの頭の上を覆って
おおいつくして

お日さまに向かって
まっすぐに
わらうんだ

きっと


死んだらダメっていうことはたやすいけどむずかしくて
言ってくれてありがとう、って、思う
わたしのそばに居る人じゃなく知らない人がそう言ってくれること
なんだかとても不思議な気がする

死んだら怒るからね泣くからねあたしあんたを許さないからね
そういって顔を真っ赤にして、仁王立ちしていた

わたしも、そうできたら、
よかったのに
あのとき
あのとき


本日
サトくんのおばあさまの四十九日、で
あの大きな石のおはかのなかで
彼の骨は、もうひとつっきり置かれているのじゃないと思って
なぐさめられもしなく

ただ最後に会ったときにわたしの手を握ってくれた
力の強さを憶えてる、手のあったかさを憶えてる
それがもうどこにもなくて
風とか土とか空気とかになってしまった

くらいことばばかりつむいでごめんなさい
あなたのくれたことばで元気にもどれなくて
ごめんなさい

あいかわらず
臆病で役立たずで
いらない人の筆頭にかぞえられて
キーボード、おもたい
ほかにすることが背中におもたい
食べることお風呂に入ること眠ることしゃべること
だれかきみと関わろうと必死になってやってきた
わたしのひとりのからまわり、でしたか?


わたしただ眠りたい



2003年07月26日(土) 寒い



さむいのにさむいねって言えるだれもが見つからなくってわたしがどんどんつめたくなった





………たくさん、おてがみ、もらいました
どうもありがとう

はやく元気にならなくちゃと思うんだけど
なかなかうまくいかなくて今日も
また泣いたり忙しい日だったけど

でも
もらえたことばがうれしかったです

どうもありがとう


今日ひとときだけ青い空がきれいに見えて
おふとんのなかからそれを偶然にみあげて
カメラだけもってパジャマで外に出ました
もしもきれいに撮れていたら見せたいです


うまくことばがつながらないけどとにかく生きてなくちゃいけないって、思います
これからもまたばかなことたくさんするかも知れないけど
それでもやっぱり
ばかなことしながらでも生きていなくちゃいけないんだって
いけないんだって

黙って死ぬよりは
きっと。


なんだかとてもさむいんです。



2003年07月24日(木) みんないってしまう

みんないってしまう
みんないってしまう
みんないってしまう

わたしいってしまえない

ねえだれかわたしに生きていていいんだっていやっていうくらい知らせてください
こころのそこからなぐりつけるくらいの勢いで
生きてろ生きてろ生きてろって

じぶんでじぶんに言い続けるのは
そうしてそれを信じつづけるのは
なんだかすこし
くたびれてしまったみたいな気がして

弱い私で

顔の右半面じぶんで殴ってつけた痣を鏡のなかにみて涙が止まった
じろりとこっちを見やるおばさんや男の子の顔をぎっと見かえして
ええいなにくそとやけっぱちでもいい安全な場所まで
はやくはやく走っていくんだそれしか思いつかなくて

オクスリのゴミは小さな山になった
混濁したけどクリアなあたまで
ぷちぷちと出し口に放り込んだいっぱいの
錠剤の入ってたシートのゴミ、片手いっぱい

笑っても笑っても笑えなかった
ここからひきはがされて痣だらけの体で
どこへ行けというんだろ

醜いじぶんからも痛いからだからも絶対に逃げられやしないのに

オクスリがわたしを呼んでるよ


7.25.(fri) 1:08am


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苦しいのは誰のせいでもないよね
お風呂に入ってあげなくちゃスキンケアをしてあげなくちゃ
そうして固く目をつぶってからだをこわばらせて
はやくはやく眠りに

つきたいのにまた涙がぼたぼた出てキーボードがこわれちゃうじゃないか

死ねなんて言われたくなかったのに
顔を背けられたくもなかったのに
ぎりぎり噛み付いた指や腕からにじんだ血をみんな厭わしそうに見るけど
あなたのからだのなかにもこの赤い血は流れてる

わたしなんかの汚れたのよりも
もっときれいな血なのかもしれないけど

だれか
みてくれていますか
だれか
そこにいてくれていますか

わたしにはみえなくて
パソコンの画面しか
みえないよ

こんな弱言を公然と吐くやつが不愉快だったら
とおりすぎてなかったことにすればそれでいいんだって
いいんだって

あなたがあなたでわたしとちがうあなたで
わたしがおかしくてもここにいてしまって
吐いて吐いて吐きぬいてしまいそうなこと

もっとあかるいことだけを描かなくちゃ行けないんだとずっと思ってました
病気だけど病気じゃないもの、きれいなもの、うつくしいもの
だけどそればかり見えていられず
わたしがここでこんなことばをいうことは
認められないことですか
わたしはもっと
がんばらなくちゃ
うつくしくていいにおいのするものを、いつでも、いつのときにでも
きみに差し出さないとならないのですか

……お情けでいいんです

そんなことないと
もし思ってくれるというのなら投票ぼたんクリックしてやってください
わたしをみないで
とおりすがらないで


7.25.(fri) 1:39am



2003年07月23日(水) 絵空夜半

すべてのぜんぶが思いちがいで

ぼくひとりの遊びなのなら

満たされないと嘆くこともまたひとりあそびにできるだろう

その場所にゆきたくて

ゆきたくて誰かがもがいている今もきっと

道化師になりえない普通人になりえず

たくさんの食物とたくさんの足掻き

続々とつくりつづけるえそらごとのことを嘲いながら

並べていく

あかい林檎、無名の詩人、散って腐ったさくらの花弁

それら無数の記憶をたぐり

ただふらふらとつぶやくこと、おなかがすいた

わたしは飢えてしかたがない


くうはくを埋めたいと食べものをつめた

くうはくを埋めたいとことばを吐きちらした

ぽっかりと口を開けたきみには歯がなかったが

なにも噛み砕けないことをきみは認めはしなかった

ぶどうパンをちぎって与える

やわらかくつぶれてゆくパンの生地はふつふつときめこまかく

歯のない喉の奥に消えていったけれど

その先で

どろりどろりと溶けたあと

血となり骨となり肉とかわるのだと言われても

それは天上からただ落ちてくる神様のことばのようだった

ただ、降り落ちるだけのえそらの言葉


くうはくを埋めるために食べものをつめ

くうはくを嫌いながらことばを吐いて

吐いて吐いて吐きつづけたとき

すでに誰もがそこにいないことをぼくの目は見た

頭脳のうちがわはたやすく暗転する

それを食い止めようと

きみは泣き笑いそうして叫ぶ

このひるまにつぶされないほどのあかるさを身に捉えようと

さすればいつか

流れる血が紅いということに癒されるぼくを

醜いと感じることもできるだろう

かぎりなく愛しく思うこともできるだろう


血液の抜けたくうはくから

足りないものをさがしながらぼくがそこらじゅうをうろついた

台所も玄関もお風呂場もトイレも机の下も

冷蔵庫の中ものぞいてしまった

飲みのこしの牛乳壜、トマトのきれはし

いつか見失ったきみのなかに潜むぼくのかけらをひきずりだせたら

なみなみのグラスのなかにそれをひたして

ぜんぶが夢だったと乾杯して笑おう

そうして遊ぼう

ぼろぼろと泣き

塩気をふくむ水のこぼれおちる速さを

熱くいたむ頭のかたすみで数えながら


そしてぼくはまたつかみあげつめこむ

膨らみ続けてゆく胃袋を憎み

くうふくを知らない食べものをつかみ

ひつつまたひとつ並べてゆく規則ただしいものどもの羅列

満たされることをしらないことばを投げつけ

開いただけこぼれおちてゆく記憶を持て余し

投げつけ

また封じ込め

そして首を絞め殺すようにくちびるを閉ざし

飲み干してゆくのがいいのだと悟ることができるなら

もう何もぼくを求めて探さずともよいのなら

ペンを捨て、ことばを捨て、食べ物を咀嚼する歯の不在を

あらゆることを忘れたらいい


投げつけ

封じ込め

消し去って

けれど涙が枯れないとふくれあがる水を止められず

動くことなしにこの無人の夜に座っている

おろかなぼくを笑うしかないなら


こじあけろ

そして投げつけろ

いつの日にか、あなたにそれが届くなら


いつまでも

いつまでも




7月23日、雨の夜



2003年07月22日(火) 涙、焦り、ワンピース

三日間、泣き暮らしていたのは
体がつらかったんじゃなく
こころがつらかったんだと、おもう

ぼくはぼくだけどぼくじゃないやつになりたかった
こんな情けない体じゃなくてこんな情けない心でもなくて
もっとずっと、ひとりでやっていけるやつになりたかった

ずっとうちの中にいたときは
きっと元気なんだと思っていて
ときどき、急に泣き出したり物を投げたり壊そうとする以外は
全然ふつうにやっていけるのだと思っていた
心の中の波風が小さくなっていて
きっとだいじょうぶになったのだ
って

外に出たら消し飛んでしまったちっぽけな自信でした

ともだちに会う
知らない人に会う
誰かとすれちがう
物音が立てられて
がらがらと耳の奥のほうに突き刺さる音がことばが
ぼくの頭の中をがたがたに
こわした

泣いても泣いても泣いても誰も助けてくれないんだと言うことを
またあらためて、知ってしまったよ
知らなくていいのに、知ることでもないのに
わたしは勝手に知ってしまう
我儘勝手な解釈

帰ってきたら自分の部屋の中に、いままで別の部屋においてあった
雑多ながらくたが両親の手によって山と積まれていて、また泣いた
いつか片付けなくちゃならないものだったのだから
引き払わなくちゃいけない部屋だったのだから
感謝すべきなのに、ぼくは泣いた

ひとつも負いたくない
背中の上がたくさんたくさんの石やゴミや
ごつごつと固くて崩れ落ちそうなものが
いっぱいいっぱい乗せられてきて

もう、いやだ、って

ぽつんと言うくらいしかできることがなかった。

こわれそうでお守りをさがしている
わたしを守ってくれる鎧をさがしている
わたしを守ってくれるやさしい布でできたワンピースやエプロンや
そんな鎧をしっかり抱えて手にしたくて心臓ががんがん打っている

昨日、ジェーンマープルの秋物のカタログ見せていただきました
そこは元気をくれるところでした
だけどその元気の源は、あたりまえにお金と引き換えでないと
手に入れられないものだから
じぶんで自分の首を絞めるきもちで
それでも鎧なしで外に出ることは
首を絞めるのと同じくらいに苦しいようだ

入荷したばかりのグレーの別珍のジャンバースカートと
天使の入った鳥篭のネックレスをお取り置きしていただきました
金策に走り回らねばなりません
たぶん
走り回るような苦労もいらないのだけど
持っている貯金を削ることが
体を削るような感覚と同調して
かなりの不安にかられてしまって
どうしようもなくて

余命宣告

ああ働かなきゃ働かなきゃ働かなきゃ

このままじゃいけないと誰かが大声で怒鳴っているよ
生きている価値もないと聞こえて
おおまえなんか邪魔だと聞こえて
ごめんなさいを繰り返して
とけて消えてなくなっちゃえばきっといいんだって


刃物がじぶんをきりきざむためのものとして見えてしまうから
なるたけ遠くに逃げていって、そうして
ぜんぶ終わるまで静かに息を詰めていよう


おくすりは少し効いてくれているみたいです
少なくとも3メートル先に人がいても
恐怖で怯えるきもちは、すこし減ったような気がします


処方箋メモ

:毎食後
 レキソタン5mg×1錠
 アモキサン10mg×1カプセル
 アップB×1錠
 ビタミンC×1カプセル
:眠前
 ハルシオン0.25mg×2錠
 ロヒプノール2mg×1錠
:臨時
 ニポラジン2mg×1錠(抗アレルギー剤。昨日一昨日、アトピー悪化のため)

継続睡眠時間は4時間弱
外に出るのはこわいです……ほんとうは、頓服がほしいです



2003年07月18日(金) 美術館とヘビトンボ

7月18日、くもり、夜半より雨


病院に行きました

たかが家から自転車で20分少しの場所で
しかし
その場所に行くのによろよろ大騒ぎするのは
いつものことだけれど
ちょっとばかみたい、
のような。


出かける前のルーティーン(7月17日版)

1.前日夜。感動的なくらいに肌の痛みがひいた。(外に出るチャンスだ)
2.行こう行きます行くんだ行かなくちゃと言い聞かせて覚悟を固める。
3.着るものを考える。(思いつかない!)
4.翌朝。シュミレーションをひたすらしてみる。(面白いように動悸呼吸困難)
5.あっけなく、めげる。(もおいやんいやん、と泣く…コドモ?)
6.でも行かなくちゃいけないと思う。(だって今の状態じゃ外でまともに歩けない)
7.でも行きたくないのいやーと言ってまた泣く。
8.逃避的に猫をふりまわして遊んでもらう。(猫よろこびまくっておなかによじのぼる)
9.気がつくと12時、午前中の診察受付時間が終わってる。(◎▽◎)

10.頭混乱モード。困って相棒さんに電話。(何週間ぶりだ)
11.かんがえない練習をする、ひたすらする。(目指せ自動人形)
12.自動人形成功。立ち上がって髪の毛をとかしてみる
13.服を着る…なんだかどうにも意識散漫。
14.気がつくとベッドの上がお洋服の山…。(下着で呆然)
15.…5時だ。(おいおい)
16.バスと自転車どっちがマシかな?
17.雨ではなし、ひとごみ避けて自転車にしてみる。(よろりらよろりら)

……だいたい20時間とか。(かかりすぎ!)

三日ぐらい前から、
この日は出かけるぞ出かけるぞと
言い聞かせておかないとたいてい
外にもなんにも出られないのは、
最近のいつもでは、あり。


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3箇月、諸事情あって精神科のおくすりなしで暮らしてみましたが
痛みと緊張でがちがちの体だの
眠られないで1時間睡眠が続くとか
不安でおなかもすいていないのに無茶食いするとか
それで2ヶ月で5キロは増えたとか(切実)

この緊張をすこしでも緩和できたら
アトピーだって
すこしは大人しくなってくれるのじゃないかと
期待してみたくて
ぽっかりとやってくる正気じゃいられない時間
真綿で首を絞められているような感覚や
息苦しさ、目眩、呼吸困難も動悸も、ちょっとでも少なく
そうして、倒れないで、泣かないで、叫びださないで
ひとりでも外を歩けるようになりたくて

ふらふらと病院。

外は、あいかわらず、前にも増して
恐いものがそこらじゅうにあって
目眩がしてくる、ぐるぐるぐるぐる
自分がなにをしているのかわからない
どんどんうまく息が吸えなくなって
風邪でもないのにげほげほ言いながら
ぱくぱく酸素を欲していた

声が出ない
人が怖い

誰でも誰かがそこにいると怖くて身がすくむのはどうしてなのか
精神科の待合室にテレビがどんと置いてあって
バラエティ番組の賑やかなのがずっとわんわん流れているのは
どうしてなのか……音が刺激になる患者さんほかにいないのかな

席はあいていたのだけど
人がこわくて立っていたら
15分もしたら体ががくがくになって
目眩までしてくるのでへなへなと
しゃがみこんでしまったし

体力、ないね(苦笑)

診察はよくわからなかったです……すでにふらふらで
声も出なくて、何を言っていいのやらわからず
センセイ早く帰りたいんじゃないのかなと漠然と感じた
診察のお金をわたしに使うのなんて勿体無いんじゃないか、って
どうせ自分のせいなんだから、って
そういう気分がつよいことを伝えようと思っていたが
すっからかんと忘れていたよ

診察を受けるってむつかしい。


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よかったこともあり

この病院では週刊文春と週刊朝日を定期購読しているらしく
座れないでぽつんと壁際に立っていたら
その中の一冊が目に入り…
週刊朝日って表紙は女優さんやモデルさんが多いんですよね
たまに国民的美少女コンテストの入賞者だったり
野球選手だったり時の首相だったりするけれど
(ちなみに皇室の人は特別号で出るようです)
図書館で働いていた時に面倒をみていた雑誌なのでおなじみで
それとともになつかしい雑誌

目にとまった号の表紙は宮崎あおいでした
好きなんです
EUREKAをみて好きになった「女優さん」
あの暗く沈んでいて凛ととうめいな眼を
私は好きだった

そうして「三鷹の森ジブリ美術館」のガイド(?)が置いてあって
写真ばかりぱらぱらとめくって見たのだけれど
……おもしろそう。
ジブリ美術館、着工の話しを聞いてからずっと行きたく思っているのだけれど
チケット完全予約制と言うことでなかなか踏み切れず
(こういうところで臆病な自分はちょっと変えたいなと思う)
(たとえキャンセルすることになっても予約しちゃえくらい弱気を忘れたい)
そうして今になっています
 
このエンピツ日記で知り合ってやりとりをしている
槻葉ゆえさん、というひとがいます
文芸ジャンルで日記を書いていて
名前は「こんすとらすとヒヤシンス」。
この名前がとっても好きです、そのために惹かれて読みはじめた本当。
そのゆえさんが日記の中で、以前にこの
ジブリ美術館の訪問日記を書かれていて
それを読みつつ、また、そのあとで
自分の掲示板のほうでゆえさんからお話を聞いて
行きたいのきもちは、余計にふくれたのだった

迷子になりたい
日がないちんち
空を見たり壁をなでたり図書室で本にうずまったり
床にねっ転がったり猫バスとおひるねしたり
おなかがすいたら特製サンドイッチを食べて
そうして夕焼けが見えるまで待っていたい

夕焼けはロボット兵の肩にのっかって見てみたいです
やっちゃダメと決まっていそうな気もするけれど
屋上庭園のなかにゆらりと立ったロボット兵の肩に
わたしが乗っかって鴇色に染まるぜんぶのあちこちを
うすむらさきになるまで
こんいろになるまで

ふたりぼっちくらいなら、きっとそれはとってもさみしくてとってもあたたかいよ


美術館内のショップでナウシカに出てくる
「蟲」の標本(!)を買えるのだそうです、
ヘビトンボ!!
もちろんいわゆる標本でなくて細密画の類だと思いますが
値段を見てびっくり、195,000円と200,000万円。
思わずゼロの数を三回ぐらいは数えなおしてしまった

でもだけどすごく素敵みたいでした
青い羽の繊細な蟲の図
なんだかげてもののようですが
虫嫌いの人にはとんでもないですが
でも、とっても綺麗なんだもの

そしてひたひたと物欲にかられる……?(笑)

けれどもさすがに20万円は
出せないよねえと溜息つく
細密画の額を手に入れたらきっとハッピーになれるだろうな
十年後くらいに手に取れる日が来るかしら

チケットは手に入れられないけど
そのうち吉祥寺にまた行ける日がきたら
チケットなしでも見られるという入り口の受付トトロを
こっそりのぞいてみたいなあ、と、
ちっちゃな野望が生まれたんだ


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ゆえさんに
文中リンクの承諾、どうもありがとう。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


処方箋メモ [7月17日-31日]

:毎食後
 レキソタン5mg×1錠
 アモキサン10mg×1カプセル
:眠前
 ロヒプノール2mg×1錠
 ハルシオン0.25mg×2錠
:昼夜
 アップB×2錠
 ビタミンC×1カプセル


追記:
なんとなく諸事情あってけいじばんをつくってみました、
うったかわってひだまりっぽくないです(黒いんです)
下にリンクを貼りました、メールを書かないまでも
日記の感想でも病気話題でもこぼしたいことでもなんでも、もしもあったら
どうぞ書置きにきてみて、ください、待っています

マホ



2003年07月17日(木) bye-bye medicine, and hello again

確か5月はじめか4月終わりごろを最後に
精神科のドアをくぐることをやめました

理由はぐちゃぐちゃで
なし崩し的ともいえて
言い訳はできず

ただ病院に行って薬をもらい続けることが苦しくなって
ありもしない(かもしれない)周囲の目を感じながら
ひとりで、内心おどおどと病院通いをつづけているのに
なんだか消耗していたのかも知れず

そうして
病気である自分、という存在がとても疑問に感じられて
しかたなくなったこと、
とか


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


おくすり断ちをしてみた事情


……自分の病気具合をうたがったのと、外からのプレッシャーです


3月、4月、5月

「自分を病人に仕立てて、それで満足?」
「要するに根性が足りないんだってば」
「しっかりしてよ、もう」
「体調崩したり子供服着たり、それじゃ困るんだよ」
「自分がそうなる理由わかってんの?」
「わかってたら元気になれるでしょ?わかってないんだよ」
「さっさと大人になんなよ」

そういった言葉が雨あられと降ってきて
それが誰か他の人についてのことばだったらきっとわたしは
烈火のごとく怒って反論するような気がする
体に出したくて出しているわけじゃないでしょう?って
理由が自分で意識できたら症状が消えるなんてそんな魔法みたいなこと
理論の上ではともかく現実でキレイに行くものですか、って

確かにセオリーかも知れないけど

そんなにキレイに「解決」するのなら
治療者って言う職業があることじたい
おかしいことにならないですか

けど、自分については100%否定できなくて
この「つらさ」が本物なのかどうかわからなくなった

きっとわたしはエセ病人で
自分にお薬を盛ることで自分を弱いのよとアピールしたくって
「自分を病人に仕立ててるんだ」
そういう気分がどんどんふくらんだ
言い訳に継ぐ、言い訳

お薬を飲むことに罪悪感を感じた
通院することにも罪悪感を感じた
病院が恐くなってその人のことも怖くなって
ぐらぐら倒れそうになって

そんなのがつらくて薬飲めなくなって
ちょうど風邪をひいて、それが半月くらい治らなくて
その間にお薬が切れ、風邪のくせに不眠で体力が落ちたらしく
皮膚の状態がどんどん悪化していって
服を着ることや外に出るのがつらくなって、そうして
フェイドアウト

それがこの三ヶ月のこと。

実際のところ本当に「こころの病気」なのかはわからないです
結局、自分の性格が(臆病でずるくて弱虫で根性がなくて)
それがぜんぶいけないんだって、そういうふうに思っていて
私のことをいろいろ言ってくれた(そうしてかなりつらいコトバだった)
その人も、別に悪い人ではなくて
それなりに私のことを心配してくれていないわけじゃなくて
ちょっと、タイミングと
それからこっちの応答の仕方が
よくなかっただけ

強くならなきゃ
やさしくならなきゃ
そう、思う
ばかり


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


ただ
自分のこととは別個に

自分が我慢できたからといって他の人のつらがっていることを
悪し様に言わないで欲しいなと、思います、、、
わたしのことは仕方ないけれど
でも、ほんとうにちゃんと苦しんでいる人について
追いつめるようなこと言わないで欲しいなって

つらい思いを味わったひとのその後にはいくつかある気がする
自分が味わったからこそ、人のことに「つらいよね」と思いを寄せられるひと
自分が克服できたからこそ、他の人を「頑張りが足りないんだ」と叱咤する人
……どっちも、いて、当然だとは思います
叱咤する人だけならばそれはひどく生きていきにくいことだと思うし
受け入れる人だけならば、それもまた不自然なことだと思うのです
わたしもまた、相当シビアな対応してしまう
やさしいだけじゃいられなくて
気がつくと、元も子もないことばを
ずいぶんたくさん吐いてしまった

ただ
いつだったか
十代の男の子がいじめについて語ったとき
ちょうど同じころ、いじめられたことを苦にして自分を殺してしまった
同年代の男の子がいたのだけど、その子のことを
ぼくは100万円も盗られたのに
あいつは1万円しか巻き上げられてない、
それくらいで死ぬなんて甘い、と
そう言ったんだそうです

……かなしかった

金額の大小じゃないよ

つらさなんて人それぞれ
痛みだって、人ぞれぞれ
だれも比べられない
誰だって比べちゃいけない

どんな体でもどんな年齢でも、その体せいいっぱいで
負えるだけのつらさを背負ってしまって
いのちと引き換えにしたくなるくらいのつらさだったんだ
それでもう何ともくらべられないんじゃないのか
比べたら、いけないんじゃないのか

ふるわれた暴力や奪い取られたお金の大小よりも
身に余るつらさだったんだ、それがすべてじゃないのか
そんなに言うなよ大したことないじゃないかみたいに言うなよ
あいつはあいつなりに抱えられるだけのつらさを耐えてたんだよ

そうやって歯軋り、するしか、
わたしには、なくて

泣いてばかりいた
消えてしまった命のことを思って



2003年07月16日(水) ごはんをつくろう。

唐突に思い立ってしまった。

「らーめんたべたい」。

……すごくすごく貴重。

そんなわけでラーメンをつくりました
台所に立つなんてしばらくぶりです
最近、包丁もガスも扱っていなかったから
せいぜい、やかんくらいだろうかな……
(なんていいご身分なんだろうか自分)

矢野顕子の「ラーメン食べたい」はかなり名曲だと思う。
ラーメン食べたいうまいの食べたい今すぐ食べたい、って
そりゃあ、そのまんまなんだけど
そのまんまなところがすでに
素敵じゃないか。

細くて長いものが好きらしいです
唐突に
細くて長いもの週間、が訪れるくらいには。
ラーメンとか、おそばとか、おうどんとか、スパゲティとか、
横道に逸れるとフライドポテトなんかも
ある日突然食べたいと叫んで一週間二週間、いくらそれでおなかを満たしても
それでもまだまだ食べたいと言うくらいの「ほそくてながいもの週間」です
来たのと同じくらいにある日突然に去りますが。

なにかを食べたい、とか
なにかをつくろう、とか
そういう欲求が沸いてくるのが素直にうれしかったりした
今日、しばらく。

くうふく具合を無視してラーメン食べてしまったのでおなかが重く(笑)
でも久しぶりに自分でちゃんとつくったごはんは
それがただのきゃべつ入りインスタントラーメンでも
それなりにきちんと美味しく味わえたのだった
満足度が加わっているから?
いろんなことについての満足。

手を濡らせなかったり
ほとんど正気でなかったので火を使うのが恐かったり
(鍋の中身をぶちまけたり火に手を突っ込みかねなかった、事実)
そういうヘンテコな事情もいくらかあって、
そうしてそれを許してくれる環境があるので、しばらく
何にもしていないわけだけれど。
明日に続くかどうかはまったく定かではないけれど
でも、今日のところは、マル、
マルをつけましょう。

そうだごはんをつくろう、って台所に立てるくらいの正気をすくなくとも手に入れていた時間。

そうして夜ごはんはパスタだった。
トマトと茄子のパスタ、チーズたっぷり
はからずも、ほそくてながいもの
蜜柑ジュースとトマトのソース。

おいしいをおいしいと感じることができるだろうか


それにしても二日にいっぺんぜんぶ剥がれる皮膚って
いったいどんなスピードで再生されているのだろうと
自分の体を見ながらつくづく不思議、を通り越して
ほとんど感心してしまう

それとも健康な肌だったとしても、これくらいが普通なのだろうか?
ばらばら剥けるのが見えないだけで、実のところ、ほんとうは……?

……それは
ちょっと考えにくい、
ような
気がする。


二日にいっぺん脱皮しよう。



2003年07月14日(月) サプリメント

四日くらい前よりサプリメントを始めてみる。
市販品ではない、、、
ビタミンB群のかたまりらしい。
うーん、なんていうか糠(?)みたいな匂いがします。

むかし食べていたごはんのにおいに似ているのだ。
小さいころ食べていたごはん
粟とか麦とか混ぜ込んで炊いていた
まぜまぜごはん。

……玄米ごはんも、おいしいよ。(白米はおそとごはんでたまに食べます)


かくしてサプリメント、
ビタミンB2って黄色いのかな?
目を見張るようなかぼちゃ色をしているよ。
ころころんとまるい三角。

今のところ可もなく不可もなく、
それじゃ余り意味ないと思われるかもしれないけれど
この「不可もなく」というのはとても大事だ
なにしろ口から体内に入れてしまうものなので
もし悪いことがあったら全身反応でダイレクトに来る。
一晩たって目が覚めたら体中ぼこぼこでも
文句は言えないのである

……体って表面はぜんぶ皮膚だったっけなあとあたりまえのこと思う瞬間。

そんな状態になったことはほとんどないけど
それでもなにか目新しいものを始めるときには曰く戦々恐々といったところ。
食べ物に限らず薬でもなんでもそうだけれど
新しいもの、初めてのこと、は
多かれ少なかれ、それなりにかなり恐い
悪化要因になるとも限らず
そうして、そうやって特異なものを理由に悪くなってきた場合
普通にしていて状態が悪くなるよりしつこいみたいで。

あらゆることは人体実験なんだよね

それだから悪くならなかったときにはとても安心します

二年前に左腕にすすめられた保水用クリームを使ってみたら
それにかぶれて悪化して、いまだに元に戻らない。
そのクリームは母が引き取ってくれました
とてもよいということで、ずっと追加して買い続けているようです
クリームが悪いわけじゃなくて
わたしのほうがだめだったみたい

新しい治療法ためしてみるのにもなかなか勇気は要るらしく
踏み切るのにさんざん時間がかかるか、おおむね逃げ出したり。

ひとからみたら
わたしって
すごく臆病に見えるんだろうかな

思います

食べ物について極端なアレルギーはないので
少なくともアナフィラキシー起こすようなものはないので
その点では、恵まれているのかなと思う。

そういえば小さいころから「卵とか牛乳とか駄目なのね」とよく言われたなあ
言われすぎて食べないほうがいいんじゃないかと思ってしまったくらい(笑)
卵も食べますし牛乳も飲みます
ミルクティとオムレツ好き
あんまり食べる習慣がついていないせいか
気がつくと一週間食べてなかったよとかいうことも
かなりあるけど。

いちど大豆にアレルギー反応が出て
大豆除去食をやったことがありました。
お豆腐の入ったお味噌汁が食べたくなって困った……
日本食って大豆と切り離せない食べ物の文化なんだなって
すごく身にしみてしまった
病人食、なんとなく印象で
和食なら低カロリーでヘルシーでだいじょうぶだと思うのに、
それがことごとく駄目で
いやあれも大豆これも大豆それも大豆
大豆なくしては日本文化は成り立たない!と本気で考えてしまった。

そうして湯葉とかお豆腐が好きなんだ

今では夏は胡麻豆腐のおせわになることが多い
食べすぎで胡麻アレルギーになったらどうしようかしらん
と、つらつら心配しかけたりするくらい。

うん、胡麻豆腐はおいしい

ともだちと飛騨に旅行に行ったときに
泊まった先のお宿で夜ごはんに出してくれた
ひとかけらの胡麻豆腐が
とてもとてもおいしくて
それにはまってしまったのが、最初

元気になったら
つまり大きな不安なく出歩けるようになったら、ということだが
また行きたいなと、思います


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食べ物アレルギーがないわけじゃない
調べてみたら駄目なのはじゃがいもと玉葱とりんごとチョコレートと
ココアとマッシュルームと紅茶だって。なんじゃそりゃ。
「食物に含まれる微量元素」のアレルギーです、
それだから厳密に言えば口から入るもののほとんどは「毒素」らしい。

でもそんなこと言っていたらきりがないし。

これの除去食をやったときはカレーライスが食べたかったです……
好きなものこそアレルゲンになりやすい
そのことを実感した時期
チョコレートはなくても暮らせる
でもじゃがいもと玉葱がないとさみしかった

あらゆる可能性を排除していくか
毒素でもそんなに深刻でないのなら
咀嚼しちゃえよという心意気でかかって
食べたいごはんを手に入れるか

不可がなければ、それでいい。
猛毒じゃなければ
なんとかいけるよ

そう思って、ふつうに食べたりセーブしたり、また齧ってみたり我慢したり。

触れるものは猛毒が多いらしくて、ちょっと苦労している最中
とりあえず着ても痛くないパジャマは求めている
駄目なのは食べ物じゃなくて肌に触れるもののすべて
バリア不全というものについてしみじみと感じてしまう

石鹸、シャンプー、洗剤、ゴム、化粧品
枕の詰め物、食べ物の汁、髪の毛、下着
汗、埃、水


丈夫になれなれ
このからだ


そう思いつつ
かぼちゃ色のサプリメントを口にしている
このごろの数日

…………少しでも丈夫になれたら、めっけもの。



2003年07月12日(土) 反省しても

天気予報を聞く
30度を越えたらしい、
暑かったな
たしかに

ただ気温が暑いだけはけっこうきもちがいいなと思っていて
けれどプラスして湿度が高くなるとぐてんとのびて、
もしくは食べられないくらい体が痒いとか痛いとか泣きそうで
これで今年の夏だいじょうぶなのかな、、、と
ちょっと心配。

目がよく見えない。

白内障だの網膜剥離だのじゃないといいんですが。

……なかば自業自得な心配にはしる傾向。
絶対に目に圧力をかけないとか
そういうところがしっかりしていたら、
心配しなかったと思うんだけど。
目の周りの湿疹早く治さないと見えなくなっちゃうよとお医者さんに言われた。

うーん。

もっとも
たいていの場合、ただの疲れ目なんだけど。

ステロイド内服なんかしたくなるこのごろ。
弱っているな、と、
思う。
余裕ない。


ささくれているのがよくわかって
アトピーの人は性格がキツイとか我儘だとか
一部には言われるらしいのだけど
それはぜんぜんほんとうじゃないと思うんだけれど
ただし、痛いとか痒いとかでどうしようもなくなっているときの自分のこと思うと
すごくすごく当たっているなと思わずにいられない。
なにもしないものね
あらゆることが
神経に障るようで。

物言いがものすごく乱暴でしょっちゅう腹を立てるので
一緒にいる人は、さぞ大変だろうなと思うのです
自分の言動、わたしがまず嫌になるくらいなので
かなり荒れているに違いないよ。

もう少し、忍耐強くいられればいいんだけど。


ないものを求めてもしかたない?


とりあえず
おやすみなさい
ですね


みんなぐっすり眠れますように。



2003年07月08日(火) 吉祥寺

吉祥寺に行ってきました
ちょっとした冒険に似て
遠くへ遠くへさんぽする

李孝司写真展「きみ住む街で vol.2 」ギャラリー惺


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3箇月ぶりに行ってみたその場所は
緑がわさわさっと道中にあふれていて、それがもう
うわあああというしかなかった
井の頭公園ちょうど前、並木道
みんな、春には裸木だったので
道にたっぷりかぶさってあたりを暗々とさせるくらい
みどりみどりしているのが
別の場所のようで

夏だよ
どうしよう

白黒写真二十数点、、、くらいだったかな
井の頭公園は動物と子どもの宝庫のようです
大人のせなかと、子どもの顔と。

写真のなかに記憶をみてしまったので
ああこんな
やわやわと光の粒子が漂っていたような
ひなたくさい、ほこりっぽい、
それでも眩しすぎてしかたなかった学校の庭の砂埃を
フェンスを隔ててのぞいていたときがきっとあった。
仲間はずれのようなきっぱりとしたさびしさで
向こう側には誰もいなくて

孤独というものが燃えつきて、そこにはもうなんにもないのだ

本当は公園の広場の写真だったらしいのだけど
わたしには学校の校庭に思えてしまったのだった
まぶしい、まぶしい、
緑の下からみはるかしているまっしろな砂がじりじりと焼かれて
沈黙している夏の庭。


ひとの写真のなか、じぶんの記憶をトレースしてみるようなこともあるのだなと思った。


李さんの飼い猫という「チィ」の写真がとてもとてもよくて
持ってかえって飾っておきたいくらい
猫の写真を集める趣味はぜんぜんないです
むしろ逆、
猫のカレンダーとか猫の写真集とかは十中八九避けて通るほう

しかしそこに写っているのは
たとえば「かわいい猫の顔かたち」じゃなくて、
通りすがりのコンニチハでもなくて
もっとずっとあったかくて深くて
それはずっと一緒にいるこのひととの関係、だと思った。
そんな猫の顔。
のびのびーん。

うーん飼い猫オーラがうらやましいとも言います。


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よくなかったこといくらか、
人込みがこわくてかなりぐらぐらと発作手前くらいに行ってしまった
それか中継地点になってもらったともだちの顔をみてへこみにへこんだ。
うん。
外見がしんどいってこういうことなのかなあと一人でいたら思わないことを
目の前に見てたっぷりじっくり考えずにはいられなかったのだった……
情けないけど
あーあ、わたしも一応女の子だったのだなあ、
ちぇ。

ただ、避けて通っている事柄のあんまり多いことに
気がついて妙にかなしくなってしまったのだった。
腕を出さないこととか
食べるもののこととか
夏なのにハイネック着てることとか
化粧っ気のまるでないこととかそれなりにいろいろ
言葉にも浮かんでこないような些細なことをたぶんたくさん
勝手に感じて

………隣の芝生はいつだって真っ青さ。

くらべたら、きりがない。

帰ってきてばったりとしているけれども
ちゃんちゃんと悪くなってくれる状態で
落ち込む要素にはことかかないのだけれども
しかし

それはともかく

くらべたらきりがないので
わたしはわたしで
あきらめないようにしないとね

しかし往復の電車のなかのできごとはくりかえしたくなく思うので
やっぱりせいしんあんていざいだのこうふあんざいだのすいみんやくだの
そういうのがあったほうが楽に過ごしてゆけるのは間違いがないようで
どうしようかなと思うのだ

楽なほうに倒れてるだけじゃないのか自分
といううたがいはぜんぜん晴れない
ちっとも晴れない

うすくならないしみになってる



2003年07月07日(月) 七夕雨

七夕夜は今年も雨か
シャワーみたいに音が降ってくる
さわさわ
さわさわ

くもりのそらから落ちてきた雨
庭の緑
ふくれて

さわさわさわ

駅のほうまで歩いていったらおまつりが見られるね。
今日は七夕
七夕まつり

地元は七夕まつりで有名みたいです
住んでいるといまいちその実感がないので伝聞系になってしまうのだけど
(だってそれは昔からそこにあるものだから)
住んでいるところを言うと、ああ七夕で有名な?という言葉がよく返ってくるので
きっとそうなんだろうなあって地元民よく思います

一年のうちに五日間だけ、
尋常ならざる人の集まる

病院はおまつりの夜店がならぶ通りかそのすぐ近くにあるので
メインストリートに隣り合ってる皮膚科なんて期間中はオヤスミになります
駅のホームには今年も風鈴と短冊がならんでいるのかな
いろいろ言って駅を通過しながらおまつりを見ていたことが多いので
まったく出歩いていない今年はなんだかさびしいような
時間がわたしの外を流れていってしまうような

雨のさらさら

おまつりは結構すきなんです
ごみごみしてるけど
とくに夜店が。
ヨーヨー釣りだのりんご飴だの、半透明にぬれぬれてらてらひかって
謎のキャラクター人形のでっかい風船をくくりつけた人がふよふよ行き来して
あやしげな感じでいいですよ

浴衣だって着たいよね
そうして体に悪いもん食うの。(笑)


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


猫はとんでもないやんちゃ坊主であった
憎まれっ子、世に憚る
日々たえまなく運動、今日はとうとう網戸をかけのぼっている
人の姿を追っかけながらほんとうによく鳴き騒いでいて
洗濯物を干す母にはかなり「よい迷惑」らしい
なにしろ背中までのぼってきちゃうんだって
たしかに日々、乗りたがる場所の高さが高くなっていく……

これ大きくなったら少しは落ち着くんでしょうか
家族は誰も猫とそんなに付き合いがなかったので
よくわからなかったりして

名前はまだない、
猫は猫。


例えば「りんたろう」。
勝海舟からいただこうかと兄が言い
しかし
森鴎外とだぶるからやめておくれともなり保留の名前

例えば「ジョバンニ」。
たしかに毛並みがますむらひろしの銀河鉄道の夜の映画のジョバンニと似ています
おなかが白くて(顔は白くないです)、手足だけ白くて
でもねえミヤザワケンジフリークとしてはジョバンニは猫じゃないんだよね
銀河鉄道の夜の映画は好きです
うつくしいと恐ろしいがせめぎあっているあたり

例えば「ワナ」。
とある馬の名前、よびやすくてよくない?
しかしこれは牝馬だそうで
そうして明らかに馬の名前なのであり
そのあたりで二の足をふむ


……そんなわけでまだ無名


ギンガムチェックの首輪がかわいいけど
遊んでやれなくてごめんね
近寄れないわたしが鳴き続けるのを前にして途方にくれている


でも元気なのはよいこと、よいこと
毛並みもふっくらしてきたしごはんもよく食べる
もらってきた薬がきいたのかくしゃみも減ったし
懸念していた病院通いはしなくてすみそうなので
その点はよかったね、と


一方で病院通いをまじめに再開させようかと考えているわたし一匹、
投与をはじめたセラミドのおかげか顔の赤みはすこし引きぎみ、
ずいぶん慢性化してしまったので胸から上まっとうな肌がみつからないが
でもあの「白とピンクのだんだら」を鏡で見なくともすむのは
ずいぶん気持ちの上で楽になることです。

誰をうらむわけじゃないけど体がつらいのが長く続くと
できてないわたしはどんどんひねくれていくので
やっぱり今の症状はどうあっても底上げをはからないとやっていけなくて
ただそのまえにひとりで外に出て行けるようにならなければいけない、ほんとうに
まじめに通院もできない。
ひとりだと恐くて外に出られませんなんてたぶん
まともな言い訳に聞こえないよね

ぐちゃぐちゃ入り混じってよくわからない頭のなかみ
わたしがどんどんとりとめもないものになっていく


「はやくひとりでできるようにならなくちゃ」・・・・・・・・いけない/なりたい。


つらつらと書いては消ししているうちに午後も過ぎてきて
放課後の学校から吹奏楽部の練習の音が聞こえる
音あわせに音階をくりかえすトランペット


雨まじり、雨もよい、

今日はたなばた


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


……なんともうす暗い文章だこと!

すみません。



2003年07月03日(木) 爪を立ててはいけません。

その後の猫。

結論として飼うことになりました
なぜ?という感じだけど
つまり寄ってくるものをはねつけられず
猫捨てをすることもできなかったので
保健所に連れてゆくこともできなかったので
外猫扱いで飼うしかないでしょ、と
兄が決めて

そんなわけで昨日
袋に入れた猫つきで獣医さんに出かけていった兄
鼻炎用のくすりとキャットフードの試供品をもって帰ってきた。
予想を外れたことことがいくつかあって
ひとつ、
オス猫だったこと
ひとつ、
これ以上ほとんど大きくならないということ。

実はもうほとんど大人なのだそうです
あんまり小さいので子猫だと思っていたし
もっと大きくなると思っていたのだけど
獣医さん曰く、
体の大きさもこれくらいで止まるのではないかということで

……こんな小さな猫はじめてみた。

どれくらいかと言えば片手でかるくひっかけて投げられるくらい。
家の中に入れるわけにいかないので
入ってくると抱えて放り出すわけだけど
そのときの軽さといったら、ずいぶんなもので
牛乳壜の2本分より絶対にかるい気がする。
今日はじゃれているうちに左腕にぶらさがってしまった。
まったく重くない。


1年だけキャロルが住んでいた青い屋根の犬小屋
出してきて水をかける。
猫は箱が好きなんだって、そう言いながら
小さなダンボール箱を小屋の中に入れている兄の近くを
ひたすらうろうろしながらじゃれている猫は
どうやら夜中はきちんと小屋の中で眠ったらしい。
犬小屋、あらため、猫小屋。

私はといえば痛みで眠れなかったので朝5時ごろに起きてきて
外に出てみたらパジャマに穴をあけられました
だって、飛んできてじゃれたついでに足によじのぼるんだもの……
痛いのでこらー!と叱ってはがしてみたら膝のところ破れていた。
あんまり爪を立てないでおくれよと誰かこの子に言ってあげてください……
かすり傷がぜんぶ湿疹になる身としては
ちょっと戦々恐々としながら暮らしています

人間だいすき猫であることだけは間違いないです
猫にすりすりされまくりたい人、どうぞ我が家にきてください
思う存分してもらえることうけあいます


猫にかんするおぼえがき。

生後7ヶ月くらい
オス
名前はまだない
おなかが白い黒色で足にはぜんぶ足袋をはいているが長さがみんなちがう
かぎしっぽ
体が小さい、とても小さい
外猫
ただし本人は家猫志望と思われる
とにかくよく鳴く
甘えっ子
パソコンをやっていると横の窓からのぞきこんできて遊べと鳴く
台所でごはんを食べていると窓からのぞきこんできてなにやら鳴く
慢性的に風邪をひいているかまたは鼻炎持ち
くしゃみをよくする
カラーボックスの二段目が好き
耳の格好はとてもよろしい
個人的に立派なひげを持っていると思います


そんなわけで今も横で鳴いています
名前を考えてあげましょう


でもその前にできればひと眠りしたいような
だって午前1時に目が覚めるのはかなしい
皮膚には亀裂、まぶたに炎症
びりびり痛いのはなかなか減らない
だけど玄米ごはんはよく噛むとおいしいです

だいじょうぶ、きっとだいじょうぶ

 朝ごはん
  玄米
  梅干、海苔、ごま
  めだまやき
  わかめとおとうふと小松菜のおみそしる
  薬草茶

我ながら奇妙にヘルシー。


 < キノウ  もくじ  あさって >


真火 [MAIL]

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