みちる草紙

2006年01月08日(日) 煩悩と時差

まだ親元で暮らしていた子供の頃。

除夜の鐘と言えば、大晦日。
“行く年来る年”で映し出される
雪のしんしんと降り積む各地の神社仏閣を
こたつで温もりながら、しんみりと見守っている時。

時計が12時を打った瞬間に
ご〜〜〜〜ん… 
新年の幕開けを告げる、ひと衝き目の鐘の音が
漆黒の闇を縫って荘厳に鳴り渡る。

この年になるまで、それは日本全国そうだと思っていた。

ところが先日、熱海で迎えた大晦日。
恒例の“行く年来る年”を見ていて、ふと、重大なことに気付いた。
お寺に初詣に訪れた人々が、交互に撞木を取って鐘を衝いている。

あれ?これは勿論中継よね、録画じゃないよね?
なんでこんな早くから衝いたりしてるの?

『何言ってるの、12時に108つ目が鳴り終わるように衝くんでしょ』

はっ?そうなの?(+_+)
確かうちの方では違… ったと思うんですけど??

『四国では旧年の煩悩を新年に持ち越すのか?』

そう言われてみれば。年が明けた瞬間から一つずつ煩悩を衝き出し
全部鳴り止むのは、1時にさしかかる頃だったと記憶している。
除夜の鐘の第一声に地域格差があるとは知らなかった。

いやもしかして、うちの地元は首都圏と時差でもあるのだろうか?



2006年01月07日(土) 慌しい年始

大晦日、書き上がったばかりの年賀状の束を駅前のポストに放り込む。
寝不足で意識朦朧、まるで持ち帰り仕事で徹夜した時のようだった。
新宿から小田原まではロマンスカーを利用したが、座席は
予想に反してガラガラ。帰省のピークは前日の30日だったというからな。

年越し蕎麦をいただきながら除夜の鐘を聞き、伊豆山神社で初詣。
温暖な熱海とは言え、深夜の冷気はコートを通して身体に沁みた。

元日の夜、行きつけのバーへ。熱海に来る度必ず寄ることにしている。
開店後まだ間もない時刻だったので、他に客はなく
カウンターには珍しくママがいた。(普段はマスターひとり)
くそ寒いのにフローズンストロベリーなんぞ注文し
そのあと目当ての絶品カレーで温まる。やっぱりここのが一番んまい。

二日、富士山を望むドライブを予定していたのに、空は鉛色の曇天。
人が家を出る刹那に雨がぱらつき始め、すぐ土砂降りとなった。
何気なく「熱海っていっつも雨降ってるね」と言って叱られる。
新年早々的中させる雨降らしは誰って?わしゃ知らんよ(ーー;)
(予報では三賀日は晴れると…)

雨の山道を走行中、事故車(自損)に遭遇。目を蔽わんばかりの大破。
放っておけずに救助を呼び、消防車やレスキュー車の到着を見届けて
その場を離れたが、折からの雨で結局ドライブは近場で済ませた。

夜、馴染みの甘味屋さんに行くと
『アタシものを造るんですよ』と仁王立ちでのたまふ
どっから見ても魔女の館のインチキ占い師としか映らない
怪しげなおばはんに紹介され、抹香臭いハグに遭い、戸惑う。
痴情沙汰のいわくの多い女性。自慢の美貌より、そのおでこが眩しい。

三日、もう帰る日。腹立たしいほどの青空…。

四日、仕事始め。朝の電車はまだガラガラ。



七日、零時就寝、昼の一時まで爆睡。

何故だか激しく疲れた一週間だった。


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