みちる草紙

2003年01月26日(日) 招かれざる…

毎週毎週、極度の疲労から、決まって仮死状態で浪費する土日。
今日(土曜)こそ、いや明日(日曜)こそ時間をうまく使い、有意義に過ごしてやる!
と毎週思うのだけれど、いつもグッタリダラダラ、あっという間に夜が来て月曜の朝。
ああ…なんで世の中一律、週休3日制じゃないんだろう。って思いません?(。-。-。)y-~~~

晴れてはいたが風は刺すように冷たく、やはりそれなりに寒かった冬の日曜日。
夕方になると既にどっぷりとこたつに潜り、先日打ちつけた背中をさすりながら
肘枕でぼーっとテレビを観たりしょうもないメールを打ったり、実に勿体無い
時間の過ごし方をしていた、まさにその時だった。

ピンポーン

んあ?(¬。¬) 外はもう日が落ちて薄暗いのに、誰だ今時分。

ピンポーン

日曜日にかかってくる電話はセールス、来るのは大抵ものみの塔と決まっている。
かまわん、放っとこ(。ー_ー。)y-~~~

ピンポーン ピンポーン

…やけに粘るなぁ。知人かしら。しかし前触れもなくいきなりやってくるような
ヒジョーシキな奴は、元だーりんならともかく友人には… 
怪訝な心持でインターフォンに出る。

「はい、どちらさま?o(ー。ー#)」←無愛想

『…星野さん?…N田です』

・・・・・・・・・・・・・・・・

「はあああ?( ̄ロ ̄;)」

息が止まるほど驚いた。1年前に辞めたあのクソ会社の、部長(頭にエロがつく)じゃないか!
あんまりビックリしたので、インターフォンの受話器を持つ手が思わずガタガタ。

「何のご用でしょうか…」
『あのねぇ、どうしてもあなたに訊きたいことがあるのよ。2〜3分でいいから
 出て来て話を聞いてもらえんだろうか…』

血迷ったか。1年も経ってから、キサマ一体何を訊こうというのだ(-"-;)
今だから言うがこのおやぢは、アタシのよーなぴちぴちギャルに年甲斐もなく
不適切な関係を迫ってきていた、見下げ果てた畜生上司なのである。
エレベーターの中で抱きつかれて、力任せに突き飛ばしたことだってあるぞ。
当時から『あいつと付き合ってるのか?こいつとはどうなんだ?』
と妄想めいたことをやたら訊ねてくるから、相手にしてなかったんだけどなぁ。

あ、断っておくがこれは「アタシってモテモテ♪」自慢ではないぞえ。
あの会社、とにかく女性の数が少なかったのに、女癖の悪い不心得おやぢどもが
揃っていたので、もはやそれは宿命ともいうべき境遇であった。
二人しかいない女性社員のうち、もう一人は48歳のJ子さんだったし。

「アタシ今、具合が悪くて(←嘘)出られません。お引取り下さい」
『…じゃあ電話してくれるか。私の携帯の番号、分かるかね?』
「―― はい(←嘘)」 どうでもいいけど早く帰ってくれ!(`◇´)
『待ってるからね…』

どうやらそのまま大人しく立ち去ったらしいが、万一その辺に潜んでいたらと思うと
不気味さのあまり、下の自販機にタバコを買いに出ることすらできなかった。ちくしょー!
アタシの左手はインターフォンの受話器を掴んでいたが、右手は無意識に電話に伸び
110番通報の準備も整っていた。今度来やがったら、突き出してやるからな!
…今頃になって、まさか家を訪ねてくるとはなぁ…。
そう言えばアタシが辞める時、あのオッサン、やっぱり家まで説得に来てたっけ。
表向きはセクハラ御大・エロ常務側につき、アタシを諭すポーズを取りながらも。
この辺鄙な場所の、道筋を覚えていたのか。げにおぞましきは老いらくの痴情。
はやばやと辞めておいて正解だったと、改めて思う。

しかし。これは本気で引越しを考えなければ!(-_-;)



2003年01月03日(金) 懐かしの我が家

暮れの28日に実家に戻ってから、ちょうど1週間。
今日はいよいよ東京に戻る日である。

思えば帰省した当日から毎昼毎晩のように、母のお喋りに何時間も付き合わされて
眠い目をこすりこすりウンザリすることもあったが、そこには
これも日頃の親不孝の、一片の罪滅ぼしかという思いと
アタシの長電話好きは、この母親からのダイレクトな遺伝によるものだという強い確信と
これだけ喋り倒せる間はまだまだ大丈夫かという、もう決して若くはない独身娘の
老いた母に対する、それと知られてはならない気遣いとが、ないまぜになっていた。

昨日は、家族で父の実家に近い隣町の神社へ初詣に行った。
田舎なので、明治神宮なんかと違い、参拝客はまばらで境内はが〜らがら(^◇^;)
母と妹は敬虔に、一つ一つ社を回り、二人で何やら一心に拝んでいた。
父だけは氏子のくせに、頑固に『ワシは神を信じていないから』と罰当たりにも
一人背を向け、おみくじすら引こうとしなかった。可愛くない年寄りである。
アタシは願掛け撫で牛もナデナデしたし、おみくじは大吉を引いたし、日本人なんだから
正月は精々参詣すりゃいいのさ、寝正月でなけりゃいいのさ、程度のノリであった。
夜は近所の居酒屋で、家族4人がテーブルを囲み酌み交わす。
アタシが東京に出て来てから、いや、進学と同時に実家を離れた時以来
家族揃ってのこんな場面は、一体幾度あっただろう。そしてまた、今後は幾度…
どうか皆、いつまでも元気で。自分は東京で、一人でも何とかやって行きます。

四国に戻った日、羽田では『目的地は晴天です』とアナウンスがあったにも拘らず
着陸時、飛行機が雲海に突っ込み山々が間近に迫ると、一帯が鉛色の曇天の下だった。
そしてさあ帰りましょうという時になってみれば、昨日までずっと天気が良かったのに
今日は朝から土砂降りの雨。寒い…。どうしてアタシはこうも昔から雨女(-_-;)
空港まで、両親が車で送ってくれた。早めに家を出たので1時間半で到着。
既にラッシュは始まっていると見え、大変な混雑だったので、親たちにうどんをおごり
遅くならないうちにと帰した。傘をさして雨の駐車場へと向かう二人の後ろ姿が
妙にたよりなく、これからはもっとちょくちょく帰ってこようと思った。

窓の外は暗闇。気流の影響で、機体はガクンガクンと上下に恐ろしく揺さぶられる。
『…客室乗務員も着席しております。この先揺れが続きますが、飛行には影響
 ございませんので、どうぞご安心下さい…』
とは言うものの…本当に大丈夫だろうか。思えば短かったアタシの一生(~へ~;)
隣の席では、母親の胸に抱かれた乳飲み子が、楽しいのか大きく揺れるたびに
ケラケラと無邪気な笑い声を立てている。それはつり込まれるほど嬉しそうな笑顔。
大人(アタシ)は肘掛を握りしめ、顔を引き攣らせているってのに。


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