雑食属性。

2006年01月15日(日) ミュンヘンの中学生パート2。


リヒが中学生で兄さんが18歳の自己満足による捏造設定のおはなしが書いてあったりします。
そういった設定が苦手な方や受け入れられない方はくれぐれもお避け下さい。





帰ってきたと思ったら、唐突に意味のわからないことを口走った。
手紙をもらった、だなんて言われても、俺はそれにどう返せばいいというのか。
アルフォンスは俺が年上だからと遠慮でもしているのか、思ったことをあまりはっきりとは言わない。言うのは本当にぶち切れた時くらいだろう。
だから俺にはどうも伝わらないことが多い。アルだったらこんなことはなかったはずだった。あいつは穏やかそうに見えて、言うことはいやにきつかったりする。思ったことも言いたいこともはっきり言うやつだった。(どんな嫌味や喧嘩腰の発言でさえ、あいつが笑顔で何の問題もないかのように言うものだから俺もまわりも一瞬間何を言ったのか理解できないことがよくよくあったくらいだ。)
俺が嫉妬すると思っているのか、あるいはそうしてほしいのか。
結局アルフォンスが俺に何を言いたかったのかはわからなかったが、俺はヒステリックな女のように彼の一言に嫉妬心を抱いてしまった。
露骨に顔と態度にその様子を表した俺を見て、彼もどうやら気分を害したようだった。
まぁたしかに、思い返せば俺の発言は情けないほどに幼稚だった。
軽い嫉妬のせいで考えなしに言ってしまった言葉に今更に悔いた。彼が黙って出て行ってしまったことで、改めていやな気分を味わうはめになった自分が情けなくて少し笑えた。
彼が黙って部屋から出て行くなんて、相当に腹を立てているに決まっている。沈黙で自分の意見を押し通す彼はいっそ弟より面倒な面も多いのだ。弟となら、ほとんどの場合で口喧嘩になりそこから次第に殴り合いの喧嘩になって、お互いに鬱憤を吐き出して何事もなかったように元に戻れるというのに。彼にはそれが通用しない。(正しくはそれができないだけだが。彼に殴り合いの喧嘩だなんて、似合わない以上に生命の危機だ。腕一本脚一本しかまともに使えない俺でも、基礎のないアルフォンスでは相手にもならない。)
彼に怒りを与えた代価に何を支払えばいいのか。俺には想像もつかない。彼とこんな風になったことなどなかったから、そうなったときに彼に何をすればいいのかわかるはずもなかった。


まだつづいたり。


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