カエルと、ナマコと、水銀と
n.446



 

=ラ=

寂しいふりをするのは得意だ。君が寂しいのだと思った。電話を切られた後音が残った。あるようでないのは、共鳴のなにか。ほしいのはなんでしょう。誰も持ち得なかったものがほしい。どこにもないものがほしい。純粋に結晶化した寂しさが欲しい。見るだけで、切なさの吐息が漏れるほどの。何もなければよい。洋服だけが残ればなお良い。消えてしまえ。僕共々。

あ、やっぱり。

消えないで。

2007年11月24日(土)



 踏み切り渡る

=踏み切り渡る=

32秒前に放った言葉が消えた。僕は君がめんどくさい。
さい。
さい。
さい。
残響音はこだまする。響きまして、遠く。あなたがために、夢を見るのなら もう一度、32秒前に戻りませう。僕は君がめんどくさい。
あなた、よしとすれば、良いってものではないの。どうにかして、くれ。君。どりいろの血液は、植物性の抽出液だから、案外身体にはいいと聞きます。

 それ、誰から聞いたっけ? かしこまりまして。飛ぶ。


=音楽=

あ。ら。ま。
し。お。れ。て。し。。ま。った。よう。ね。。。
君の肌。し。わ。し。わ。
わ。け。れ。ば。すこし。な。け。れ。ば。とほし。


2007年11月19日(月)



 無情

=無情=

さびしく消えたのは、何もない心の部分だった。原色の人間を残して、ひっそりと。曖昧に人の形をとって、粒子の間を縫って、風のほうへと誘われていく。

モノクロの雨。

青い心だけが少しばかり君を懐かしい。ただ、温かさも冷たさもない。すきっ枯らしの風に滲む。涙の形をとったそれは、霧散。

青色への電信。

地に染み込んだ飴玉は、赤色が笑い、沸き立ちます。追従の服従。憂愁の中秋。最終の来週。驟雨がすべてを地に伏せて、、

ただ、モノクロが切り離されただけ。

2007年11月16日(金)
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