Kyoto Sanga Sketch Book
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2000年11月30日(木) 【J1神戸戦 2nd 第15節】 〜 J1最終戦 降格

神戸ユニバ。
サポの声がやっと大きくなる。
そして延長決定を知らせる笛がなった時、
アウェイゴール裏大勢のサンガサポが一瞬静まった。



・・・・サンガの降格が正式に決定した。
磐田の時より短い静まり。









「カズ!残ってくれー!」「エンドー!エンドー!」「もちづきー!」
選手の残留を望む声が終了後に響く。
それを見た報道のカメラが、私たちアウェイ側に群れ、フラッシュが焚かれた。
「見世物ちゃう。真剣なんだぞ、こっちは・・・。」

(きっとその後、彼らの記者はまた選手達の裏切りの言葉を書き留め、
私達の写真の下に載せるのだろう)




京都アレアレオーレ・・・。

誰かが歌いだした。
その歌は小波のように広がった。一人たち、二人たち、歌は広がって行く。
試合の間すら立つことのなかった人々まで、その波は広がっていきました。

サンガの歌は、来年も続く歌。
応援の時には座っていた観客まで大勢立って歌っていた。
吉田団長が恒例の拡声器をもった挨拶を始める。

「もっと早くまとまっていたら、何か違ったと思います。
来年はJ2です。どれだけの選手が残ってくれるか見当もつきません。
東北、九州。全部行くのは不可能です。
でもサポーターの力があれば必ず一年で復帰すると思います」

関西にない遠いアウェイ。44の試合数。想像もつかない。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

私はバスに乗り遅れないように早くに出てしまったけど、
引退セレモニーの永島さんが、サンガに向かって「来年は昇格を」と言ったらしい。
(さすが、関西が産んだ最高の男前Jリーガー!)

永島さんのゴールならいいか・・・・やっぱりサポもお人好し 。


競技場の中を歩いていると聞こえてきた言葉「なんか実感わかないねぇ」
休憩のドライブインで誰かが話している。「ピンとこないねぇ」
バスの中で女の子達の声。「本当に来年J2なのかな・・・サンガって」







実は私も・・・・実感がない。






ねぇ、終わった気がしないんですけど・・・。




2000年J1リーグ全試合終了


2000年11月23日(木) 【J1v川崎戦 2nd第14節】〜心のベストゲーム

カズのゴールだった。
アウェイ側に遠く送られたボールに、西京極は歓喜した。
カズの国内外のどのゴールより、それは私にとって一番大切なゴールになった。






■前半■

試合前。
ジェフとの絶望的な17得失点差を埋めるため、狙うは大量得点
絶対に勝たしてやる、そんな出遅れた高揚感が西京極に満ちていたかも。

試合に出ていない選手を応援している女の子達まで
前に立って応援していた。

「ファーストステージの惨敗だけが問題なんだ。
今のサンガはJ1にふさわしいチームなんだ。」
ムシャクシャな気持ち、そしてプライド、様々な感情がごちゃ混ぜになって
西京極のゴール裏が、バックが、メインが動かされている。
前後左右から沸き上がるコールに、私も鳥肌が立ってきた。


でもこれってなんか全てが「遅すぎる」・・・よ。
選手もサポも・・・・。全部。



サンガが押せ押せでゲームのペースを握る。
でも、たったワンチャンスでヴェルディが先制。
が、絶対負けるはずがない。勢いに乗っているのはこちらだ。

37分、FCから富田が受けてエジバイに、
それをカズがダイレクトに合わせてゴール! 1−1。



■後半■


平野が怪我の為、CK、FKは左右とも遠藤。
左右のコーナーを行ったり来たり、ご多忙なヤット。
何往復かする度に、日頃は体力省エネ派の彼も駆け足に。
ゴール裏、笑いながらヤットコールが少しばかり(笑)

彼のFKに尽さんがヘッド、カズが押し込んでゴール!
でも、すぐに追いつかれる。2−2。

主審のジャッジにブーイングが凄い
また、柄が悪いとかの批判が飛ばないか 心配だけど、
珍しく選手を絶対守りたいって気持ち、ホームっぽいくて煽りたくなる。

だが、松井がOUTしたとたん、今日も相手が息を吹き返した。
「もー松井を引っ込ますな!!私が許す!
ボロボロになっちゃってもこの際、もーいいから!」
(酷いファンである)

そりゃ大量得点が欲しいよ。
でも、選手とサポが突き進んでいるのは、前節みれなかった幻の勝利。勝て。


■ロスタイム■



ロスタイムは・・・・・3分。
私達J1サンガの「死」は延長に入った時点で宣告される


「まだサンガに死を与えないでください・・・・
J1にふさわしいチームである証を、誇りを・・・・・」
理由のない祈り、でもプライドをかけた祈り。


私達の遠くの方のゴールに球が送られた。





西京極が沸いていた。
カズのゴールだった。
サンガが勝った。












勝利の歌のテンポを上げるところで、また涙が出て来た。
本当に涙が出ていた。回りの男の人の目も潤んでいた。
悲しさと嬉しさに圧倒された。J1サンガを失いたくない。


何の記録が生まれたわけでない。何がこれで変ったわけでもない。
Jの歴史に残りもしない試合が終わっただけ。
でも、今日の試合は私の心の中、記念碑が建つ。

そういえば、 今までいろんなチームがあった。
降格やら極端では消滅やら・・・何も理解できなかった。


当事者でなければ分からない気持ちがきっと一杯ある。
世界中のサッカーファンは色んな気持ちを抱いて
又、次の試合にそれぞれ足を運ぶんだろう。



We are always with you.
Never give up! J1

次のゲームも、来年も。続いていく。


降格の結果が出るのは次節。
それまでは一緒に夢がみれる。


2000年11月18日(土) 【J1磐田戦 2nd 第13節】〜 事実上の降格決定

運命の試合。
1stステージの13敗を背負いながらも、
2ndは少しずつ順位をあげていました。

このメンバーで来年こそは上位を狙いたい。
このジュピロにさえ勝てば、奇跡の残留は果たせるかもしれない。

前半は2ー0。なんとサンガがジュピロを圧倒していた。
しかし・・・

終了前、たった5分間ですべてがひっくり返った。
子どもの泣き声のような悲鳴が私の近くで何度も響きました。

ほんの5分前まで2点を先行し、至福のときを過ごしたジュピロスタジアム。
私はその同じ現場にいるはず。 でも、そこは別世界でした。


紫のユニフォームは
まだ、私達の目の前で走っている。














ピーッ、ピーッ!
終了の笛にジュピロの水色のサポーターの歓声が一斉に沸き、
ジュピスタがうねるように踊った。

その瞬間、アウェイのゴール裏を埋め尽くした
さっきまで夢にあふれていた大勢の紫のサポーター達は
悲鳴もなく、ただ凍りついて冷たい空気の中佇んでいた。
選手への罵声も出ず、ただ皆、静かに立っていただけでした。



磐田の駐車場、
朝には奇跡と夢にあふれて乗り込んだ2台のアウェイバスが
同じ顔で私たちを待っていました。

ライバル、ジェフの勝利が私の携帯に伝わったのはその後、バスの発車前。
今置かれた「現実」知って、頭の中がからっぽのまま感情もなく涙が落ちました。


この試合の残酷な意味はほとんどどのメディアも報道しなかった。
残り2試合を「18点以上」の得点差で全部勝たない限り、
もうJ1にはいられない。もはや残留は不可能。



若い女の子たちのすすり泣きや鳴咽、しゃっくりが
薄暗いバスの車内、どこそこの席から漏れていました。


miyako |MAILHomePage

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