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No-Mark Stall *




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自分用メモ魔法編。 | 2005年06月28日(火)
めもめも。各FT世界の魔法整理(何かちょっとまざりそうで)(マテコラ)。

女子高生救世主や変態魔法使いやへたれ誘拐犯な魔王がいる世界の魔法。
・基本は図形。円で世界を表して中にごちゃごちゃ描き込むことで魔法(というよりも術)が使える。要は方程式みたいなもの。使いたい術によって使う図形や書き込む順番や位置が規則的に変わる。
・普通はただ描いただけでは発動しない。神殿が聖別した専用の紙に特殊な顔料で描いた符を千切ることで効果が出る。誰が千切っても効果は同じなので神殿の主な収入源。実のところは丁寧に描かれたものほど威力が高く本人が描いたものを本人が使うと威力が上がる(社外秘ならぬ神殿外秘)。でも気付いてる人もいる。
・符を作るひとが符術師で一般人から魔法使いと呼ばれたりもする。でも符術師≠魔法使いなので符術師にとってはそう呼ばれるのは嫌味にしか聞こえない。大抵の符術師は神殿に囲われてる。符術師になるにも才能が必要で得意分野もあったりする。
・魔法使いは聖別された紙やら顔料を使わなくても術が使える人間を指す。行使する意思と図形を描く行動だけで発動するので便利(つまるところ空中に指でちょちょいと描いただけでもオッケィ)。勿論普通に符も作れるが滅多にいない。現在では世界に数名いるかいないか。ちなみに威力も強い。そりゃ詐欺だ。
・魔王は更にその上で、異世界に干渉する詠唱が使える。異世界の人間連れてこられるのはこの能力のおかげ。消耗は物凄い激しい。
・神殿はそれを複雑な術式いっぱいと超優秀な符術師いっぱいで何とかこなした感じ。下手すると死者も出かねない危険な儀式。

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伝承歌世界は面倒なので省略。
「魔法」を使う方法は千差万別。基本は自身の魔力とイメージでもって世界に干渉してそのカタチを変える。
なのでそれこそ歌ったり詩の一節暗唱したり陣書いたり、人外なら指鳴らすだけでも発動する。
ちなみに魔法使いならぬ魔術師たちはその能力から一般人から嫌われて差別されているので魔法はあまりメジャーではない。ウィッチクラフト以後の世界でようやく偏見がなくなって、その便利な能力を活用しようという動きが出てきた感じ(昔の感情がぶり返して単なる道具として使われかねない危惧もある)。差別感情の根底には異物感、というか何というか本能的なものがある。実は割と歪んでて不均衡な世界。
省略と言いつつ長かった……!

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羊の世界の魔法。
実はあまり決まっていない(ちょっと待って自分)。
詠唱が中心で魔法学校がある感じ。オーソドックス。

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「World End」の魔法。
雨族が告雨鳥なる半身を飼っていて、その力で小雨くらいは起こせる(でもそれ以外はえーと……水芸くらいなら)(……)。
耳尖族は双子と無性の者が超能力っぽい力を使える。軽いサイコキネシスとかテレパスとか。
耳長族は他人の治癒力を高めることが出来る。
人間はたまに生まれる祝福者なる神の加護を受けた人物が何か出来る感じ。
オッドアイは種族問わず異質な力の持ち主(祝福者とは違って呪われた人間として疎まれる)。

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ファンタスマゴリア。
それぞれ守護されている神さまごとに使える魔法と使えない魔法がある。
魔法使いは魔法使い管轄の神さまに好かれてて割と広い範囲を使える。でもレベルは低いことが殆ど。
逆にひとつの属性に特化した人間はそれしか使えないけどレベルが高い。
使える魔法がない神さまもいるので誰が守護してくれてるかはよく注意しましょう(たまに何人かから好かれてる羨ましいひともいます)。

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1番何でも出来るのは伝承歌世界の魔法かなぁと。
逆にWEなんか限界が近いので肉弾戦が主です。
ソードアンドソーサリーみたいなのを求めるならファンマゴかしら(つーかもとがTRPGからしてそれっぽい)。伝承歌も近い。けど剣は出てこない(……)。

ていうか設定ばかり書いてないで話を書けという話ですねごめんなさいorz
(無駄に設定魔だったりします)(忘れっぽい上に穴だらけですがorz)
目的。 | 2005年06月12日(日)
夕食の雑炊をかき込んでいたアーウィーは、コーネリアが自分の膝の上に乗せているものにふと目を留めた。
傍目こそただの布をきっちりと巻きつけた棒切れだが、浮き上がった輪郭も、昼間拾い上げた感触もそれが剣だと彼に告げていた。
「……姉ちゃん、それ本当に大事なんだなー。こんなときまで持ってきて」
素直に感心した調子の声に、コーネリアは多少苦さの混じる笑顔を浮かべた。
「これが近くに無いと落ち着かなくて。早く本人に届けられると良いのだけど」
「それ届け物だったの?」
器と木製の匙を片手に纏め、空いた方の手でコーネリアは慈しむようにその輪郭をなぞる。
「届け物というよりは、忘れ物、かしら」
「何処まで届けに行かれるつもりで?」
「正確に何処にいるのかは分からないけど、まずは王都に行こうと思って。いるとしたらまずはそこだから」
アーウィーが咀嚼したものを呑み込んで、首を傾げた。
「そのひと、姉ちゃんの恋人?」
ごふっとグレーハーヴズが喉に食べ物を詰まらせたような変な呻き声を上げ、コーネリアはぽかんとして少年を見つめた。
「……こいびと?」
「うん。そうじゃないんだったら、家族の誰か?」
家族では無いと彼女は首を振る。
「血は全然繋がってないけど、でもそうね、同じ家で暮らしてたという意味なら家族かしら。それもちょっと違う気がするけど」
うーんうーんとしきりに唸って考え込む彼女の脇で、ひそひそと竜騎士のふたりが言葉を交わす。
「……恋人でも家族でもないのに一緒に住んでた男ってどんな関係があると思う、グレーハーヴズ」
「知るか。第一お前が男と決め付ける根拠は何だ根拠は」
「だってあれ多分剣だろ? 女が持つようなもんじゃねえよ」
それもそうだな、とグレーハーヴズは頷いて空になった自分の器に雑炊をよそう。
「――しかし、コーネリア嬢。まずは王都と仰いましたが、これからどうやってそこまで行かれるつもりです?」
王都は此処から馬を飛ばしても一ヶ月近くかかる。見たところ徒歩の彼女が辿り着くのはいつの日になることか。
コーネリアはきょとんとして目を瞬かせた。
「……歩いて?」
「無茶です」
「姉ちゃんそれは無理。よっぽどの健脚でも無理。姉ちゃんには絶対無理」
そんなこと言われても、とコーネリアは唇を尖らせる。
「だってわたしそれ以外に手段ないし」
男ふたりは肩を落として大仰な溜息をついた。
「……誰だよ、こんな頼りない姉ちゃん放ってった野郎。出てきて一発殴らせろ」
「全くだ。――待っていようとはお考えにならなかったんですか?」
グレーハーヴズの質問に、彼女は酷く透明な笑みを浮かべた。

「待てなかったんです。帰ってくるなんて保証はなかったから、会いたいと思ったらわたしから会いに行くしかないんです」
「……そいつ、姉ちゃんに何も言わずに出てったの?」
ぱちり、と焚火の爆ぜる音が静かな夜によく響く。
奇妙に静まり返った場に、ぽかりとアーウィーの言葉が浮いた。
穏やかな笑みを浮かべた娘は、こくりと首を縦に振る。
「ええ。戻ってくるとも、さよならとも、何も言われなかったから、中途半端なままなの。そんな状態じゃ待ってなんていられないでしょう?」
ごちそうさま、おやすみなさい、と軽やかに礼を述べて、割り当てられた天幕に戻る後姿を見送りながら、ふたりはしばらく無言で雑炊を啜った。

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ボツった原稿から抜粋。
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