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▼▽▲悪夢▲▽▼
aki
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2002年10月31日(木)
悪夢に似た愛を抱いて


夢は夢のままいた方が幸せだったのでしょうか





体が恋をした

心は感じない

体が恋をした

心に火はつかない  



ただ感じて居たかったのは   

体温

ただ感じていたのは 

距離




無理矢理に縮めた日常

無理矢理に作った理想




何も無い

何も無かったのに

ハリボテに騙されて泣いた恋心















熱いのは体

冷めていく遺伝子

熱いのは体

出ていった遺伝子




彼になら許せた

貴女が笑っても

彼女になら許せた

貴方が笑っても





卑怯なのは愛情

卑屈なのは無情



















叶わぬ恋と叶ってはいけない恋

あなたならどっち?

哀しいのはどっち?











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メールマガジン創刊。
http://www.emaga.com/info/okamoto.html



2002年10月23日(水)
過去形

君を思い出すと、ほら、ね

あの香りが。








僕はもう過去形

過去形なんだ

君の中では





もう

友達じゃないの

もう

知り合いじゃないの





確かめようとした糸は

きらきら光る何かで切れた




必要としていたのは慰め?

強い言葉は吐けない僕に









僕はもう過去形?

君は忘れて行ってしまう

僕に面影を残したまま





もう

友達じゃないの

もう

知り合いじゃないの





平気な顔の君は

また別の“オトモダチ”を作るの?







確かめようとした糸は

ぷつりと

切れた











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2002年10月20日(日)
ジレンマ


喉から、声が出ない

丁度そんな感じで。







手元には何もなく

つむぐはずの言葉は傍にころがるだけで

お気に入った態度もとれず

照れ隠しに舌を出す




真っ赤な舌

真っ赤な嘘

真っ赤な頬







綺麗な言葉を吐きたいんだ

綺麗な嘘を吐きたいんだ

反吐の出るくらい紛らわしい恋心と共に








言葉を紡ぐ事を忘れた操り人形

手足をくる旅人もなく

艶かしいキスを待っている





紡ぐ言葉をください

綺麗に紡がれた、君の髪のような。













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2002年10月10日(木)
孤独を抱いた、太陽のように。


昔、昔のことでありました。どれくらい昔かは…
…はて、わたくしにも思い出せないのでございます。
ともかく、その昔、地球には夜というものが無かったのでございます。
動物達は眠たくなれば森の影でぐっすり眠る事が出来たので、夜というものは
必要ではなかったからであります。そのかわりに、お空には二つのお天道さまが
ぽっかりと浮かんでおりました。
 後に沈むお天道さまは、意地っ張りで傲慢で我侭で寂しがりやでした。








やぁ兄弟今日もサンサンと輝いているじゃあないか

僕の方なんてご覧よ こんなにもくすんでしまった

それに比べて君の燃え方の見事なこと

全く僕なんか恐れ多いね







 先に沈む方のお天道さまはひどくお優しく、心のお広い方でしたので
そんなことを鼻にかけるようなことは致しませんでしたが、
いつもいつも同じことを言われると少々疲れてしまったのでございます。






いや兄弟そんなことはないよ

君の方がとても美しく真っ赤に燃えているじゃあないか

僕なんて足元にも及びやしないさ

そんな風に言うのはおよしよ








 これを聞いた後に沈むお天道さまはすっかりお怒りになってしまいました。
このお天道さまには、まるで兄弟が自分のことを馬鹿にしているように
聞こえたのでございます。








ああ兄弟 お前はいつもそうやって私を馬鹿にするのだ

どうせ私は鈍感で意地っ張りで傲慢で我侭なのだ

私はもうこの海に入水してしまおう

そうすればこれ以上惨めな思いはせずとも良いのだから!






 そうして後に沈むお天道さまはぐんぐん深い深い海の方へと進みました。
先に沈むお天道さまは驚いて、自分も海の底へと潜ってしまいました。
 ところが、あたりはまだ明るいのです。二つのお天道さまは海に沈んで
しまったはずなのに、どうしてなのでしょう。
 動物達は囁き合いました、

「きっとお天道さまは沈んでもまた浮き上がってくるのさ。今までお天道さまが
居なくなった事なんてないもの!」

けれど、それは違いました。先に沈むお天道さまの体は水びたしになり
もう前のように真っ赤に燃える事が出来なくなりました。
 それでも明るかったのは、後に沈む方のお天道さまが山の陰で燃えていたから
でございました。後に沈む方のお天道さまは海に飛び込むふりをして、
山の陰に隠れていたのでございます。






兄弟よ どうして私を追ったりしたのだ

ただ少し意地を張ってしまっただけであったのに

ああ 君はもう燃えさかることが出来なくなってしまった

私の所為だ 私は居てはいけなかったのだ







兄弟よ 君までもこのようにみっともない姿にはならずに済んだのだな

何を責める事があろう 僕は君が大好きなのだ

君はしっかりと燃えるのだ かの愛らしい命の為に

そして僕をも照らしておくれ その赤い炎で







…そうして、お月さまが生まれたのでございます。真実を知った動物達は
夜が来る度にお月さまを見上げました。そうして涙をぽつりと流し合いました。






けれど、誰が知っていたのでございましょう。ほんの少しの寂しさから
兄弟を貶めてしまった苦しみを背負い、動物達から光を請われ、
責められることすら叶わなかった、お天道さまの悲しみを。













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2002年10月06日(日)
死体


そうだね あなた したい?

そんなのはもう、死体。






誰と話をしているの

あなたは誰?



あなたにむけた溜息は笑い声に混じり

繊細な和音を立てて宙に消えた



何もかもが見えなくなって暗闇の中で1人遊戯

お馬さんにはもう乗った?

焦っても駄目になる 蹴られたくはないでしょう?





冷めた皿にグリンピース

あなたの口に入るはずだった

今はもうユメノシマ






都合悪いの隠すの

被害者ぶってカートに言いつけて

背中越しに笑うの



そんなあなたの姿態

そんなあなたは死体





自分が誰かわからないの

自分じゃないって駄々こねるの


そんなあなたの姿態

そんなあなたは死体




  







何もかもを手に入れたフリしてあなたはとんだ1人上手

お馬さんに乗られたの?

誰も哀れんではくれないよ 君が悪かったのだから









認めなかったのはあなた

逃げたのはあなた

自分の姿を見なかったことにして割った鏡


そんなあなたの肢体

そんなあなたは死体







文句だけは言える唇

悲劇のヒロインなんていやしない


そんなあなたの肢体

そんなあなたは死体















そうだね あなた したい?













そんなあなたの姿態

そんなあなたの肢体

そんなあなたは死体














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2002年10月03日(木)
金木犀

また薫っているよ

いつのまにかもう




オレンジの

罪が









さようならを増やす度に逃げていった小さな痛み

逃げていることに気付いた時そこにあった喪失感



焦るばかりの成功

褪せるばかりのgouache








ぽっかりと浮かぶ 月

ぱっくりと柘榴 口をあけて









それは美しく、余りに美しく。








甘い

甘い罪

















幼子の手にはオレンジの罪

鼻に薫る甘い薫り

オレンジの罪

小さな オレンジの罪








幼子は思い出す、小さなオレンジの痛みを。

甘い甘い、オレンジの罪を。





ああ また―――――――――――――――――
























胸いっぱいの、オレンジ。


















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